「今日はもっといい結果を目指していました」
#BrazilGP
ブラジルで行われた大混乱のレースにおいて、フェルナンド・アロンソがワールドチャンピオンシップポイントを1点獲得しました。
本日のグランプリは、天候に大きく影響される結果となりました。小雨が降り続く中、セーフティカーの先導のもとレースがスタートし、そのまま最初の7周を走行。それ以降は(マーカス・エリクソン選手(Sauber)のアクシデントによって)再度セーフティカーが導入され、いったん再スタートしたものの、(キミ・ライコネン選手(Ferrari)がホームストレートで大クラッシュを喫したために)赤旗中断となりました。レースが再開したものの、雨脚が強まったことから2回目の赤旗中断となり、その後、フェリペ・マッサ選手(Williams)がスピンとクラッシュを喫したことで、再びセーフティカーが導入されました。
この日最後の再スタートをした55周目に、アロンソは13コーナーでスピンを喫し、トップ10圏外に順位を落としました。その後、アロンソは後方から見事な追い上げをみせ、残り2周の時点で10位までポジションを上げました。
一方、ジェンソン・バトンはウエットコンディションの中、苦しいレースを強いられ、昨日の予選に続き、今日もマシンのバランスに不満を抱えていました。どのタイヤを選択しても、マシンのリアエンドをうまく機能させることができず、16位で完走しました。
順位 | ゼッケン | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 71 | 3:01'01.335 |
2 | 6 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 71 | +11.455 |
3 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 71 | +21.481 |
4 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 71 | +25.346 |
5 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 71 | +26.334 |
6 | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | 71 | +29.160 |
7 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | 71 | +29.827 |
8 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 71 | +30.486 |
9 | 12 | フェリペ・ナスル | Sauber | 71 | +42.620 |
10 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 71 | +44.432 |
11 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Williams | 71 | +45.292 |
12 | 31 | エステバン・オコン | Manor | 71 | +45.809 |
13 | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 71 | +51.192 |
14 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Renault | 71 | +51.555 |
15 | 94 | パスカル・ウェーレイン | Manor | 71 | +60.498 |
16 | 22 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | 71 | +81.994 |
NC | 21 | エステバン・グティエレス | Haas | 60 | DNF |
NC | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 46 | DNF |
NC | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | 20 | DNF |
NC | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 19 | DNF |
NC | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 11 | DNF |
NC | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 0 | DNS |
フェルナンド・アロンソ MP4-31-04
「今日、我々はもっといい結果を目指していたと思います。
10番手からスタートし、10位で完走しました。前方のマシンが数台リタイアしたにもかかわらず、目の前に差し出されたチャンスを生かすことができませんでした。
今日のコンディションは非常に難しかったです。マシンをコース上でなんとか走らせるだけで精一杯なときもありました。視界が非常に悪く、サーキットの水はけもあまりよくなかったです。アクアプレーニング現象が発生したために、マシンをプッシュして、前方のマシンとの差を詰めることは容易ではありませんでした。
最終的には、1ポイントを獲得することができました。(次戦の)アブダビでは、いいかたちでシーズンを終えられることを願っています」
ジェンソン・バトン MP4-31-03
「本日のレース後に、我々はファクトリーに戻って、マシンのなにが問題だったのかを理解する必要があります。
金曜日のフリー走行では、マシンのパフォーマンスは非常によかったです。マシンに対して心地いい感触を持っていましたし、高速コーナーではリアエンドが力強い動きをしていました。それが昨日はマシンがうまく機能せず、今日は悪天候のせいで問題がさらに顕著化しました。
再スタート後は、なにがよくて、なにが悪いのかを判断するのが非常に難しいコンディションでした。ただ、ケガ人は出ませんでしたし、それが一番大事なことです。
このようなコンディションの中、最下位で完走するのは、私にとって珍しいことです。従って、なにか問題があったに違いありません。ウエットコンディションでのドライブの仕方を忘れてしまったわけではないと思います」
エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
「McLaren-Hondaにとっては、今日のレースは忘れなければなりません。また、F1というスポーツにとっては、今後ウエットコンディションでのレースがあった場合に、その見せ方を改善するために学ぶべき点があったレースでした。
残念ながら、我々のドライバーは2人とも真のチャンスをつかむことができませんでした。フェルナンドは果敢な走りで、レースの大半にわたってトップ10圏内を走行していたものの、55周目に13コーナーでスピンを喫し、後方までポジションを落としてしまいました。その後、15周を走行する中で7台のマシンをオーバーテイクし、10位までばん回したことはすばらしかったです。彼のスピード、勇敢さ、そして決意を示す結果でした。
一方、ジェンソンは昨日から続くマシンのハンドリングバランスの悪さから脱出することができず、難しいコンディションの中、リアのグリップを得ることができませんでした。我々は本拠地に戻り、ジェンソンにとってなにが問題だったのかを調査します」
長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「朝から降り続いた雨の影響で、ブラジルGPは非常に厳しいサバイバルレースとなりました。アロンソは最後のセーフティカーからの再スタートでスピンし、一時は17番手まで下がりましたが、見事なリカバリーで10位完走となり、貴重なポイントを獲得しました。
バトンは昨日から続いているマシンの不安定さを解消することができず、悪天候の中、全くいいところがないまま、残念ながら下位でレースを終えました。レースを通してタイヤ選択が非常に難しく、視界が悪い中で、F1ドライバーの勇気とテクニックに感服するレースでした」