FIAワールド・ツーリングカー・カップ(WTCR)の第8戦・日本大会が鈴鹿サーキットで始まりました。初日となる10月25日(金)は予選が行われ、予選1でKCMGのティアゴ・モンテイロがポールポジション(PP)を獲得。さらに、2番手にエステバン・グエリエリ(ALL-INKL.COM Münnich Motorsport)、3番手にネストール・ジロラミ(ALL-INKL.COM Münnich Motorsport)が入り、Honda CIVIC TCRが予選トップ3を独占しました。
ヘビーウエットのコンディションで行われた予選1で、モンテイロはグエリエリを0.1秒上回り、WTCRでの初PPを獲得。KCMGチームにとって今季2回目、Honda CIVIC TCRにとって今季5回目のPPとなりました。
ダンプ(湿った)コンディションで行われた予選2では、モンテイロは2番手に。この結果、日曜日のレース2はリバースグリッドで9番グリッド、レース3は2番グリッドからのスタートとなります。
チームメートのアッティラ・タッシは予選1のアタック中、ターン2でスピンしてコースオフ。この時点で4番手タイムを記録していましたが、赤旗が提示されたことでタイムは抹消となり、23番手となりました。予選2ではペースを取り戻し、11番手となりました。
ワイルドカード参戦となったジム・カー・トー(KCMG)はWTCRで初めて履くWTCRのタイヤに合わせこみ、予選1、予選2両方のセッションで21番手タイムを記録しました。しかし、技術委員の指名による重量計測を行わなかったため、予選1のタイムが抹消となっています。
ドライバーズランキング2位につけているグエリエリは、ウェット路面の中でHonda CIVIC TCRのハンドリング特性を活かしきり、レース1を2番グリッドからスタートすることになりました。予選2のQ2では、最終コーナーでタイヤバリアにヒットしてしまいましたが、ピットへ帰還。メカニックたちが数分で修復作業を終え、残り1分半というところで再びコースへと戻ることができました。その後のアタックを決め、Q2を3番手で終えたグエリエリは、Q3へと進出。結果として、予選4番手となりました。予選を終えて、ランキングトップのノルベルト・ミケリス(ヒュンダイ)とのポイント差は、レースウイーク前の「15」から「9」となっています。
ジロラミもウェットコンディションで速さをみせ、Hondaの予選トップ3独占に貢献しました。しかし不運にも、予選2のQ2終盤でマシントラブルが発生し、12番手に終わりました。さらに、エンジンの交換が必要になったため、レース1はグリッド後方からのスタートとなってしまいました。
26日(土)にはレース1、27日(日)にはレース2、レース3が行われます。
ティアゴ・モンテイロ(予選1 ポールポジション/予選2 2番手)
「チーム、Honda、そして僕自身にとってすばらしい一日になりました。僕たちは最初から競争力があり、それを維持してきました。僕自身が鈴鹿を好きで、マシンもこのコンディションを得意としているので、とても快適に感じました。コンディションこそ難しいものでしたが、マシンは僕の望む通りのものでした。予選のセッションすべてで集中力を維持することは困難でしたが、プッシュを続けましたし、最大限の結果を残そうと考えていました。ポールポジションとフロントローを獲得できたことにはとても満足しています。今日はとても重要な日だと考えていました。物事は、非常にうまくいくか、大きく間違っているかのどちらかだと思いますし、前者であったことが幸いでした。明日の結果を予測することはできませんが、いい結果が出すことに集中したいです」
エステバン・グエリエリ(予選1 2番手/予選2 4番手)
「雨が降り、コンディションも変わっていく中で一日を送りました。Q2でタイヤバリアにヒットしたあと、素早く修理してくれたメカニックには感謝しなくてはなりません。いいパフォーマンスをみせられましたし、Hondaのホームサーキットで予選1-2-3に貢献できたことを非常にうれしく思います。今週末は、チャンピオンシップのポイントを多く得られると思っていますし、すでに予選でボーナスポイントを得ました。Hondaを代表して日本で戦うことはすばらしいことですし、明日は勝ちにいきたいです」
ネストール・ジロラミ(予選1 3番手/予選2 12番手)
「いいパフォーマンスを発揮できた一方で、運はよくなかったと感じました。マシンはウェット路面でもダンプ路面でもいいスピードをみせていたので、このような状況にもう一度なれば、心強いと思います。残念ながら、Q2の終わりにテクニカルトラブルが起きたため、日曜の両レースが12番手スタートになるだけでなく、エンジンを交換する必要があるので、レース1も後方からのスタートとなります。チームタイトルを考えると、これはいいこととは言えません。ポイントを取るという意味で、日曜日がより重要になるでしょう」
アッティラ・タッシ(予選1 23番手/予選2 11番手)
「つらい一日でした。ウェットの状態で、マシンのスピードは非常にいいものがありましたが、コースの攻略は難しい状況でした。なにより、ここを走るのは初めてのことでした4番手にいましたが、赤旗のためにタイムが認められませんでした。トップ5に入れていたはずです。予選2では、コンマ2秒差でリバースグリッドでの(レース2の)PPを逃しましたが、12番手という位置は悪くはありません。土曜日のレースを日曜日に向けたテストと位置づけ、マシンが100%正常であることを確認したいと思います」
ジム・カー・トー(予選1 29番手/予選2 21番手)
「困難な状況にもかかわらず、いい一日を送れたと思います。WTCRでウエットタイヤを経験したことはこれまでになかったので、フリー走行は大きな経験になりましたし、Q1では大丈夫と思える状態になりました。21番手からのスタートとなりましたが、予選2ではQ2まで0.1秒差に迫ることができたので、一歩前進できたと思います。この状況に慣れるのは大変でしたが、チームとしてはいい仕事ができたと思います。明日の目標は15位以内でレースを終えることです。私のポジションからでも達成できると思いますし、できたらうれしいなと考えています」
順位 | No. | ドライバー | マシン | タイム | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 59.713 | |
2 | 86 | エステバン・グエリエリ | ![]() | 59.841 | |
3 | 29 | ネストール・ジロラミ | ![]() | 59.967 | |
4 | 10 | N.ラングフェルド | アウディ | 1'00.039 | |
5 | 22 | F.バービッシュ | アウディ | 1'00.146 | |
6 | 1 | G.タルクィーニ | ヒュンダイ | 1'00.201 | |
23 | 9 | アッティラ・タッシ | ![]() | 1'01.102 | |
29 | 19 | ジム・カー・トー | ![]() | - |
順位 | No. | ドライバー | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 14 | J.クリストファーソン | フォルクスワーゲン | 0'59.627 |
2 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() |
0'59.780 |
3 | 96 | M.アズコナ | クプラ | 1'00.104 |
4 | 86 | エステバン・グエリエリ | ![]() |
1'00.192 |
5 | 111 | A.プリオール | Lynk & Co | 1'01.023 |
6 | 11 | T.ビョーク | Lynk & Co | 1'00.280 |
11 | 9 | アッティラ・タッシ | ![]() |
1'00.783 |
12 | 29 | ネストール・ジロラミ | ![]() |
1'00.994 |
21 | 19 | ジム・カー・トー | ![]() |
1'00.982 |