モトクロス世界選手権第9戦がスペインのタラベラ・デ・ラ・レイナで開催され、HondaのワークスマシンCRF450RWを駆るティム・ガイザー(Team Honda Gariboldi Racing)は、2レースともに優勝。ゴーティエ・ポーリン(Team HRC)は総合3位で復帰後初の表彰台登壇を果たし、イブジェニー・バブリシェフも総合5位と、トップ5に3名のHondaライダーが入りました。
ティム・ガイザー
ティム・ガイザー
ガイザーは、この週末に行われたすべてのセッションで1位と絶好調。さらには、バブリシェフも予選3位、ポーリンが8位で、好調ぶりを披露して決勝を迎えました。
ゴーティエ・ポーリン(左)、ティム・ガイザー(右)
ティム・ガイザー(左)、ゴーティエ・ポーリン(右)
レース1では、ガイザーとポーリンが好スタートを決め、マキシミリアン・ナグル(ハスクバーナ)やクレメント・デサール(カワサキ)らとトップ争いを繰り広げます。ガイザーはファステストラップを記録しながら徐々にリードを広げ、最終的に2位と7.344秒差でフィニッシュ。ポーリンはデサールと激しいバトルを展開し僅差で4位となりました。また、スタートでやや遅れたバブリシェフは、9番手から追い上げて6位でレース1を終えました。
ゴーティエ・ポーリン
ゴーティエ・ポーリン
レース2では3名とも好スタートを決めると、ガイザーがまたしてもリードを奪います。ポーリンはナグルと2番手を争い、その後ろの4番手にバブリシェフがつけてレースは中盤へ。ガイザーはリードを守りきり、レース2でも優勝。全セッションでトップに輝く完全制覇を成し遂げました。その後ろでは、ポーリン、バブリシェフ、ナグル、そしてロマン・フェーブル(ヤマハ)の4台によるし烈な2番手争いとなり、ポーリンが3位、バブリシェフが5位でゴール。この結果、ポーリンが総合3位に入り、ケガからの復帰後、初の表彰台登壇となりました。
イブジェニー・バブリシェフ
イブジェニー・バブリシェフ
MX2クラスでは、Team Honda Garibordi Racingのダヴィド・エーブルトゥがすばらしいスタートを決め、両レースでホールショットを奪いました。しかし、レース1ではミスが重なって順位を落としてしまい、16位でフィニッシュ。レース2では1周目のウェーブセクションで転倒。右足首を負傷してメディカルセンターへ運ばれてしまいます。幸い骨折はなかったものの、ひどい打撲があり、腫れが引いた後に再度検査を行う予定です。
ホームレースを迎えたチームメートのホルヘ・ザラゴザも不運に見舞われました。レース1ではエンジンのキルスイッチに水が入ったことによって3周目でストップ。レース2ではターン1で転倒を喫し、最後尾まで下がってしまったものの、そこから懸命に追い上げて20位でレースを終えました。
ホルヘ・ザラゴザ
ダヴィド・エーブルトゥ
ダヴィド・エーブルトゥ(MX2 16位/36位 総合20位)
「クラッシュによるケガが心配です。骨に異常はないように見えますが、経過を観察して再度検査を受けなければなりません。両レースともにすばらしいスタートを決め、MX2で初めてホールショットを獲得したのに、この結果は残念でなりません。次戦のフランスまでに身体を回復させばければなりませんが、より詳細が分かるには時間が必要です」
ホルヘ・ザラゴザ(MX2 37位/20位 総合23位)
「レースウイークの最初から続いた不運によって、難しい週末となってしまいました。スタートはそれほど悪くなかったのですが、レース1ではエンジンスイッチに入った水によってストップせざるを得ず、レース2では2台に挟まれる形でクラッシュして最後尾からの追い上げを強いられました。週末を通してペースは悪くなく、レースではさらに向上させられると思っていたのですが、ホームグランプリで思うような結果を残せませんでした。ただ、気持ちを切り替えて次のフランスへ集中していかなければなりません」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 17 | 34'19.713 | |
2 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 17 | +07.344 |
3 | 25 | C.デサール | カワサキ | 17 | +11.598 |
4 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | 17 | +13.207 | |
5 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +15.021 |
6 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 17 | +16.983 | |
16 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 17 | +1'05.319 | |
24 | 221 | プリット・ラトセップ | 17 | +1'55.060 | |
31 | 400 | 山本鯨 | 13 | +4Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 17 | 34'15.981 | |
2 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 17 | +03.607 |
3 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | 17 | +06.614 | |
4 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 17 | +12.734 |
5 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 17 | +18.755 | |
6 | 25 | C.デサール | カワサキ | 17 | +32.631 |
17 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 17 | +1'25.245 | |
22 | 221 | プリット・ラトセップ | 17 | +1'49.852 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 34'15.998 |
2 | 4 | D.フェランディス | カワサキ | 17 | +20.611 |
3 | 41 | P.ヨナス | KTM | 17 | +23.309 |
4 | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 17 | +24.732 |
5 | 189 | B.ボジャース | KTM | 17 | +27.811 |
6 | 59 | A.トンコフ | ヤマハ | 17 | +32.183 |
7 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 17 | +51.412 | |
16 | 338 | ダヴィド・エーブルトゥ | 17 | +1'18.849 | |
22 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 17 | +1'48.349 | |
37 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 1 | +16Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 34'54.462 |
2 | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 17 | +07.249 |
3 | 41 | P.ヨナス | KTM | 17 | +19.128 |
4 | 91 | J.シーワー | スズキ | 17 | +26.815 |
5 | 4 | D.フェランディス | カワサキ | 17 | +33.608 |
6 | 59 | A.トンコフ | ヤマハ | 17 | +35.751 |
10 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 17 | +43.558 | |
20 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 17 | +1'45.704 | |
21 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 17 | +2'01.160 | |
36 | 338 | ダヴィド・エーブルトゥ | 0 | +18Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | ティム・ガイザー | 385 | |
- | 2 | R.フェーヴル | ヤマハ | 361 |
- | 3 | A.カイローリ | KTM | 338 |
- | 4 | M.ナグル | ハスクバーナ | 317 |
- | 5 | イブジェニー・バブリシェフ | 295 | |
- | 6 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 274 |
▲ | 18 | ゴーティエ・ポーリン | 87 | |
▼ | 19 | アレッサンドロ・ルピーノ | 68 | |
- | 21 | スティーヴン・ルノワ | 38 | |
- | 22 | 山本鯨 | 34 | |
▼ | 29 | ゲート・クレスティノフ | 8 | |
- | 37 | ニコラス・カレンツァ | 1 | |
▼ | 40 | タンナラ・ペンジャン | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | 393 | |
- | 2 | ヤマハ | 371 |
- | 3 | KTM | 345 |
- | 4 | ハスクバーナ | 328 |
- | 5 | スズキ | 227 |
- | 6 | カワサキ | 208 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | J.ハーリングス | KTM | 447 |
- | 2 | J.シーワー | スズキ | 325 |
- | 3 | P.ヨナス | KTM | 300 |
- | 4 | B.パテュレル | ヤマハ | 251 |
- | 5 | A.トンコフ | ヤマハ | 240 |
- | 6 | P.ペトロフ | カワサキ | 210 |
- | 16 | ホルヘ・ザラゴザ | 90 | |
▲ | 18 | ミケーレ・セルベリン | 69 | |
▼ | 19 | ヘンリー・ヤコービ | 55 | |
▼ | 20 | ダヴィド・エーブルトゥ | 54 | |
- | 22 | デイモン・グラウルス | 43 | |
▼ | 30 | ギウセッペ・トロペペ | 21 | |
▼ | 39 | ハビエル・バスケス | 5 | |
▼ | 44 | イグニアシオ・トーヤ | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | KTM | 447 |
▲ | 2 | カワサキ | 327 |
▼ | 3 | スズキ | 325 |
- | 4 | ヤマハ | 313 |
- | 5 | ハスクバーナ | 261 |
- | 6 | TM | 204 |
- | 7 | 174 |
ティム・ガイザー(MXGP 優勝/優勝 総合優勝)
「最高の週末になりました。全セッションでトップに立ったのもそうですが、シーズンの半分を終えてここまで全戦で表彰台登壇を果たし、5勝を挙げているなんて信じられない気持ちです。この結果は、これまで正しい方向性で取り組んでいることの表れです。前回までのレースでは少しミスをしてしまったので、イタリアGPが終わってからはその改善に力を入れました。今回のダブルウインで、対策がすぐに効果を発揮したことが示せたと思います。週末を通してがんばってくれたチームにお礼を言いたいです。メカニックのニコとエンジニアのロジャーはレースの合間にもすばらしい仕事をしてくれました。結果で報いることができて最高の気分です。いつも完ぺきなマシンに仕上げてくれる彼らには、全幅の信頼を置いています」
ゴーティエ・ポーリン(MXGP 4位/3位 総合3位)
「ケガの治療を終え、またこうしてマシンに乗るのを楽しめること、さらには楽しみながら表彰台にも上がれて、本当にうれしいです。未だに疲れを感じているほどで、両レースともいい走りができたことが信じられません。ケガはまだ回復途中にあり、コンディションも万全ではないので、今日は体力よりも気持ちでプッシュしました。マシンの上で過ごす時間が長くなるにつれて強さが増しているように感じていますので、その時間を大いに楽しんでいます」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 6位/5位 総合5位)
「両レースで安定した走りができて、総合5位に入れたのはいいことです。ポイントも獲得することができました。ただ、正直なところ少しフラストレーションが溜まるとともに、がっかりしてもいます。このコースにおける戦略が固まっていませんでした。レース2ではゴーティエの後ろについていき、追い抜こうとしましたが、あまり好きではないタイトでツイスティなコースだったので、叶いませんでした。ただ、ゴーティエが復帰後初の表彰台登壇を果たしたことはとてもうれしいですし、祝福したいと思います」