FIAワールド・ツーリングカー・カップ(WTCR)の第8戦・日本大会のレース1が鈴鹿サーキットで行われました。Honda CIVIC TCR勢は、エステバン・グエリエリ(ALL-INKL.COM Münnich Motorsport)が今季3勝目を挙げ、ティアゴ・モンテイロ(KCMG)が3位表彰台を獲得しました。
モンテイロにペナルティーが課されたため、グエリエリがポールポジションとなってレースは始まりました。オープニングラップでグエリエリは一度後退しますが、2周目にトップの座を奪い返しました。その後、セーフティカーが導入される事態もありましたが、グエリエリはリードを保ち続け、今季3勝目を挙げ、Honda CIVIC TCRとしても今季7勝目となりました。この勝利で、彼はドライバーズランキングのトップに立ち、さらに、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportも、チームランキングで2位のままながら、首位と7ポイント差につけています。
チームメートのネストール・ジロラミはエンジン交換のペナルティーを受けたため、グリッド後方からのスタートとなりましたが、トラブルを回避し、18位でフィニッシュしました。
昨年の日本大会でテスト中のケガから復帰したモンテイロが3位でフィニッシュしました。KCMGチームは同じ日に行われたTCR Japanシリーズでチームタイトルを獲得し、その喜びをより大きなものにする表彰台となりました。モンテイロは予選での危険なコンディションの中、遅すぎるドライブをしたことを問われてペナルティーを受け、4番手からスタートしました。しかし、レース序盤でポジションを上げると、背後からのプレッシャーをかわしきって、今季2回目の表彰台獲得となりました。
アッティラ・タッシ(KCMG)は、レーススタート時にハンドブレーキに不具合を抱え、スタートを失敗。19番手スタートから21位でフィニッシュしました。
予選で重量計測を行わなかったことでグリッド後方からのスタートとなったワイルドカード参戦のジム・カー・トー(KCMG)は、WTCRのデビュー戦を22位で終えています。
27日(日)にはレース2、レース3が行われます。
エステバン・グエリエリ(優勝)
「レース人生で、最高の勝利の一つです。この勝利は非常に重要ですし、信じられないほど幸せな気分です。激しいレースでした。スタートで(フレデリック)バービッシュ(アウディ)が接触したとき、なにかが壊れたのかもしれないと思いました。しかし、マシンは頑丈で壊れませんでした。そのまま一度リードを失いましたが、後のラップで首位を取り戻し、そこからペースをコントロールできました。鈴鹿で、Hondaのマシンで勝つということは特別なことです。そして、僕がチャンピオンシップをリードできたということは、それと同じくらい重要なことです」
ティアゴ・モンテイロ(3位)
「予選で受けたペナルティーの後、表彰台に立つことができて、とてもうれしいです。ペナルティーについてはまだ理解に苦しんでいますし、満足していません。しかし、レースとなればそれを後回しに考え、できる限りのことをしなくてはなりませんでした。セーフティカー後のリスタートで、エステバン(グエリエリ)の挙動に驚かされ、いくつかポジションを失い、もう一歩も引けないところでした。ウエットでのペースはすばらしかったですし、今日の結果はドライでもスピードがあることを示したと思います。ケガから復帰して1年が経ちましたが、なかなかペースを合わせられていませんでした。実際に速さをみせられたことで、特別な気分になっています。」
ネストール・ジロラミ(18位)
「後方からのスタートで、難しいレースとなりました。オーバーテイクが難しいので、いいスタートを切り、数周かけてポジションを上げ、あらゆるチャンスを生かそうと考えました。油圧が下がっていたので、最後は心配でしたが、うまくマネジメントできました。明日は、もっと上のポジションからスタートするので、ポイントを多く稼ぐために、重要なレースになると思います」
アッティラ・タッシ(21位)
「今日はとても不運でした。スタートでハンドブレーキに問題を抱え、いつも通りにスタートができず、ポジションを落としてしまいました。そこから粘り強くポジションを回復していきましたが、ターン8でブレーキペダルに問題を抱え、コーナーを直進してしまいました。ペースはかなりよかったので、中国大会のときのようにポイントを獲得できると信じています」
ジム・カー・トー(22位)
「初めてのWTCRレースは、すばらしい経験になりました。後方からのスタートでしたが、順調に走り、レースを終えられたのがとてもうれしいです。予選ではQ2進出までわずか0.2秒差でした。特に第1セクターで大きな進歩ができているので、よりよいポジションからスタートできる明日は、チームのために最善を尽くしたいと思います」
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 86 | エステバン・グエリエリ | ![]() |
26 | 26'36.701 |
2 | 10 | N.ラングフェルド | アウディ | 26 | +0.460 |
3 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() |
26 | +1.602 |
4 | 11 | T.ビョーク | Lynk & Co | 26 | +1.991 |
5 | 14 | J.クリストファーソン |
フォルクスワーゲン | 26 | +2.400 |
6 | 69 | J.カール・ベルネ | アウディ | 26 | +3.699 |
18 | 29 | ネストール・ジロラミ | ![]() |
26 | +16.476 |
21 | 9 | アッティラ・タッシ | ![]() |
26 | +18.883 |
22 | 19 | ジム・カー・トー | ![]() |
26 | +20.266 |