Team Honda Gariboldi Racingのティム・ガイザーとTeam HRCのゴーティエ・ポーリンが、第11戦イギリス大会の表彰台に立ちました。Hondaにとっては、3戦連続のダブルポディウムであり、さらに、Honda勢による表彰台の独占にあと一歩まで迫る健闘ぶりでした。
ティム・ガイザー
ティム・ガイザー
レース1では、イブジェニー・バブリシェフ(Team HRC)が好スタート。彼のCRF450RWが、1コーナーを先頭で立ち上がりました。その後バブリシェフは、後続に6秒ほどのリードを築きますが、レース中盤に差しかかると、ガイザーが接近。Honda勢同士のトップ争いとなりました。
ティム・ガイザー
ティム・ガイザー(左)、ゴーティエ・ポーリン(右)
バブリシェフは、ガイザーが激しい追い上げでベストラップを叩き出すまでは力強い走りを披露していたものの、ラスト10分になったあたりで走行スタイルが変化。その影響で、ジャンプを少し飛びすぎてしまい、わだちに着地してコーナーからコースアウトしてしまいました。転倒こそ免れて、すぐにコースに復帰できたものの、そのすきにポジション下げ、4位でチェッカーを受けました。バブリシェフはレース2で5位だったため、3位に2ポイント差の総合4位で、惜しくも表彰台を逃しました。
ゴーティエ・ポーリン
ゴーティエ・ポーリン
一方でポーリンは、レース1では単独5番手の座を保つために、ジェレミー・バン・ホービーク(ヤマハ)からのプレッシャーに抵抗。ポジションを守りきり、5位でフィニッシュしました。続いて迎えたレース2では力強いスタートを決め、3位でフィニッシュ。その結果、今シーズン2度目の表彰台となる、総合3位となりました。
ゴーティエ・ポーリン
イブジェニー・バブリシェフ
総合優勝を果たしたのはガイザーで、2レースともを制し(今季11勝目)、ポイントランキングでは2位との差を74点に広げました。
イブジェニー・バブリシェフ(左)、ティム・ガイザー(右)
レース1では、スタートで5番手につけ、1周目に4番手に浮上。そこからも先行するライバルをかわしていき、やがて6秒先を走るバブリシェフに照準を定めました。そして、ファステストラップを塗り替えながら迫ると、バブリシェフを抜き去り、この日の1勝目を挙げました。
ガイザーはレース2でも、スタート4番手から猛然と集団を切り裂きました。この日、午前は好天に恵まれていましたが、そこから雨になり、一気に天候が悪化。気温も急激に下がりましたが、いずれもガイザーを止める要素にはなりませんでした。マキシミリアン・ナグル(ハスクバーナ)を追う過程で、またしてもファステストラップを叩き出し、レース中盤でトップに立つと、そのまま勝利しました。
ティム・ガイザー、Team HRC
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 17 | 35'27.708 | |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +05.864 |
3 | 92 | V.ギロド | ヤマハ | 17 | +09.678 |
4 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 17 | +15.214 | |
5 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | 17 | +17.550 | |
6 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 17 | +20.714 |
18 | 221 | プリット・ラトセップ | 17 | +1'36.269 | |
23 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 17 | +1'53.017 | |
24 | 37 | ゲート・クレスティノフ | 17 | +1'55.437 | |
- | 71 | デイモン・グラウルス | 0 | DNS |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 16 | 34'12.109 | |
2 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 16 | +09.095 |
3 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | 16 | +18.031 | |
4 | 25 | C.デサール | カワサキ | 16 | +25.931 |
5 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 16 | +42.948 | |
6 | 911 | J.ティクシー | カワサキ | 16 | +1'00.390 |
13 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 16 | +1'38.634 | |
20 | 221 | プリット・ラトセップ | 16 | +2'10.637 | |
24 | 37 | ゲート・クレスティノフ | 10 | +6Laps | |
- | 71 | デイモン・グラウルス | 0 | DNS |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 35'46.252 |
2 | 4 | D.フェランディス | カワサキ | 17 | +21.065 |
3 | 91 | J.シーワー | スズキ | 17 | +22.499 |
4 | 41 | P.ヨナス | KTM | 17 | +23.118 |
5 | 426 | C.ミューズ | ハスクバーナ | 17 | +43.709 |
6 | 64 | T.コビントン | ハスクバーナ | 17 | +48.849 |
17 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 17 | +1'55.462 | |
20 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 17 | +2'00.288 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 35'55.411 |
2 | 4 | D.フェランディス | カワサキ | 17 | +22.944 |
3 | 41 | P.ヨナス | KTM | 17 | +27.051 |
4 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 17 | +34.536 |
5 | 91 | J.シーワー | スズキ | 17 | +39.396 |
6 | 59 | A.トンコフ | ヤマハ | 17 | +50.794 |
8 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 17 | +1'26.051 | |
32 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 2 | +15Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | ティム・ガイザー | 482 | |
- | 2 | R.フェーヴル | ヤマハ | 408 |
- | 3 | A.カイローリ | KTM | 405 |
- | 4 | M.ナグル | ハスクバーナ | 378 |
- | 5 | イブジェニー・バブリシェフ | 367 | |
- | 6 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 321 |
▲ | 16 | ゴーティエ・ポーリン | 123 | |
▼ | 20 | アレッサンドロ・ルピーノ | 76 | |
- | 22 | スティーヴン・ルノワ | 38 | |
- | 23 | 山本鯨 | 34 | |
▼ | 31 | ゲート・クレスティノフ | 8 | |
▼ | 33 | デイモン・グラウルス | 7 | |
▼ | 39 | ヴァレンティン・テイレット | 5 | |
- | 40 | プリット・ラトセップ | 4 | |
▼ | 47 | ニコラス・カレンツァ | 1 | |
▼ | 51 | タンナラ・ペンジャン | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | 490 | |
- | 2 | ヤマハ | 452 |
- | 3 | KTM | 415 |
- | 4 | ハスクバーナ | 389 |
- | 5 | カワサキ | 270 |
- | 6 | スズキ | 242 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | J.ハーリングス | KTM | 547 |
- | 2 | J.シーワー | スズキ | 399 |
- | 3 | P.ヨナス | KTM | 370 |
▲ | 4 | A.トンコフ | ヤマハ | 298 |
▼ | 5 | B.パテュレル | ヤマハ | 293 |
▲ | 6 | D.フェランディス | カワサキ | 273 |
- | 15 | ホルヘ・ザラゴザ | 122 | |
▼ | 18 | ミケーレ・セルベリン | 85 | |
- | 19 | ヘンリー・ヤコービ | 68 | |
▼ | 21 | ダヴィド・エーブルトゥ | 54 | |
▼ | 25 | デイモン・グラウルス | 43 | |
▼ | 31 | ギウセッペ・トロペペ | 21 | |
▼ | 43 | ハビエル・バスケス | 5 | |
▼ | 48 | イグニアシオ・トーヤ | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | KTM | 547 |
▲ | 2 | カワサキ | 400 |
▼ | 3 | スズキ | 399 |
- | 4 | ヤマハ | 384 |
- | 5 | ハスクバーナ | 330 |
- | 6 | TM | 244 |
- | 7 | 208 |
ゴーティエ・ポーリン(MXGP 5位/3位 総合3位)
「決勝前日の転倒の影響で欠場となったフランスGPの直後のため、このようにカムバックできて特にうれしいです。昨日はちょっともがき苦しんでいて、自分らしいことが全然できませんでした。それでも、チームスタッフががんばってくれたおかげで、強くなってカムバックできました。予選レースは本当にひどかったです。でも昨日は昨日。今日はずっと快調でした。レース1はまあまあで、レース2はとてもよかったです。ホセ・ブトロン(KTM)を攻略するのに手間取り、時間をかけすぎました。その際にゴーグルのロールオフを使いすぎました。それでも、総合3位の表彰台に戻って来られてうれしいです」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 4位/5位 総合4位)
「率直に言うと、今日は表彰台に上がれたはずなので、総合4位という結果に満足しているとは言えません。昨日から気分がよく、コース上でもすべてが順調でした。レース1ではスタートからトップに立つことができ、しかもすごく乗れていました。そこからちょっとした問題があり、ティム(ガイザー)を追いかけていたときにジャンプを飛びすぎ、コースアウトしてしまいました。ペースがよかったですし、ポディウムは確実だと思っていましたが、実現はしませんでした」
ティム・ガイザー(MXGP 優勝/優勝 総合優勝)
「また優勝できてすごくうれしいです。すばらしい気分です。このコースは以前からとても好きで、走っていてとても楽しかったです。レース2は、雨のせいで乱れて完ぺきではありませんでした。路面がとても滑りやすくなり、視界も悪かったです。それでも、今日は自分の走りを楽しめました。ウィップやスクラブ(空中でマシンを寝かせたりするアクション)をたくさん決めました。以前のレースでは、序盤から攻めすぎてつまらないミスをしていましたが、今大会のようにクレバーなレース運びで2レースとも勝ち、総合優勝できたことがうれしいです」