2016年のモトクロス世界選手権MXGPクラスは、ティム・ガイザー(Team Honda Gariboldi Racing)が15勝を挙げ、ルーキーシーズンにしてチャンピオンに輝きました。

15年、MX2クラスでHonda Gariboldiに初のタイトルをもたらしたガイザーは、今シーズンからMXGPクラスにステップアップ。ワークスマシンであるCRF450RWを駆り、今度は最高峰クラスでのチャンピオンを目指してシーズンに挑みました。

そのガイザーは、開幕戦カタールでいきなり輝きを放ちます。フリープラクティスで3番手、タイムドプラクティスで4番手、予選レースで2番手と、レースウイークを通していずれのセッションでも上位に入っていました。そして決勝レースでは、並みいる強豪を押しのけダブルウインを達成。なおこの優勝で、ガイザーはMXGPクラスにおける最年少ウイナーの記録を塗り替えました。

そんな開幕戦での活躍は決して偶然ではなく、第2戦タイは3位/5位、第3戦ヨーロッパは優勝/8位と、ガイザーはその後も好走を続けました。中でも圧倒的だったのが、第9戦スペインから第12戦イタリアまでの4大会です。ポイントリーダーとして迎えた第9戦で、ガイザーはそれまで好走からさらにギアを一段階上げ、この大会をダブルウイン。続く第10戦フランスは優勝/2位となりますが、第11戦イギリス、第12戦イタリアと連続でダブルウインを達成しました。この時点で、ランキング2位につけるライバルとの差は92ポイントまで開き(今季で最も差が開いたのは、第13戦終了時の109点差)、その強さが一過性のものではないことを証明しました。

その後、本人が「チャンピオンを意識するようになった」という終盤は、ライバルに差を詰められますが、それでも第17戦のレース1で4位となり、最終戦を前にチャンピオンタイトルを決めました。そして最終戦でも4位/3位の好成績で走りきり、終わってみれば2位と84ポイントという大量リード。加えて、クラスをまたいで2年連続でのチャンピオンという快挙を成し遂げました。

また、最高峰クラスへのフル参戦7年目となったイブジェニー・ボブリシェフ(Team HRC)は、開幕戦カタールや第10戦フランスで総合3位になるなどし、ランキング5位。Team HRCでの2年目のシーズンを迎えたゴーティエ・ポーリンは、ケガでの欠場やリタイアなどに苦しみましたが、シーズン中盤に調子を取り戻し、第12戦イタリアでは総合2位で表彰台に上がるなど、ランキング13位と健闘しました。