グエリエリが最終戦までタイトルを争いランキング2位に
2019年のFIA ワールド・ツーリングカー・カップ(WTCR)、Honda CIVIC TCRは4台のマシンがフル参戦を果たした。18年シーズン、チームランキング3位を獲得したALL-INKL.COM Münnich Motorsportからエステバン・グエリエリとネストール・ジロラミ、KCMGからティアゴ・モンテイロとルーキーのアッティラ・タッシという布陣で19年を戦うことになった。

開幕戦から好調な走りをみせたグエリエリ
開幕戦から、Honda CIVIC TCRは快進撃をみせていく。開幕戦・モロッコ大会、レース1でグエリエリがポールトゥウィンを果たすと、ジロラミも3位表彰台を獲得。幸先のいいスタートを切ると、続く第2戦・ハンガリー大会ではジロラミがレース1でポールトゥウインを達成。レース2も連勝したジロラミは、第3戦・スロバキア大会のレース2でも優勝。一時ドライバーズポイントランキング首位に立ち、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportはチームランキング首位を独走することとなった。
中盤戦では、グエリエリが力強い走りを披露した。第4戦・オランダ大会のレース2でシーズン2度目となる勝利を飾ると、ニュルブルクリンクが舞台となった第5戦・ドイツ大会のレース1とレース3で表彰台を獲得。ポイントランキング首位のまま、シーズンを折り返していった。
シーズン後半を迎えた、第6戦・ポルトガル大会。ここで輝いたのは、モンテイロだった。レース3を予選2番手からスタート。ポールポジションスタートのタッシからリードを奪うと、そのまま逃げきり、優勝を飾った。17年、テスト中のアクシデントで長期欠場を余儀なくされていたモンテイロだが、復帰後初優勝をホームレースで果たすこととなった。

第6戦・レース3で優勝を飾ったモンテイロ
第7戦・中国大会では苦難が待ち受けていた。グエリエリはレース1の開始直前、マシンの消火器が作動してしまい、ピットからのスタートに。19位となりポイント獲得を逃すと、レース2とレース3では連続リタイア。それまで守ってきたポイントランキング首位の座を失ってしまった。
第8戦は日本の鈴鹿サーキットが舞台。全日本スーパーフォーミュラ選手権との併催で行われた。Hondaにとってのホームレースで、Honda CIVIC TCRが躍動する。レース1ではグエリエリがポールトゥウインを達成。今季3勝目を挙げると、モンテイロも3位に入り表彰台を獲得。グエリエリは、翌日のレース2で10位入賞、レース3で2位表彰台を獲得し、再びポイントランキング首位に浮上した。

日本大会でグエリエリはシーズン3勝目を挙げる
その後、第9戦のマカオ大会で、グエリエリはエンジン交換を行ったため、レース1を最後尾からスタート。レース1こそポイント獲得は果たせなかったが、レース2で4位、レース3で10位に入り、着実にポイントを稼ぐ。ノルベルト・ミケリス(ヒュンダイ)にランキング首位を明け渡したものの、9ポイント差の2位で最終戦・マレーシア大会を迎えることになった。
二輪の世界耐久選手権(EWC)との併催となり、日曜日に3レースが行われた最終戦。レース1で4位、レース2で優勝を果たしたグエリエリは、ミケリスを10ポイント差で追う状況でレース3に突入する。ミケリスに競り勝ち、逆転チャンピオンが見えていたところだったが、ミケル・アズコナ(クプラ)の追突を受け、コースアウト。チャンピオン獲得を果たすことはできなかった。
最終的なランキングは、グエリエリが2位、ジロラミが7位。モンテイロは20位、タッシは24位となった。