2016.08.07 モトクロス世界選手権 第15戦 スイス スイス

[MXGP] ポーリンがレース1で2位、ガイザーがレース2で優勝を果たす

[MX2] セルベリンとヤコービが両レースでポイント獲得。能塚は23位/21位

MXGP レポート

Team HRCのゴーティエ・ポーリンは、フラウエンフェルトで開催された第15戦スイス大会で健闘。表彰台にあと一歩まで迫る成績で終えました。

ゴーティエ・ポーリン(左)、ティム・ガイザー(右)ゴーティエ・ポーリン(左)、ティム・ガイザー(右)

ティム・ガイザー(右)ティム・ガイザー(右)

Team HRCに所属する2人のライダーにとって、今大会は片方のレースで好結果を残しながら、もう一方で苦戦を強いられるという、それぞれが一喜一憂する大会となりました。レース1でポーリンは2位に入り、表彰台への手応えを得ましたが、チームメートのイブジェニー・バブリシェフは転倒で12位に甘んじました。

続くレース2で、バブリシェフが4位となりましたが、ポーリンは16番手から追い上げる展開に。ほかにも不運に見舞われたライダーがいたこともあり、ポーリンは7位以上になれば、ポディウムに立てるはずでしたが、残念ながら転倒を喫して11位でフィニッシュ。わずか4ポイントの差で登壇のチャンスを逃しました。

一方、Team Honda Gariboldi Racingのティム・ガイザーは、ハラハラする2レースの末、ポディウムに登壇しました。

ティム・ガイザー(左)ティム・ガイザー(左)

ゴーティエ・ポーリンゴーティエ・ポーリン

この日のガイザーは、とても力強く見えました。前日に披露したペースに裏付けられてた速さで、朝のウォームアップセッションでは2番手。レース1では、アントニオ・カイローリ(KTM)と1-2で1コーナーを立ち上がりました。残念なことに、ガイザーはオープニングラップの途中で、散在していた穴の一つにはまり、ハンドルバーを飛び越す形でクラッシュ。集団の先頭で倒れたにもかかわらず、幸いにもだれにも轢かれることなく、30番手で再スタートを切りました。集中力を切らさないようにばん回し始めたガイザーは、パッシングを困難にする深いわだちをものともせず、1周目を22番手でクリア。その後もハイペースを取り戻したガイザーは、9位でチェッカーフラッグを受け、9ポイントを獲得しました。

レース2でもいつもの展開となり、ガイザーがホールショットを奪取。コーナーの出口で大きくはらんだイン側を、カイローリに突かれますが、あとを追い、再びトップに躍り出ました。その後、カイローリやロマン・フェーブル(ヤマハ)の猛追を受けつつも、ガイザーは勢いを失わずに今季15勝目となる勝利を挙げました。

ゴーティエ・ポーリンゴーティエ・ポーリン

ゴーティエ・ポーリンゴーティエ・ポーリン

2週間後の第16戦オランダ大会は、今シーズンにおけるヨーロッパでの最後の大会。ガイザーは現在、ランキング2位のカイローリに99ポイントの差をつけており、残りは3戦。アッセンで行われる第16戦を終えた時点で、同選手に対するリードを100ポイントにすることができれば、彼にとって初めての、シリーズタイトルが確定します。

イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ

イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ

MXGP コメント

ティム・ガイザー(MXGP 9位/優勝 総合2位)
「レース1では好スタートを切り、カイローリ選手やポーリン選手を抜こうとしたところ、わだちでフロントを引っかけて転倒してしまいました。次々と後続が来たため、マシンを起こすことができず、ほとんど全員に抜かれてしまいました。エンジンが止まっていなかったことが不幸中の幸いで、走り出してからは思いきりプッシュしました。長いわだちが続くこのコースでは、追い抜くのがとても難しかったです。スピードがあったことは確かで、9位という結果には満足できません。レース2は、レース1よりもいいスタートで、ホールショットが取れました。ただし、アウト側に行きすぎたため、カイローリ選手に抜かれてしまいました。僕が抜き返したあとも、カイローリ選手は激しくプッシュしてきましたし、フェーブル選手も同様でした。ですので、トップ争いはいいレースになったと思います。レース1で手痛いミスがあっただけに、表彰台に立てたことはうれしかったです。3戦を残して大量リードを維持している今、特に変わったことをするつもりはありません。今シーズンのやり方を続けるだけです。とはいえ、チャンピオンを意識するようになってきました」

ゴーティエ・ポーリン(MXGP 2位/11位 総合4位)
「レース1では大きな自信を持ってホールショットを取れましたが、少し膨らんだすきを突かれ、(アントニオ)カイローリ選手に先行を許しました。その後は(ロマン)フェーブル選手を相手に接戦となりました。僕がミスをしたすきに抜かれたのですが、彼がミスをした際に抜き返し、2位になれたのでよかったです。レース2では、1コーナーのインを突くことができませんでした。なぜなら、コースの中ほどから先がウエットで、深くなっていたので、スピードを乗せられなかったからです。はるか後方に遅れてしまいましたが、必死に追い上げて、一時は7番手までばん回しました。その位置をキープできれば今日のポディウムに上がれる可能性がありましたが、わだちで(ジョルディ)ティクシー選手(カワサキ)と接触して転倒した際に、ポジションを下げてしまいました。あの転倒がなければ表彰台に立てたと思うと、残念でなりません。ポディウムに立てるペースは発揮できていたと思います」

イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 12位/4位 総合9位)
「今週末はとてもきつかったです。金曜日に初めてコースを見たときは、自分のスタイルに合っていると思い、とても好印象でした。実際はレースの進行とともにわだちが増え、どんどん深くなったために、自分の好みからはかけ離れたものになっていきました。いったんわだちに入ると、ラインを変えることが難しいため、だれかの後ろについてしまうと、タイムを詰めたり抜いたりできませんでした。レース1で、5番手にいながら転倒したあとにばん回できなかったのは、そういう理由があってのことです。レース2の方はまだいくらかよかった。ほとんど5番手を走行していましたが、最後にカイローリ選手がミスをしたので4位になれました。そのため、レース2のあとはいくらかハッピーでした。もちろん、もっと上位をゲットできたはずですが。3週連続のグランプリを終えた今、少しインターバルがあるので、シリーズ最後の3戦に向けて、再度充電したいです」

MX2 コメント

能塚智寛(MX2 23位/21位 総合23位)
「今日のレースはとても難しかったです。前日とはコースコンディションが変わり、自分にとってはまたしても初めての状況でしたが、勉強になったことも事実です。目標に設定していたシリーズポイントの獲得は果たせませんでしたが、トップ20内を走行することはできました。今週末はとてもいい経験ができました。これほどレベルの高いGPライダーたちと一緒に走ることができ、いろいろと見せてもらいました。参戦機会を与えてくれた、HondaとHRC、Gariboldiに対して、感謝の意を表したいです」

MXGP リザルト
MXGP(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1222A.カイローリKTM1835'08.501
221ゴーティエ・ポーリンHonda18+07.545
325C.デサールカワサキ18+10.443
489J.バン・ホービークヤマハ18+12.257
592V.ギロドヤマハ18+19.403
6911J.ティクシーカワサキ18+23.488
 
9243ティム・ガイザーHonda18+31.260
12777イブジェニー・バブリシェフHonda18+33.775
1577アレッサンドロ・ルピーノHonda18+1'08.285
1771デイモン・グラウルスHonda18+1'11.209
2139 ダヴィデ・ガルネリ Honda18+1'40.248
31166アラン・シェーファーHonda17+1Lap
3837ゲート・クレスティノフHonda5+13Laps
MXGP(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1243ティム・ガイザーHonda1834'24.265
2461R.フェーヴルヤマハ18+11.791
3259G.コルデンホフKTM18+20.333
4777イブジェニー・バブリシェフHonda18+22.574
5222A.カイローリKTM18+23.071
6100T.サールカワサキ18+24.626
 
1121ゴーティエ・ポーリンHonda18+56.665
1477アレッサンドロ・ルピーノHonda18+1'13.900
2071デイモン・グラウルスHonda18+1'48.200
32166アラン・シェーファーHonda17+1Lap
3639ダヴィデ・ガルネリHonda10+8Laps
MX2 リザルト
MX2(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
199M.アンスティハスクバーナ1835'18.680
291J.シーワースズキ18+10.590
36B.パテュレルヤマハ18+32.037
4321S.ベルナルディーニTM18+47.010
5776P.ラウヘンエッカーハスクバーナ18+54.752
610C.ブラーンデレンKTM18+57.350
 
14747ミケーレ・セルベリンHonda18+1'28.036
1729ヘンリー・ヤコービHonda18+1'31.623
23 281能塚智寛Honda 17+1Lap
25223ギウセッペ・トロペペHonda17+1Lap
MX2(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
199M.アンスティハスクバーナ1834'19.959
291J.シーワースズキ18+01.470
36B.パテュレルヤマハ18+43.141
4189B.ボジャースKTM18+47.204
510C.ブラーンデレンKTM18+58.480
6321S.ベルナルディーニTM18+1'11.612
 
9747ミケーレ・セルベリンHonda18+1'21.132
1629ヘンリー・ヤコービHonda18+1'51.002
20223ギウセッペ・トロペペHonda17+1Lap
21 281 能塚智寛Honda17+1Lap
MXGP ポイントスタンディング
ライダー
順位 ライダー マシン 総合ポイント
-1ティム・ガイザーHonda644
-2A.カイローリKTM545
-3M.ナグルハスクバーナ509
-4R.フェーヴルヤマハ499
-5イブジェニー・バブリシェフHonda472
-6J.バン・ホービークヤマハ446
 
13ゴーティエ・ポーリンHonda225
-20アレッサンドロ・ルピーノHonda103
24スティーヴン・ルノワHonda38
-25山本鯨Honda34
30ゲート・クレスティノフHonda13
31デイモン・グラウルスHonda12
33プリット・ラトセップHonda11
-41ヴァレンティン・テイレットHonda5
49ニコラス・カレンツァHonda1
53タンナラ・ペンジャンHonda1

ランキング詳細

マニュファクチャラー
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
-1Honda667
-2ヤマハ596
-3KTM567
-4ハスクバーナ524
-5カワサキ409
-6スズキ317

ランキング詳細

MX2 ポイントスタンディング
ライダー
順位 ライダー マシン 総合ポイント
-1J.ハーリングスKTM597
-2J.シーワースズキ554
3B.パテュレルヤマハ433
4M.アンスティハスクバーナ416
5P.ヨナスKTM403
6D.フェランディスカワサキ378
 
16ミケーレ・セルベリンHonda159
18ホルヘ・ザラゴザHonda126
-23ヘンリー・ヤコービHonda90
25ダヴィド・エーブルトゥHonda54
27デイモン・グラウルスHonda43
34ギウセッペ・トロペペHonda25
48ハビエル・バスケスHonda5
54イグニアシオ・トーヤHonda2

ランキング詳細

マニュファクチャラー
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
-1KTM693
2スズキ554
3カワサキ548
-4ヤマハ524
-5ハスクバーナ506
-6TM327
-7Honda283

ランキング詳細

MXGP

ゴーティエ・ポーリン(左)、ティム・ガイザー(右)

ティム・ガイザー(右)

ティム・ガイザー(左)

ゴーティエ・ポーリン

ゴーティエ・ポーリン

ゴーティエ・ポーリン

イブジェニー・バブリシェフ

イブジェニー・バブリシェフ