モトクロス世界選手権第6戦がラトビアで開催され、HondaのワークスマシンCRF450RWを駆るティム・ガイザー(Team Honda Gariboldi Racing)が3戦連続の総合優勝を達成。Team HRCのイブジェニー・バブリシェフは、土曜日に喫した大クラッシュによる肩の負傷を抱えながらも、力走をみせました。
ティム・ガイザー
ティム・ガイザー
ガイザーは、レース1こそ早々と先頭に立つとリードを保ったまま走行して勝利を収めましたが、レース2では2番手走行中に転倒。このクラッシュで一時的に23番手まで後退しますが、あきらめずに猛追を始めると、すばらしい勢いでポジションアップを続け、ラスト2周で前のライダーをパスし、4位でフィニッシュ。このポイントにより、総合優勝を達成しました。
ティム・ガイザー
ティム・ガイザー
バブリシェフは、土曜日に行われた予選レースの1コーナーで激しくクラッシュ。肩の痛みを抱えながら、朝のウォームアップ走行にコースインしました。2周だけ走ってみたものの、痛みの影響でうまく乗れず、この時点ではレースに出走できるかも危ぶまれる状況に。コース付きの医療チームから肩に痛み止めの注射を打たれ、レース1では一番外側のグリッドからスタート。最後尾から25番手までばん回すると、その5分後には11番手まで浮上します。痛みをこらえながら残り10分時点で8番手まで躍進し、全力を尽くした結果9位でチェッカーを受けました。レース2では、さらに力走をみせ、5番手での走行を終始続けると、6位でフィニッシュラインを通過。今大会の総合6位に入賞しました。
イブジェニー・バブリシェフ
イブジェニー・バブリシェフ
この結果、ポイントランキングではガイザーが首位と1ポイント差の216点で2位につけ、バブリシェフは170点で4位となっています。次回は、1週間後にドイツのトイチェンタルで第7戦が行われます。
イブジェニー・バブリシェフ
MX2クラスのレース1では、ダヴィド・エーブルトゥ(Team Honda Gariboldi Racing)が18番手ゲートから12番手まで躍進。レースが進むにつれて走りも冴え、接戦を繰り広げた末に、14位でフィニッシュラインを通過しました。
ダヴィド・エーブルトゥ
ダヴィド・エーブルトゥ
レース2では、5番手スタートから、6番手のポジションを守ったエーブルトゥでしたが、ラスト10分では疲れが目立つようになり、13位でゴール。しかし、レースごとに上達しており、特にレース2でみせた走りはポテンシャルを示すものでした。
ホルヘ・ザラゴザ
ホルヘ・ザラゴザ
一方、ホルヘ・ザラゴザにとっては、厳しい週末となりました。土曜日の予選レースでは大クラッシュによってリタイアを喫すると、レース1では不利なゲートから出走して健闘したものの、2度目のクラッシュで左足を負傷。前日の負傷もあって完走することができませんでした。レース2にも出走しましたが、痛みをこらえきれずにリタイアとなりました。
ダヴィド・エーブルトゥ(MX2 14位/13位 総合14位)
「今日の結果には満足しています。スタートはまずまずうまくいき、レース2では目標とするトップ6内にかなり長い間とどまることができました。レースのたびにライディングの感触がよくなっていますし、マシンセッティングの方向性も見えてきました。今大会前から、総合的なスピードは負けるかもしれないけれど、テクニカルセクションではうまく走れると思っており、それを実証できたことがうれしいです」
ホルヘ・ザラゴザ(MX2 36位/32位)
「難しい週末になってしまいました。昨日は他のライダーに突っ込まれてクラッシュ。それほど重傷ではなかったものの、痛いことは確かです。レース1では1周目のウェーブセクションで転倒して、足を痛めてしまいました。なんとか走り続けようとしたのですが、痛みが強くてリタイアしました。レース2でもなんとかトライしましたが、完走できませんでした」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 17 | 33'55.987 | |
2 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 17 | +01.545 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +05.654 |
4 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 17 | +10.263 |
5 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 17 | +15.166 |
6 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 17 | +32.318 |
9 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 17 | +1'10.768 | |
20 | 685 | スティーヴン・ルノワ | 16 | +1Lap | |
23 | 63 | セリエル・クレイン・クロモフ | 16 | +1Lap | |
26 | 400 | 山本鯨 | 16 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 17 | 34'06.040 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +12.420 |
3 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 17 | +18.547 |
4 | 243 | ティム・ガイザー | 17 | +24.293 | |
5 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 17 | +25.970 |
6 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 17 | +38.669 | |
14 | 685 | スティーヴン・ルノワ | 17 | +1'17.681 | |
24 | 400 | 山本鯨 | 16 | +1Lap | |
29 | 63 | セリエル・クレイン・クロモフ | 10 | +7Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 18 | 35'30.258 |
2 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 18 | +32.751 |
3 | 41 | P.ヨナス | KTM | 18 | +39.912 |
4 | 91 | J.シーワー | スズキ | 18 | +44.374 |
5 | 4 | D.フェランディス | カワサキ | 18 | +1'01.732 |
6 | 152 | P.ペトロフ | カワサキ | 18 | +1'13.880 |
13 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 18 | +1'40.398 | |
14 | 338 | ダヴィド・エーブルトゥ | 18 | +1'55.025 | |
17 | 71 | デイモン・グラウルス | 17 | +1Lap | |
36 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 3 | +15Laps | |
37 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 1 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 18 | 35'23.887 |
2 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 18 | +1'02.361 |
3 | 91 | J.シーワー | スズキ | 18 | +1'06.598 |
4 | 152 | P.ペトロフ | カワサキ | 18 | +1'31.464 |
5 | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 18 | +1'33.420 |
6 | 4 | D.フェランディス | カワサキ | 18 | +1'50.446 |
13 | 338 | ダヴィド・エーブルトゥ | 17 | +1Lap | |
16 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 17 | +1Lap | |
19 | 71 | デイモン・グラウルス | 17 | +1Lap | |
25 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 17 | +1Lap | |
32 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 6 | +12Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | R.フェーヴル | ヤマハ | 260 |
- | 2 | ティム・ガイザー | 259 | |
- | 3 | A.カイローリ | KTM | 213 |
▲ | 4 | M.ナグル | ハスクバーナ | 203 |
▲ | 5 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 200 |
▼ | 6 | イブジェニー・バブリシェフ | 197 | |
▼ | 18 | アレッサンドロ・ルピーノ | 46 | |
- | 19 | ゴーティエ・ポーリン | 37 | |
- | 20 | スティーヴン・ルノワ | 37 | |
- | 21 | 山本鯨 | 24 | |
▼ | 24 | ゲート・クレスティノフ | 8 | |
▼ | 34 | ニコラス・カレンツァ | 1 | |
▼ | 36 | タンナラ・ペンジャン | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | ヤマハ | 263 |
- | 2 | 261 | |
- | 3 | KTM | 220 |
- | 4 | ハスクバーナ | 214 |
- | 5 | スズキ | 162 |
- | 6 | カワサキ | 134 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | J.ハーリングス | KTM | 300 |
- | 2 | J.シーワー | スズキ | 230 |
- | 3 | P.ヨナス | KTM | 193 |
▲ | 4 | P.ペトロフ | カワサキ | 165 |
▼ | 5 | A.トンコフ | ヤマハ | 163 |
- | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 154 |
▼ | 14 | ホルヘ・ザラゴザ | 78 | |
- | 19 | デイモン・グラウルス | 43 | |
- | 20 | ヘンリー・ヤコービ | 42 | |
▲ | 23 | ダヴィド・エーブルトゥ | 30 | |
- | 24 | ミケーレ・セルベリン | 29 | |
▼ | 34 | ハビエル・バスケス | 5 | |
▼ | 38 | イグニアシオ・トーヤ | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | KTM | 300 |
- | 2 | スズキ | 230 |
- | 3 | ヤマハ | 210 |
- | 4 | カワサキ | 202 |
- | 5 | ハスクバーナ | 182 |
- | 6 | TM | 133 |
- | 7 | 116 |
ティム・ガイザー(MXGP 優勝/4位 総合優勝)
「今日は勝てたことが信じられません。ひどいクラッシュでとても痛かったのですが、レースに復帰してからは自分が何位なのかも分からず、ただひたすら攻めました。自分なりにいいラインを何本か持っていて、激しくプッシュし続けたのです。特にウェーブセクションでは全開で、ほとんどのパッシングはそこで成功したはずです。今大会の総合優勝がかかっていることは知らず、サインボードに書かれた『ナグル』の意味も分からなかったのですが、とにかく彼を抜くことに全力を注ぎました。実は、そのパッシングによって総合優勝を獲得できたので、チームワークが功を奏したことがとてもうれしいです。最高の気分ですし、これまでのMXGPにおける優勝の中でも最高の優勝だと思います。間違いありません」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 9位/6位 総合6位)
「今日は持てる力をすべてレースに注ぎ込みました。昨夜は肩の痛みでよく眠れず、翌朝マシンに乗った際にどのくらい回復しているのかは予想できませんでした。チームの理学療法士のケアによって、この状況にしてはとてもいいレースができそうではありましたが、今朝のウォームアップを走ってみたあとは、完走する自信が持てませんでした。今週末いろいろと尽くしてくれたチームと医療スタッフにお礼を言いたいです。そして、昨夜痛みでなにもできない私を助けてくれた、妻と父にも感謝しています。レースの終盤は我慢が続かず、あれ以上攻めることはできませんでした。もちろん、昨日のクラッシュはとても残念ですが、今日のレースでどこまでできるか分からなかったのですから、この結果には満足すべきだと思います」