「着実な進化を示す、さらなる証拠」
#MonacoGP
本日のモナコGPは、ウエットからドライコンディションへと変わる骨の折れるレースでしたが、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンがそれぞれ5位および9位で完走し、McLaren-Hondaはダブル入賞を果たしました。
大雨のためセーフティカーが先導する中、決勝がスタート。その後、コースが徐々に乾くにつれて、両ドライバーはその時々の状況を完ぺきに判断し、雨用タイヤのフルウエットからインターミディエイト、そして最終的にはドライ用のオプションへとタイヤ交換を行いました。
順位 | ゼッケン | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 78 | 1:59'29.133 |
2 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 78 | +7.252 |
3 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 78 | +13.825 |
4 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 78 | +15.846 |
5 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 78 | +85.076 |
6 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | 78 | +92.999 |
7 | 6 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 78 | +93.290 |
8 | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | 77 | +1Lap |
9 | 22 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | 77 | +1Lap |
10 | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 77 | +1Lap |
11 | 21 | エステバン・グティエレス | Haas | 77 | +1Lap |
12 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Williams | 77 | +1Lap |
13 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 76 | +2Laps |
14 | 94 | パスカル・ウェーレイン | Manor | 76 | +2Laps |
15 | 88 | リオ・ハリアント | Manor | 74 | +4Laps |
NC | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 51 | DNF |
NC | 12 | フェリペ・ナスル | Sauber | 48 | DNF |
NC | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 34 | DNF |
NC | 20 | ケビン・マグヌッセン | Renault | 32 | DNF |
NC | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 18 | DNF |
NC | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 10 | DNF |
NC | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | 7 | DNF |
フェルナンド・アロンソ MP4-31-04
「ドライブと集中力という意味では、今日は非常に厳しいレースでした。
セーフティカーが先導する中、レースがスタートしましたが、その時点では視界がほぼゼロでした。その後、インターミディエイトタイヤに交換しましたが、だれもレース前にこのタイヤを履いて走行したことがなかったので、全員にとって未知の世界でした。
ドライタイヤに履き替えたあとも、乾いた路面は非常に狭いラインしかありませんでした。そのラインから0.5cm外れただけでも、クラッシュしてしまうのです。今日はミスが一切許されない状況でした。
それでも今日は、我々にとっていい結果でした。両マシンがポイント圏内で完走したので、みんなそこそこ満足しているはずです。我々はいいかたちで進化していると思います。結果を見ればなにを達成しているのかは明らかですし、我々は正しい方向に進みつつあります。
勝利や表彰台をかけて上位で戦うという最終的な目標にはまだ達していませんが、我々が進化を続けていることについては満足しています」
ジェンソン・バトン MP4-31-03
「レース序盤のウエットコンディションのときは、マシンをドライブするのがほぼ不可能であるような気がしました。リアタイヤがなかなか温まらず、ブレーキを踏むたびにリアホイールがロックし、少し恐かったです。
インターミディエイトタイヤに交換するための1回目のピットストップについては、タイミングが難しかったのですが、いいタイミングでピットインできたのではないかと思います。タイヤ交換用のピットストップのタイミングに関しては、自分でもかなりいい判断ができていると感じています。ただ、ここのサーキットは全長が短いですし、ほかのドライバーもすぐに同様のタイヤ交換をしていたので、それほど違いを生み出すことはできませんでした。その後、私はパスカル・ウェーレイン選手(Manor)の後方で引っかかってしまい、彼のマシンを追い越すことはできませんでした。
我々のピットストップは戦略面ではよかったと思いますが、その後、トラフィックに引っかかり、時間を少しロスする結果となりました。それでも今日はチームがピットストップに関していい判断をしてくれました。
もしドライコンディションであれば、これほど多くのポイントを獲得することはできなかったでしょう。今日はまずまずの結果を出せて、よかったです」
エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
「1カ月前のソチと同様、今日はここモナコで両マシンが入賞を果たしました。F1参戦50周年という輝かしい歴史の中で、McLarenがモナコGPで最多となる15回の優勝を飾ったチームであることを考えると、今日の結果はそれほど特筆することではありません。ただそれでも、我々にとっては励みになる結果でした。
また、今日のコンディションは極めて難しく、路面がウエットからドライに徐々に変わるという油断できない状況であり、それでも複数のアクシデントが発生する波乱のレースとなりました。他チームの一部のドライバーがほぼすべてのコーナーで、アームコ・バリア(二重構造のガードレール)をかすりながら走行する中、経験豊富なフェルナンドとジェンソンともに、巧みな走りを見せ、2時間を超えるレースを完ぺきに走りきりました。
モナコ入りした際には、今日の結果よりもわずかに高い競争力を示したいと望んでいましたが、今日、我々の着実な進化を示すさらなる証拠を見つけられたことに、うれしく思っています。これは、現在イギリスと日本の両国で膨大な量の仕事を懸命に実施しているおかげです。
2週間後には、カナダのモントリオールで、象徴的で独特なコースから成るジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでのレースに臨みます。言うまでもなく、我々は次戦でも引き続きポイント獲得を目指します」
長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「アロンソ選手が5位、バトンが選手9位と、波乱のレースを2台そろって入賞で終える、大変いい結果となりました。
雨のスタートからドライに変わる中で、ドライバーとエンジニアによるタイヤ選択がうまく決まり、難しいコンディションの中で、両ベテランドライバーの安定した走行が光りました。
週末を通して、両マシンのパワーユニット全体が安定したパフォーマンスを発揮できたことで、信頼性に一定のめどがついたことも大きな収穫でした」