レースは、走る実験室だレースは、走る実験室だ

エコでクリーンなだけが
EVの強みじゃない。

加藤 智久

商品企画部

商品企画部 加藤 智久

私は主にe-DRAGに関わっています。Honda eはHondaで初となる量産のフルEV(電気自動車)ですが、EVといえば、環境性能がもっぱら注目を集めていて、従来のクルマ好きにとってはオモシロくないと思う方も多いんですね。実際、このスタイルのままエンジン車にすればいいのにという声も耳にしました。けれどもモーターは、回転の瞬間から最大のトルクを生むという、エンジンでは決して望めない瞬発力がある。しかもHonda eはダッシュに有利な後輪駆動。これらを活かして、EVのイメージを一変するようなクルマにしたかったんです。ドラッグレースは、実はアクセルをベタ踏みすればいいっていう簡単な世界ではなく、まっすぐ走らせることも、動力を余さず車輪に伝えきることも難しい。タイヤの空転を防ぐために、サスペンションの精度、車体前後の重量バランスなどを緻密に考える必要があるんです。軽量化も、ここまでやるかというくらい、ボディーパネルのほとんどをカーボン製にし、タイヤハウスを切って、中のインナーフェンダーも外したりと徹底しています。ドラッグレースは数秒から十数秒で結果が出る競技。その一瞬の走りの中でも、私たちが新しく学べることはいっぱいあります。e-DRAGはビジネスにすぐ直結するわけではないですが、でも、そんなクルマに本気で取り組むことを許してくれる会社はなかなかないですね(笑)。みんなクルマが大好きなんですよ。

今回、東京オートサロン出展車のカラーリングデザインは、まだ開発途中の車両を展示するということと、お客様と一緒に創り上げたいという想いから、人気投票によって最終的に決めることにしました。各車それぞれデザイナーたちが創意をふるい、それを社内で3案ずつ選考し、ウェブ投票を実施しました。

Honda eらしからぬ 尖った印象で驚きを。

Honda eらしからぬ
尖った印象で驚きを。

山田 真司

商品企画部

商品企画部 山田 真司

e-DRAGのカラーリングデザインで意識したのは“ギャップ”です。クリーンで親しみのあるHonda eですが、個人的に、ドラッグレースには、尖っていて親しみやすさとは無縁のイメージがあるので、その差がオモシロイと思いました。e-DRAGの特徴である大面積を占める黒いカーボン地の凄みを生かしながら、そこから飛沫のように赤に変化していくグラデーションによって、ドラッグレースのカッ飛び感を表現しました。Honda eの違う側面を描くことで、見る人に驚きを与えられたらと思っています。