オランダのファルケンスワードで開催された第3戦ヨーロッパで、ティム・ガイザー(Team Honda Gariboldi Racing)は開幕から3戦連続のポディアム登壇を果たしました。Team HRCのイブジェニー・バブリシェフは、ヨーロッパGPで一貫した粘り強さを発揮し、2レース制の決勝で4位/6位に入賞。総合成績6位となりましたが、目論んでいた結果には足りないものでした。
ティム・ガイザー
イブジェニー・バブリシェフ
ガイザーは、レース1で深いワダチだらけになった路面状況にもかかわらず、次前テストで投入したエンジンのアップグレードの性能をフルに発揮させ、ホールショットからチェッカーまで独走。レース2でもオープニングラップの半ばまでリードし、同様に独走劇を演じるかと思われましたが、エンジンストールとミステイクの積み重ねによって叶わぬものとなりました。結果、レース2では8位となりましたが、レース1との総合では3位となり、見事、表彰台登壇となりました。
イブジェニー・バブリシェフ
イブジェニー・バブリシェフ
バブリシェフも2日間を通じてCRF450RWを駆るペースは力強く、土曜の夜にマシンに施されたセッティング変更によって、コースに対する自信も高まっていました。しかし、今大会はコースコンディションがカギとなりました。先週ファルケンスワードに降った雨量に加えて、当日の朝に訪れた豪雨によって、コースは深いワダチだらけになり、想像を絶する難易度となっていました。
イブジェニー・バブリシェフ
レース1は終始単独走行で、序盤に4番手に上がると最後までその位置をキープ。レース2は一転して複雑になり、スターティングゲートから飛び出したあとにミスをしてしまい、11番手まで転落。その後、6番手までばん回したものの、この日の最終レースとあって路面コンディションは悪化の一途をたどり、それ以上のポジションアップはなりませんでした。
今大会の得点により、ガイザーとバブリシェフは、世界選手権第3戦終了時点で、MXGPランキング2位と3位につけています。次回は4月10日(日)、アルゼンチンの地で争われます。
MX2クラスでは、ダヴィド・エーブルトゥがHonda Gariboldiの一員としてデビューし、両レースとも20位以下から追い上げをみせ、手堅く13位/14位に入りました。ホルヘ・ザラゴザ(Team Honda Gariboldi Racing)はレース2で得意のスタートダッシュをみせました。そのまま4番手につけ、トップ10内の上位フィニッシュが期待されましたが、序盤に喫した不運なクラッシュでハンドガードが曲がり、その影響を受けたレバーでクラッチが滑り、レース半ばでリタイアとなりました。
ダヴィド・エーブルトゥ
ホルヘ・ザラゴザ
ダヴィド・エーブルトゥ(MXGP 13位/14位 総合15位)
「ライディングには満足していないし、今日もずっともがき続けていました。それでもチームと話し合って、いいセッティングを見つけ、うまくいきました。レース1ではうまくスタートできましたが、コース脇の水たまりで転倒して集団の後方に下がってしまいました。そこから13位までばん回できたので、まずまずよかったと思います。自分にとっては、ビラースーゼコ以来のレースだったので、今週末の結果には満足しています」
ホルヘ・ザラゴザ(MXGP 16位/34位 総合19位)
「コースコンディションは雨の影響でとても難しかったです。レース1ではスタートがあまりうまく決まらなかったし、序盤の数周はコースに馴染めませんでした。レース2はセッティングを変えたので、とてもいいスタートを切ることができ、5番手につけていましたが、その後転倒していまい、クラッチレバーのトラブルでリタイアになりました。残念でしたが、今は次のアルゼンチンGPに集中しなければなりません」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 15 | 34'41.033 | |
2 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 15 | +05.431 |
3 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 15 | +33.443 |
4 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 15 | +46.976 | |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 15 | +51.297 |
6 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 15 | +52.205 |
16 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 14 | +1Lap | |
21 | 37 | ゲート・クレスティノフ | 14 | +1Lap | |
26 | 685 | スティーヴン・ルノワ | 14 | +1Lap | |
29 | 400 | 山本鯨 | 13 | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 16 | 34'55.696 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 16 | +05.156 |
3 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 16 | +12.437 |
4 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 16 | +14.500 |
5 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 16 | +17.253 |
6 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 16 | +25.165 | |
8 | 243 | ティム・ガイザー | 16 | +39.187 | |
13 | 37 | ゲート・クレスティノフ | 16 | +1'49.835 | |
15 | 685 | スティーヴン・ルノワ | 16 | +1'57.152 | |
28 | 400 | 山本鯨 | 15 | +1Lap | |
32 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 2 | +14Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 15 | 35'12.127 |
2 | 41 | P.ヨナス | KTM | 15 | +50.896 |
3 | 152 | P.ペトロフ | カワサキ | 15 | +1'07.168 |
4 | 91 | J.シーワー | スズキ | 15 | +1'23.048 |
5 | 172 | B.ファン・ドニンク | ヤマハ | 15 | +1'26.054 |
6 | 46 | D.ポーチェス | KTM | 15 | +1'35.470 |
13 | 338 | ダヴィド・エーブルトゥ | 14 | +1Lap | |
14 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 14 | +1Lap | |
16 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 14 | +1Lap | |
23 | 71 | デイモン・グラウルス | 14 | +1Lap | |
36 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 5 | +10Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 16 | 35'17.872 |
2 | 41 | P.ヨナス | KTM | 16 | +1'19.911 |
3 | 91 | J.シーワー | スズキ | 16 | +1'25.404 |
4 | 172 | B.ファン・ドニンク | ヤマハ | 16 | +1'29.679 |
5 | 10 | C.ブラーンデレン | KTM | 16 | +1'31.724 |
6 | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 16 | +1'35.487 |
7 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 16 | +1'54.833 | |
14 | 338 | ダヴィド・エーブルトゥ | 15 | +1Lap | |
17 | 71 | デイモン・グラウルス | 15 | +1Lap | |
30 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 13 | +3Laps | |
34 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 5 | +11Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | R.フェーヴル | ヤマハ | 137 |
- | 2 | ティム・ガイザー | 124 | |
- | 3 | イブジェニー・バブリシェフ | 107 | |
- | 4 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 104 |
- | 5 | A.カイローリ | KTM | 100 |
▲ | 6 | M.ナグル | ハスクバーナ | 84 |
▼ | 15 | ゴーティエ・ポーリン | 37 | |
▼ | 18 | アレッサンドロ・ルピーノ | 28 | |
▼ | 21 | 山本鯨 | 11 | |
- | 22 | ゲート・クレスティノフ | 8 | |
- | 24 | スティーヴン・ルノワ | 6 | |
▼ | 30 | タンナラ・ペンジャン | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | ヤマハ | 137 |
- | 2 | 126 | |
- | 3 | KTM | 107 |
▲ | 4 | ハスクバーナ | 95 |
▼ | 5 | スズキ | 91 |
- | 6 | カワサキ | 63 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | J.ハーリングス | KTM | 150 |
▲ | 2 | P.ヨナス | KTM | 112 |
▼ | 3 | J.シーワー | スズキ | 112 |
▼ | 4 | A.トンコフ | ヤマハ | 91 |
▲ | 5 | B.ファン・ドニンク | ヤマハ | 78 |
▼ | 6 | P.ペトロフ | カワサキ | 76 |
- | 14 | ホルヘ・ザラゴザ | 35 | |
▼ | 19 | デイモン・グラウルス | 24 | |
- | 22 | ミケーレ・セルベリン | 21 | |
- | 25 | ダヴィド・エーブルトゥ | 15 | |
▼ | 27 | ヘンリー・ヤコービ | 9 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | KTM | 150 |
▲ | 2 | スズキ | 112 |
▼ | 3 | ヤマハ | 108 |
- | 4 | カワサキ | 103 |
- | 5 | ハスクバーナ | 74 |
- | 6 | TM | 60 |
- | 7 | 57 |
ティム・ガイザー(MXGP 1位/8位 総合3位)
「先週はとてもいいテストができ、昨日も今日もマシンの感触はとても良好でした。レース1はほぼ完ぺきに走り切ることができ、それについてはとてもうれしいです。レース2でもスタートで2番手につけて、すぐにリーダーになれたし、非常にマシンに乗れていました。2回くらいエンジンストールがありましたが、それでも表彰台に立てたのでよかったです。優勝できたはずなので、その点は少々がっかりしていますが、我々は常に前向きに捉えていかなければなりません」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 4位/6位 総合6位)
「今週末はずっともがいていました。ファルケンスワードは好きなコースの一つで、そのレイアウトから土質まで自分のタイプでした。ところがこの悪天候によって、すべての要素と自分の気持ちまで台無しになってしまいました。路面は尖ったギャップと深いワダチだらけで、スピードの乗らないラインばかり。そんなわけで土曜日は、時間をかけてマシンとコースに対する自信をつけるのに苦労しました。土曜日の夜にセッティングを変えて、それが功を奏したので、チームスタッフの努力に感謝したいです。レース1の4位は悪くなかったが、レース2では何度かひやっとする瞬間があり、ミステイクをしてしまいました。終盤では足を痛めたこともあって、抜かれてしまいました。このレースでは優勝を目論んで心に誓っていたので、すべての要素を思い通りに、うまくまとめることができなったことを残念に思っています。とても厳しい週末でしたが、それでも相当なポイントを加算できたし、この先には何レースも控えているから、我々は辛抱強く耐えなければいけません」