MX2 2018 | 総集編

Team HRCに新加入のファランデレンが総合6位

2018年のモトクロス世界選手権MX2クラスは、全20大会40レースで開催された。ワークスチームのTeam HRCにはカルバン・ファランデレンが新加入し、フルモデルチェンジしたCRF250RWを駆って、Hondaのタイトル奪還を目指した。ファランデレンは第12戦インドネシア大会で初優勝を挙げたほか、複数の大会で表彰台に登壇するなど活躍をみせ、シリーズランキング6位。参戦4シーズン目となるファランデレンにとって、飛躍の年となった。

アルゼンチンで行われた開幕戦では、ファランデレンが18位/5位で総合10位、Honda勢最上位はハンター・ローレンス(Honda 114 Motorsports)で、総合3位に入った。続く第2戦ヨーロッパ大会は、南アフリカ出身だがオランダ国籍も有するファランデレンにとっては第ニのホームレースに。体調を崩していた影響もあってか、ファランデレンはレース2で転倒を喫し、総合13位。一方、ローレンスは前戦に続いて好走をみせ、Honda勢トップの総合6位につけた。第3戦もローレンスが好調ぶりを引き続きキープして総合5位、ファランデレンは総合8位に入り、今季初のシングルフィニッシュを果たす。

第4戦は、Team HRCの拠点があるイタリアのトレンティーノでの開催。チームのホームレースに気合十分で臨んだファランデレンだったが、レース1で転倒に巻き込まれリタイア。しかも肩を負傷してしまう。ホームレースでの活躍は難しいかに思われたが、ケガを押して出場したレース2では今季初の5位でチェッカー。ハンデを抱えながらの好走で、会場のファンを大いに沸かせた。

連戦となった第5戦ポルトガルでは、肩が完治していないもかかわらず総合9位。続く第6戦ロシアでは予選3位、レースでは表彰台圏内に迫るフィニッシュで総合6位につけた。

徐々に上り調子になっていたファランデレンだったが、ここまでで表彰台の獲得は無し。しかし迎えた第8戦ドイツでまずは予選で3位につけると、翌日の2レースともに3位フィニッシュを果たし、今季初表彰台となる総合3位を獲得した。続くイギリス大会でも好調さをキープし、2戦連続で3位表彰台に登壇。

WMX

立て続けに好リザルトを叩き出し、いいムードを保ってチームは2つ目のホームグランプリとなるイタリア・ロンバルディア大会に臨んだ。ここでもファランデレンは予選で3番手につけ、その速さを証明。レースでは好機を活かせず、表彰台獲得はならなかったものの、総合7位。安定してシングルフィニッシュを果たせるようになっていた。

ここまで着実に走りに磨きをかけてきたファランデレンが一番の輝きを見せたのが、シーズン中盤のアジアラウンドだった。第12戦インドネシア大会ではレース1を3位、レース2ではスタート・トゥ・フィニッシュを果たし、ファランデレン、そしてCRF250RWにとってのシーズン初となる総合優勝を成し遂げた。翌週の第13戦アジア大会でも総合3位。続く第14戦チェコ大会では、予選で他車と絡むクラッシュにより21番グリッドからのスタートとなったにもかかわらず、劇的な追い上げをみせてレース1を勝利。レース2では前年王者のパウルス・ジョナス(KTM)との激戦に競り勝って3位に入り、総合2位。3戦連続での総合表彰台を獲得してみせる。

かわって、8月はファランデレンにとっての試練が続いた。第16戦スイス大会はマシントラブルに襲われてのリタイアもあり、総合10位。続く第17戦ブルガリア大会では、転倒の際に自らのマシンだけでなく後続車の下敷きになって全身打撲を負ってしまい、リタイア。これは今後の大会への出場が危ぶまれるほどのクラッシュだった。一方で、シーズン終盤に入って調子を上げていたHonda勢のハンター・ローレンス(Honda 114 Motorsports)は2大会連続で総合3位を獲得してみせた。

第19戦オランダでは、大会式典でファランデレンがモトクロス・オブ・ネイションズにオランダ代表として出場することが発表。この発表後で注目を浴びる中でのレース、ファランデレンは5位/2位でフィニッシュし総合4位。惜しくも2点の差で表彰台に届かなかったものの、母国ファンの声援に応える走りをみせた。イタリアのイモラで開催された最終戦、ファランデレンはほぼ最後尾の36番グリッドから驚異的な追い上げを見せ、総合9位に。同大会のレース2では、ローレンスがHonda勢トップの2位フィニッシュを決めた。

シーズンを終え、ファランデレンはポディウム登壇5回。総合優勝1回の活躍で、キャリアベストとなるシリーズランキング6位、ローレンスはHonda勢では2番手となるランキング9位でシーズンを締めくくった。

- POINTS -

順位 ライダー マシン 総合
1J.プラドKTM873
2P.ジョナスKTM777
3T.オルセンハスクバーナ673
4B.ワトソンヤマハ602
5T.コビントンハスクバーナ599
6カルバン・ファランデレンHonda543
9ハンター・ローレンスHonda353
17バス・バッセン Honda199
27ミカボーイ・デワールHonda67
40マシス・ボワラメHonda19
45オリオール・カサスHonda14
47ジョッシュ・ギルバートHonda11
順位 マニュファクチャラー 総合
1KTM968
2ハスクバーナ814
3Honda693
4ヤマハ680
5カワサキ457
6TM119