Team HRCのイブジェニー・バブリシェフとゴーティエ・ポーリンにとって、第16戦オランダ大会は非常に辛い試練となりました。滑りやすいサンド(砂の)路面は、前夜とレース当日朝の2度にわたる嵐で悪化し、まるでビーチでレースをするようなコンディションで決勝を迎えました。
イブジェニー・バブリシェフ
イブジェニー・バブリシェフ
レース1は、多くのライダーが難コンディションに足をすくわれて転倒。バブリシェフが好スタートで9番手に浮上した頃、2コーナーの混戦で行く手を閉ざされたポーリンは、最後尾近くに後退していました。ポーリンはそこからポジションアップを図り、19位でチェッカー。バブリシェフは8位争い中で転倒を喫するも、11位までばん回してレースを終えました。
レース2までの間に路面が乾いたことと、さらにコース補修が行われたことでコンディションは回復しましたが、それでもミスを犯しやすい状況。バブリシェフはまたしても外側のゲートから好スタートを決め、トップ10に食い込みましたが、ポーリンは1コーナーで転倒を喫し、それがポジションばん回を妨げることになりました。
イブジェニー・バブリシェフ
イブジェニー・バブリシェフ
MXGPクラスで総合首位をひた走るティム・ガイザー(Team Honda Gariboldi Racing)も、過酷なコンディションに苦しみました。
レース1では、水浸しとなった2コーナーでクラッシュ。最後尾まで後退するも12位まで追い上げ、チャンピオンに向けた貴重なポイントを加算しました。
ティム・ガイザー
ティム・ガイザー
レース2では、すばらしい走りでライバルを次々とパッシングし、一時は3番手までポジションアップ。そこまでは順調で力強く走っていたガイザーでしたが、クレメント・デサール(カワサキ)を相手に2番手争いを繰り広げていた最中、ウェーブセクションでコース外に飛び出し、フェンスに衝突。その際にスロットルとブレーキレバーを破損してしまったため、今シーズン初めてのリタイアを喫しました。
ティム・ガイザー
ゴーティエ・ポーリン
今回は苦戦を強いられたガイザーですが、残り2戦4レースを残し、ランキング2位のアントニオ・カイローリ(KTM)に対して65ポイントのリード。次週の米国・シャーロットで50ポイント差以上のリードを保てれば、ルーキーイヤーでのチャンピオン獲得が決定することになります。
ゴーティエ・ポーリン
ゴーティエ・ポーリン
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 24 | S.シンプソン | KTM | 17 | 34'23.278 |
2 | 25 | C.デサール | カワサキ | 17 | +08.511 |
3 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 17 | +15.649 |
4 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +16.595 |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 17 | +32.529 |
6 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 17 | +35.717 |
11 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 17 | +1'13.702 | |
12 | 243 | ティム・ガイザー | 17 | +1'16.778 | |
17 | 221 | プリット・ラトセップ | 17 | +1'46.359 | |
19 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | 16 | +1Lap | |
23 | 71 | デイモン・グラウルス | 16 | +1Lap | |
29 | 9 | ケン・ド・ディッカー | 0 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 19 | 34'18.739 |
2 | 25 | C.デサール | カワサキ | 19 | +02.106 |
3 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 19 | +03.267 |
4 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 19 | +05.370 |
5 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 19 | +24.762 |
6 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 19 | +34.969 |
9 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 19 | +59.272 | |
17 | 71 | デイモン・グラウルス | 19 | +1'33.304 | |
18 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | 19 | +1'46.583 | |
20 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 18 | +1Lap | |
26 | 9 | ケン・ド・ディッカー | 12 | +7Laps | |
28 | 243 | ティム・ガイザー | 9 | +10Laps | |
29 | 221 | プリット・ラトセップ | 5 | +14Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 64 | T.コビントン | ハスクバーナ | 17 | 36'09.602 |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | +21.780 |
3 | 189 | B.ボジャース | KTM | 17 | +22.221 |
4 | 107 | L.V.バーケル | ハスクバーナ | 17 | +42.129 |
5 | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 17 | +45.426 |
6 | 66 | I.ララニャガ | KTM | 17 | +56.001 |
17 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 16 | +1Lap | |
21 | 223 | ギウセッペ・トロペペ | 16 | +1Lap | |
35 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 0 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 19 | 34'07.512 |
2 | 61 | J.ガルシア | KTM | 19 | +34.735 |
3 | 189 | B.ボジャース | KTM | 19 | +37.375 |
4 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 19 | +45.073 |
5 | 116 | T.オルセン | ハスクバーナ | 19 | +58.943 |
6 | 10 | C.ブラーンデレン | KTM | 19 | +1'07.701 |
15 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 18 | +1Lap | |
29 | 223 | ギウセッペ・トロペペ | 11 | +8Laps | |
30 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 7 | +12Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | ティム・ガイザー | 653 | |
- | 2 | A.カイローリ | KTM | 588 |
- | 3 | M.ナグル | ハスクバーナ | 542 |
- | 4 | R.フェーヴル | ヤマハ | 522 |
- | 5 | イブジェニー・バブリシェフ | 494 | |
- | 6 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 477 |
- | 13 | ゴーティエ・ポーリン | 230 | |
- | 20 | アレッサンドロ・ルピーノ | 104 | |
▼ | 26 | スティーヴン・ルノワ | 38 | |
▼ | 27 | 山本鯨 | 34 | |
▲ | 30 | デイモン・グラウルス | 16 | |
▲ | 31 | プリット・ラトセップ | 15 | |
▼ | 32 | ゲート・クレスティノフ | 13 | |
- | 41 | ヴァレンティン・テイレット | 5 | |
- | 49 | ニコラス・カレンツァ | 1 | |
- | 53 | タンナラ・ペンジャン | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | 689 | |
- | 2 | ヤマハ | 628 |
- | 3 | KTM | 617 |
- | 4 | ハスクバーナ | 557 |
- | 5 | カワサキ | 453 |
- | 6 | スズキ | 337 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | J.ハーリングス | KTM | 644 |
- | 2 | J.シーワー | スズキ | 568 |
- | 3 | B.パテュレル | ヤマハ | 460 |
- | 4 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 447 |
- | 5 | P.ヨナス | KTM | 403 |
- | 6 | D.フェランディス | カワサキ | 378 |
- | 16 | ミケーレ・セルベリン | 165 | |
▼ | 19 | ホルヘ・ザラゴザ | 126 | |
▲ | 22 | ヘンリー・ヤコービ | 94 | |
▼ | 28 | ダヴィド・エーブルトゥ | 54 | |
▼ | 30 | デイモン・グラウルス | 43 | |
▼ | 37 | ギウセッペ・トロペペ | 25 | |
▼ | 53 | ハビエル・バスケス | 5 | |
▼ | 58 | イグニアシオ・トーヤ | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | KTM | 740 |
- | 2 | スズキ | 579 |
- | 3 | カワサキ | 569 |
- | 4 | ヤマハ | 552 |
- | 5 | ハスクバーナ | 549 |
- | 6 | TM | 341 |
- | 7 | 293 |
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 11位/9位 総合10位)
「今日のレース1は非常に難しかったです。率直に言うと、我々は砂の上の水を、ゆっくり泳ぐ亀のような走りをしていました。昨日の予選結果からスターティングゲートの選択順が悪かったのですが、それでもなんとかスタートでトップ15に食い込めました。レース1では8番手争いをしているときにミスをして大転倒。レース2でも好スタートを切れたのに、またしてもミスをして20番手以下までポジションを落としてしまいました。今回のコンディションはミスを犯しやすい状況でした。こんな成績は望んでいませんし、とてもがっかりしています。とにかく今週末はすべてがひどかったので、次戦のシャーロットに気持ちを切り替えて集中したいです。シャーロットでは2017年型のマシンをデビューさせるので、次戦を心待ちにしています」
ティム・ガイザー(MXGP 12位/リタイア 総合18位)
「確かに今日は落胆するばかりでしたし、結果にも満足していません。でも、それがレース。我々はいつも100%の力を出し、最高のレベルで競い合っているので、こういうことが起きることはあります。今日のコースのように、特に難しいコンディションであればなおさらです。レースでは2回の転倒を喫しながら12位までばん回しましたが、自分のライディングには納得がいきません。もっとうまく乗れたはずです。レース2までの間に自分をリセットしようと心掛けたら、2番手争いに加わることができました。ところが、またミスをしてコースアウト。その際にフロントブレーキとスロットルケーブルを壊してしまったので、走り続けることができませんでした。いつものように真剣に取り組みながらレースを楽しむという姿勢を変えたつもりはありませんが、心の片隅でチャンピオンシップを意識していたことは確かです。今週末はリラックスできず、フリー走行のときから乗れていなかったので、結果的に今大会を楽しめていませんでした。今となっては取り返しがつきませんが、この失敗から学び、リフレッシュした気持ちでシャーロットに臨みたいと思います」
ゴーティエ・ポーリン(MXGP 19位/18位 総合19位)
「我々にとって非常に困難な一日でした。朝のウォームアップセッションでは、夜に降った雨で前日までとはコースコンディションが変わってしまいましたが、それでも3番手のタイムを出していたので、見通しは悪くありませんでした。ところが、2度目の嵐が来て、コースがすっかり様変わりしてからは、全然うまく乗れなくなってしまいました。2レースともリズムをつかみきれず、気分よく乗れずにもがき苦しみました。ウォームアップでのスピードから考えれば善戦できると思っていたので、この結果にはがっかりしています。レース1では、特にコースコンディションが厳しくて、うまくまとめることができませんでした。来週は全く違う展開になるはすですし、そうであってほしいと思います」