「午後は難しいレースとなったが、我々の時代は必ず来る」
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本日のイギリスGPは、McLaren-Hondaにとって平凡な母国グランプリに終わりました。ウエットからドライへとコンディションが変わる中でレースが展開されましたが、ジェンソン・バトンとフェルナンド・アロンソはともにポジションを飛躍的に上げることができず、12位および13位で完走しました。
直前の豪雨によりセーフティカー先導のもとでレースを開始するという決断が下されたため、McLaren-Hondaはオープニングラップでポジションを上げる機会を失いました。戦略面のオプションがほとんどない中、全ドライバーのうち半分がフルウエットからインターミディエイトにタイヤ交換するためにピットストップを実施。その際、アロンソは混雑したピットレーンでポジションを落としました。アロンソは24周目に1コーナーの濡れた路面を走行中にスピンを喫し、ポジションをさらに落とす結果に。その後、レース終盤に新品のプライムタイヤに履き替えたものの、再びトップ10圏内にポジションを上げることはできませんでした。
一方、バトンはレースを通して問題のない走りをしていましたが、全ドライバーがドライタイヤに履き替えると、ポジションを上げることが徐々にできなくなりました。トップ10までの差を縮めようとプッシュしたものの、最終的に12位で完走しました。
順位 | ゼッケン | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 52 | 1:34'55.831 |
2 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 52 | +8.250 |
3 | 6 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 52 | +16.911 |
4 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 52 | +26.211 |
5 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 52 | +69.743 |
6 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 52 | +76.941 |
7 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | 52 | +77.712 |
8 | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | 52 | +85.858 |
9 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 52 | +91.654 |
10 | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 52 | +92.600 |
11 | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 51 | +1Lap |
12 | 22 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | 51 | +1Lap |
13 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 51 | +1Lap |
14 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Williams | 51 | +1Lap |
15 | 12 | フェリペ・ナスル | Sauber | 51 | +1Lap |
16 | 21 | エステバン・グティエレス | Haas | 51 | +1Lap |
17 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Renault | 49 | DNF |
NC | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | 37 | DNF |
NC | 88 | リオ・ハリアント | Manor | 24 | DNF |
NC | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 17 | DNF |
NC | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 11 | DNF |
NC | 94 | パスカル・ウェーレイン | Manor | 6 | DNF |
フェルナンド・アロンソ MP4-31-02
[フルウエット→インターミディエイト→プライム→プライム]
「今日は12位および13位という結果に終わったので、誇れるものはあまりありません。
スタート時の難しいコンディションでは、1周走っている間に、ヒーローからゼロへと状況が急変することがあります。ですから、我々は戦略面で自分たちができることをしました。残念ながら、ピットストップをしている間にいくつかポジションを落としてしまったので、それについてはあとで確認する必要があります。
レース中に、ポイントをいくつか獲得できるのではないかと感じた場面がありました。フェリペ・マッサ選手(Williams)の後ろで懸命にプッシュしていたときのことですが、オーバーテイクするには困難な状況でした。その後、私は1コーナーでコースオフしてしまいました。
今日は厳しいレースでした。ただ、外からは分からないかもしれませんが、我々は今週末に一歩前進することができたと思います。競争力が上がり、Williams、Force IndiaおよびToro Rossoチームと競い合うことができました。これはいい知らせです」
ジェンソン・バトン MP4-31-03
[フルウエット→インターミディエイト→プライム]
「セーフティカーが先導する中、レースを開始したのは正しい決断でした。路面が非常に濡れていましたし、水たまりもたくさんありました。ただ、セーフティカーはあれよりも2周前に下がるべきだったと思います。
その後、セーフティカーがピットインした際に、みんながインターミディエイトタイヤに履き替えるためにピットストップをしたので、私は逆にコース上にとどまることにしました。その際に他チームのマシンを2台追い越すことができたので、それについてはよかったです。2回目のピットストップは、早めに実施した方がよかったのですが、私はバルテッリ・ボッタス選手(Williams)の後方で引っかかっていたので、もう1周コース上にとどまることにしました。
今日は17番手からのスタートだったので、思うようなレース運びができませんでした。決勝で入賞するには、予選でトップ10以内に入り、そのポジションをレースで死守するために、ミスをせずに走り続ける必要があります。我々のマシンには、レースでポジションを大幅に上げるほど十分な速さがまだないので、前方の他チームのマシンとの差を縮めることができませんでした。
午後は難しいレースとなりましたが、最後にファンの皆さんが応援してくださる姿をみて、うれしかったです。今日は地元のイギリス人ドライバー(Mercedesのハミルトン選手)が優勝したので、観客の皆さんはとても喜んでいることでしょう」
エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
「当然のことながら、母国グランプリで12位および13位に終わったことは、満足していません。
ただ、この非常に難しいコンディションの中、それを見事に対処しながら走行を続けてくれたジェンソンとフェルナンドに対して、『よくやった』と言わせてください。特にレース序盤は、アクアプレーニング現象が起きる危険性が高く、困難な状況でした。
2人ともあきらめることなく、最後までプッシュし続けました。実際、もしフェルナンドがフェリペ・マッサ選手と競い合っていたときにコースオフしていなければ、彼はポイントを獲得できていたかもしれません。
また、Hondaに対しても、敬意を表したいと思います。Hondaのパワーユニットは週末を通して正確に機能しました。
我々はこれから(次戦が開催される)ハンガロリンクに向かいます。曲がりくねったコースで知られるそのサーキットが、今週末のシルバーストーンよりも我々のマシンの性能に適していることを願っています。
最後になりましたが、世界一のレースファンと呼ばれるシルバーストーンの観客の皆さんに対して、McLaren-Hondaを代表して感謝申し上げます。観客の皆さんはレース直前に降った豪雨をものともせず、優勝した地元のハミルトン選手に対して盛大な拍手を送っていました。皆さんが拍手を送っていた優勝チームがMcLaren-Hondaではなかったことを申し訳なく思います。ただ、我々の時代は必ず来ます」
長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「ウエットスタートからドライコンディションに変化するという難しい環境の中で、チームとドライバーは堅実なレース運びをしました。セーフティカー後のピットストップなどでも、ガレージは全くあわてることなく、すばらしい仕事を行っていました。
毎戦、着実な進化を遂げているパフォーマンスには今週末も勇気付けられました。信頼性にも大きな問題はなく、コース上で数々のすばらしいバトルを繰り広げられたと思います。
レース中盤では、アロンソがポイント獲得に向けてチャレンジングな走行をしましたが、後一歩実力が及ばずポイント獲得を逃しました。レースの展開によっては入賞の可能性があっただけに、残念な結果になりました」