モトクロス世界選手権の第5戦はメキシコ・レオンで開催されました。今大会はティム・ガイザー(Team Honda Gariboldi Racing)にとって重要な一戦となりました。レースを通して、ガイザーは意思の強さと闘志、そして勝利を得るためのスピードを持っていることを証明しました。Team HRCのイブジェニー・バブリシェフは、アルゼンチンでのクラッシュのケガの影響や、貨物輸送が遅れたことで、短い時間でのテスト走行しかできないというアクシデントがありましたが、すばらしい走りをみせ、総合4位に入りました。
ティム・ガイザー
ティム・ガイザー
レース1、ガイザーは好スタートを決めてトップに躍り出ると、後続車との差を広げることに成功。しかし、小石がリアタイヤに挟まったことと、わだちにはまってラジエーターガードを曲げてしまう不運に見舞われました。その後、マシンをコントロールすることが難しくなり、2番手に順位を落としてしまい、そのままフィニッシュとなりました。バブリシェフはポールポジションからスタートしますが、トップで2周目に入ろうとした寸前で、転倒してしまいました。その結果、4位でレース1を終えることになりました。
ティム・ガイザー
イブジェニー・バブリシェフ
続くレース2では、ガイザーがまたもや好スタートを決め、先頭を走ります。その後、前年のチャンピオンであるロマン・フェーヴル(ヤマハ)に追われる展開が続きますが、ガイザーはライバルを寄せつけないスピードをみせます。プッシュを続けたガイザーは、2位に16秒という大差をつけてフィニッシュ。2戦連続となる総合優勝を果たしました。
イブジェニー・バブリシェフ
イブジェニー・バブリシェフ
バブリシェフも上位のポジション争いに加わり、3番手を走行していたマキシミリアン・ナグル(ハスクバーナ)を猛プッシュで追い上げるも、惜しくも届かず4位。総合でも4位となりました。
ガイザーはここまですべてのレースで表彰台に登壇し、3度の総合優勝を達成。ポイントランキングでは、トップと3ポイント差の2位。バブリシェフは今大会の結果により、ランキングを一つ上げて4位につけています。
ティム・ガイザー、イブジェニー・バブリシェフ、Team HRC
MX2では、ホルヘ・ザラゴザ(Team Honda Gariboldi Racing)が、両レースを10位でフィニッシュし、総合10位。2016年シーズンで初となるトップ10入りを果たす、今季ベストリザルトとなりました。
ホルヘ・ザラゴザ(MX2 10位/10位 総合10位)
「メキシコで過ごしたこの週末はいいものでした。レース1では、非常に力強いスタートを切ることができて、タイムでは5番手につけていたからすごくいい気分でした。ただ、ミスをしてしまったのと、先週のアルゼンチンで痛めたヒザがまだ痛んでいたこともあり、順位を落としてしまい、10位でのフィニッシュとなりました。2レース目では、最初のラップで順位を落としましたが、総合10位という結果はうれしく思っています。レースごとに改善していくつもりですし、この調子を保ち、レースごとによくなっていきたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 18 | 35'08.054 |
2 | 243 | ティム・ガイザー | 18 | +04.315 | |
3 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 18 | +08.295 |
4 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 18 | +13.662 | |
5 | 25 | C.デサール | カワサキ | 18 | +31.207 |
6 | 222 | A.カイローリ | KTM | 18 | +35.377 |
15 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 18 | +1'28.091 | |
17 | 685 | スティーヴン・ルノワ | 18 | +1'39.342 | |
18 | 400 | 山本鯨 | 18 | +1'45.487 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 18 | 35'32.594 | |
2 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 18 | +16.264 |
3 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 18 | +27.592 |
4 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 18 | +36.883 | |
5 | 25 | C.デサール | カワサキ | 18 | +45.418 |
6 | 100 | T.サール | カワサキ | 18 | +51.089 |
15 | 685 | スティーヴン・ルノワ | 17 | +1Lap | |
18 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 2 | +16Laps | |
19 | 400 | 山本鯨 | 0 | +18Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 34'11.123 |
2 | 18 | V.ブリリャコフ | カワサキ | 17 | +33.978 |
3 | 91 | J.シーワー | スズキ | 17 | +38.195 |
4 | 41 | P.ヨナス | KTM | 17 | +40.758 |
5 | 59 | A.トンコフ | ヤマハ | 17 | +53.207 |
6 | 152 | P.ペトロフ | カワサキ | 17 | +54.852 |
10 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 17 | +1'23.832 | |
14 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 16 | +1Lap | |
20 | 71 | デイモン・グラウルス | 0 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 18 | 35'35.640 |
2 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 18 | +44.423 |
3 | 91 | J.シーワー | スズキ | 18 | +47.549 |
4 | 41 | P.ヨナス | KTM | 18 | +57.008 |
5 | 59 | A.トンコフ | ヤマハ | 18 | +59.649 |
6 | 18 | V.ブリリャコフ | カワサキ | 18 | +1'00.716 |
10 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 18 | +1'56.479 | |
13 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 17 | +1Lap |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | R.フェーヴル | ヤマハ | 219 |
- | 2 | ティム・ガイザー | 216 | |
- | 3 | A.カイローリ | KTM | 171 |
▲ | 4 | イブジェニー・バブリシェフ | 170 | |
▲ | 5 | M.ナグル | ハスクバーナ | 165 |
▼ | 6 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 162 |
▲ | 17 | アレッサンドロ・ルピーノ | 46 | |
▼ | 19 | ゴーティエ・ポーリン | 37 | |
- | 20 | スティーヴン・ルノワ | 29 | |
- | 21 | 山本鯨 | 24 | |
- | 23 | ゲート・クレスティノフ | 8 | |
▼ | 32 | ニコラス・カレンツァ | 1 | |
▼ | 35 | タンナラ・ペンジャン | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | ヤマハ | 220 |
- | 2 | 218 | |
- | 3 | KTM | 178 |
- | 4 | ハスクバーナ | 176 |
- | 5 | スズキ | 139 |
- | 6 | カワサキ | 119 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | J.ハーリングス | KTM | 250 |
- | 2 | J.シーワー | スズキ | 192 |
▲ | 3 | P.ヨナス | KTM | 166 |
▼ | 4 | A.トンコフ | ヤマハ | 163 |
- | 5 | P.ペトロフ | カワサキ | 132 |
- | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 126 |
- | 12 | ホルヘ・ザラゴザ | 78 | |
- | 19 | デイモン・グラウルス | 37 | |
▲ | 20 | ヘンリー・ヤコービ | 37 | |
- | 24 | ミケーレ・セルベリン | 21 | |
▼ | 27 | ダヴィド・エーブルトゥ | 15 | |
▼ | 31 | ハビエル・バスケス | 5 | |
▼ | 37 | イグニアシオ・トーヤ | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | KTM | 250 |
- | 2 | スズキ | 192 |
- | 3 | ヤマハ | 180 |
- | 4 | カワサキ | 168 |
- | 5 | ハスクバーナ | 138 |
- | 6 | TM | 117 |
- | 7 | 100 |
ティム・ガイザー(MXGP 2位/優勝 総合優勝)
「レース2は特に楽しみながら走れました。今週末はすべてうまくいったし、なによりもまた勝利を得られたことをうれしく思っています。最初のレースでは小石がリアタイヤに挟まったり、ラジエーターガードを曲げてしまったりとアクシデントが続き、マシンのコントロールが難しかったです。でもレース2ではより強くなって戻ってくることができました。ただ、(ロマン)フェーヴルは常に追い上げてきていたので、非常に難しい戦いでした。僕らは2人ともかなり速いスピードで走っていたので、とても楽しいバトルでした。2週間を通して本当にすばらしい体験だったので、今はすごくいい気分です。このすばらしいマシンと、チームに感謝します。みんな本当に努力してきたから、勝てたことをとてもうれしく思っています」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 4位/4位 総合4位)
「安定した週末を過ごすことができたので、すごく幸せな気持ちです。今日のレースは、スピードがいつもより遅かったし、自信もありませんでした。流れは昨日に比べてよくなかったですね。昨日はスピード、タイムともによかったです。でも今日は違うトラックで走らなければいけなかったので、あちこちに大きなわだちがあり、スピードを出すのに苦労しました。2つのレースを4位でフィニッシュしたのはいい結果と言えるし、3位まであと少しのところまで来ていました。だから十分に幸せな気持ちです」