前年のシーズンから再びタッグを組んだMcLarenとHonda。2016年は引き続き、チャンピオン経験のあるフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンがドライバーを担当し、アロンソが総合10位、バトンが総合15位となり、前年を上回る成績を残しました。
2016年シーズンを戦うにあたって、Hondaは前年に積み上げたデータや経験を踏まえてRA616Hを開発。これを搭載したMP4-31が誕生しました。そのニューマシンで挑んだ開幕戦オーストラリアGPでは、激しいクラッシュでアロンソがリタイア。第3戦中国GPでは全車が完走する中で入賞圏内に届かないなど、開幕当初のMcLaren-Hondaは苦しい戦いを強いられました。それでも、パワーユニットの設定を見直した第4戦ロシアGPではアロンソが6位、バトンが10位入賞。その後の活躍に期待が持てる結果を残しました。なお第2戦バーレーンGPでは、負傷欠場したアロンソに代わって、リザーブドライバーのストフェル・バンドーンがMP4-31をドライブ。F1初挑戦にして10位に入り、チームにとって今季初のポイントを獲得しました。
そんなMcLaren-Hondaは、第5戦スペインGPにおいて一つの成果を挙げます。アロンソが今季のチームの目標であるQ3に始めて進出を遂げたのです。続く第6戦モナコGP、2戦連続のQ3進出を果たしたアロンソが9番グリッド、バトンは13番グリッドから臨んだ決勝レースは、天候がウエットからドライへと変わる高難度の展開に。それでも、2人は常に状況を把握してタイヤを履き替えていき、アロンソが5位、バトンが9位でフィニッシュしました。
その後の第7戦カナダGPでは、アロンソが3戦連続となるQ3への進出。第9戦オーストリアGPでは3番手スタートのバトンがシーズンベストとなる6位入賞。改良エンジンを投入した第13戦ベルギーGPではアロンソが最後尾スタートながら7位でフィニッシュ、第14戦イタリアGPでアロンソがファステストラップをマークするなど、チームとマシンは目に見えるかたちで着実に進化を続けていきました。
シーズン終盤になると、序盤に比べて結果が安定していき、今季のハイライトとも言える、第18戦アメリカGPを迎えます。アロンソが12番手、バトンが19番手から決勝に臨むと、どちらもスタート直後から何人ものライバルをパス。トラブルなくフィニッシュラインをまたぎ、モナコGPと同じくアロンソが5位、バトンが9位のダブル入賞となりました。
その後、第20戦ブラジルGP、最終戦アブダビGPでも入賞を果たしたMcLaren-Honda。最終的に、アロンソが54ポイントを積み上げ総合10位、バトンが21ポイントで総合15位、コンストラクターランキングで総合6位となり、獲得したポイントで言えば、昨年を大きく上回る結果となりました。そしてこれは、McLaren-Hondaのマシンが着実に進歩していることを証明しています。ただし、現時点ではまだ表彰台を争うところにも手が届いていません。来シーズンは、バトンがマシン開発・テストに参画しながらブランドアンバサダーを務め、レギュラードライバーはアロンソとバンドーンの2人という布陣。表彰台の頂点を見据え、McLaren-Hondaの戦いは来季も続きます。