Team HRCのゴーティエ・ポーリンは、フラウエンフェルトで開催された第15戦スイス大会で健闘。表彰台にあと一歩まで迫る成績で終えました。
ゴーティエ・ポーリン(左)、ティム・ガイザー(右)
ティム・ガイザー(右)
Team HRCに所属する2人のライダーにとって、今大会は片方のレースで好結果を残しながら、もう一方で苦戦を強いられるという、それぞれが一喜一憂する大会となりました。レース1でポーリンは2位に入り、表彰台への手応えを得ましたが、チームメートのイブジェニー・バブリシェフは転倒で12位に甘んじました。
続くレース2で、バブリシェフが4位となりましたが、ポーリンは16番手から追い上げる展開に。ほかにも不運に見舞われたライダーがいたこともあり、ポーリンは7位以上になれば、ポディウムに立てるはずでしたが、残念ながら転倒を喫して11位でフィニッシュ。わずか4ポイントの差で登壇のチャンスを逃しました。
一方、Team Honda Gariboldi Racingのティム・ガイザーは、ハラハラする2レースの末、ポディウムに登壇しました。
ティム・ガイザー(左)
ゴーティエ・ポーリン
この日のガイザーは、とても力強く見えました。前日に披露したペースに裏付けられてた速さで、朝のウォームアップセッションでは2番手。レース1では、アントニオ・カイローリ(KTM)と1-2で1コーナーを立ち上がりました。残念なことに、ガイザーはオープニングラップの途中で、散在していた穴の一つにはまり、ハンドルバーを飛び越す形でクラッシュ。集団の先頭で倒れたにもかかわらず、幸いにもだれにも轢かれることなく、30番手で再スタートを切りました。集中力を切らさないようにばん回し始めたガイザーは、パッシングを困難にする深いわだちをものともせず、1周目を22番手でクリア。その後もハイペースを取り戻したガイザーは、9位でチェッカーフラッグを受け、9ポイントを獲得しました。
レース2でもいつもの展開となり、ガイザーがホールショットを奪取。コーナーの出口で大きくはらんだイン側を、カイローリに突かれますが、あとを追い、再びトップに躍り出ました。その後、カイローリやロマン・フェーブル(ヤマハ)の猛追を受けつつも、ガイザーは勢いを失わずに今季15勝目となる勝利を挙げました。
ゴーティエ・ポーリン
ゴーティエ・ポーリン
2週間後の第16戦オランダ大会は、今シーズンにおけるヨーロッパでの最後の大会。ガイザーは現在、ランキング2位のカイローリに99ポイントの差をつけており、残りは3戦。アッセンで行われる第16戦を終えた時点で、同選手に対するリードを100ポイントにすることができれば、彼にとって初めての、シリーズタイトルが確定します。
イブジェニー・バブリシェフ
イブジェニー・バブリシェフ
能塚智寛(MX2 23位/21位 総合23位)
「今日のレースはとても難しかったです。前日とはコースコンディションが変わり、自分にとってはまたしても初めての状況でしたが、勉強になったことも事実です。目標に設定していたシリーズポイントの獲得は果たせませんでしたが、トップ20内を走行することはできました。今週末はとてもいい経験ができました。これほどレベルの高いGPライダーたちと一緒に走ることができ、いろいろと見せてもらいました。参戦機会を与えてくれた、HondaとHRC、Gariboldiに対して、感謝の意を表したいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 18 | 35'08.501 |
2 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | 18 | +07.545 | |
3 | 25 | C.デサール | カワサキ | 18 | +10.443 |
4 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 18 | +12.257 |
5 | 92 | V.ギロド | ヤマハ | 18 | +19.403 |
6 | 911 | J.ティクシー | カワサキ | 18 | +23.488 |
9 | 243 | ティム・ガイザー | 18 | +31.260 | |
12 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 18 | +33.775 | |
15 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 18 | +1'08.285 | |
17 | 71 | デイモン・グラウルス | 18 | +1'11.209 | |
21 | 39 | ダヴィデ・ガルネリ | 18 | +1'40.248 | |
31 | 166 | アラン・シェーファー | 17 | +1Lap | |
38 | 37 | ゲート・クレスティノフ | 5 | +13Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 18 | 34'24.265 | |
2 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 18 | +11.791 |
3 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 18 | +20.333 |
4 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 18 | +22.574 | |
5 | 222 | A.カイローリ | KTM | 18 | +23.071 |
6 | 100 | T.サール | カワサキ | 18 | +24.626 |
11 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | 18 | +56.665 | |
14 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 18 | +1'13.900 | |
20 | 71 | デイモン・グラウルス | 18 | +1'48.200 | |
32 | 166 | アラン・シェーファー | 17 | +1Lap | |
36 | 39 | ダヴィデ・ガルネリ | 10 | +8Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 18 | 35'18.680 |
2 | 91 | J.シーワー | スズキ | 18 | +10.590 |
3 | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 18 | +32.037 |
4 | 321 | S.ベルナルディーニ | TM | 18 | +47.010 |
5 | 776 | P.ラウヘンエッカー | ハスクバーナ | 18 | +54.752 |
6 | 10 | C.ブラーンデレン | KTM | 18 | +57.350 |
14 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 18 | +1'28.036 | |
17 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 18 | +1'31.623 | |
23 | 281 | 能塚智寛 | 17 | +1Lap | |
25 | 223 | ギウセッペ・トロペペ | 17 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 18 | 34'19.959 |
2 | 91 | J.シーワー | スズキ | 18 | +01.470 |
3 | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 18 | +43.141 |
4 | 189 | B.ボジャース | KTM | 18 | +47.204 |
5 | 10 | C.ブラーンデレン | KTM | 18 | +58.480 |
6 | 321 | S.ベルナルディーニ | TM | 18 | +1'11.612 |
9 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 18 | +1'21.132 | |
16 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 18 | +1'51.002 | |
20 | 223 | ギウセッペ・トロペペ | 17 | +1Lap | |
21 | 281 | 能塚智寛 | 17 | +1Lap |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | ティム・ガイザー | 644 | |
- | 2 | A.カイローリ | KTM | 545 |
- | 3 | M.ナグル | ハスクバーナ | 509 |
- | 4 | R.フェーヴル | ヤマハ | 499 |
- | 5 | イブジェニー・バブリシェフ | 472 | |
- | 6 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 446 |
▲ | 13 | ゴーティエ・ポーリン | 225 | |
- | 20 | アレッサンドロ・ルピーノ | 103 | |
▼ | 24 | スティーヴン・ルノワ | 38 | |
- | 25 | 山本鯨 | 34 | |
▲ | 30 | ゲート・クレスティノフ | 13 | |
▲ | 31 | デイモン・グラウルス | 12 | |
▼ | 33 | プリット・ラトセップ | 11 | |
- | 41 | ヴァレンティン・テイレット | 5 | |
▼ | 49 | ニコラス・カレンツァ | 1 | |
▼ | 53 | タンナラ・ペンジャン | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | 667 | |
- | 2 | ヤマハ | 596 |
- | 3 | KTM | 567 |
- | 4 | ハスクバーナ | 524 |
- | 5 | カワサキ | 409 |
- | 6 | スズキ | 317 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | J.ハーリングス | KTM | 597 |
- | 2 | J.シーワー | スズキ | 554 |
▲ | 3 | B.パテュレル | ヤマハ | 433 |
▲ | 4 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 416 |
▼ | 5 | P.ヨナス | KTM | 403 |
▼ | 6 | D.フェランディス | カワサキ | 378 |
▲ | 16 | ミケーレ・セルベリン | 159 | |
▼ | 18 | ホルヘ・ザラゴザ | 126 | |
- | 23 | ヘンリー・ヤコービ | 90 | |
▼ | 25 | ダヴィド・エーブルトゥ | 54 | |
▼ | 27 | デイモン・グラウルス | 43 | |
▼ | 34 | ギウセッペ・トロペペ | 25 | |
▼ | 48 | ハビエル・バスケス | 5 | |
▼ | 54 | イグニアシオ・トーヤ | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | KTM | 693 |
▲ | 2 | スズキ | 554 |
▼ | 3 | カワサキ | 548 |
- | 4 | ヤマハ | 524 |
- | 5 | ハスクバーナ | 506 |
- | 6 | TM | 327 |
- | 7 | 283 |
ティム・ガイザー(MXGP 9位/優勝 総合2位)
「レース1では好スタートを切り、カイローリ選手やポーリン選手を抜こうとしたところ、わだちでフロントを引っかけて転倒してしまいました。次々と後続が来たため、マシンを起こすことができず、ほとんど全員に抜かれてしまいました。エンジンが止まっていなかったことが不幸中の幸いで、走り出してからは思いきりプッシュしました。長いわだちが続くこのコースでは、追い抜くのがとても難しかったです。スピードがあったことは確かで、9位という結果には満足できません。レース2は、レース1よりもいいスタートで、ホールショットが取れました。ただし、アウト側に行きすぎたため、カイローリ選手に抜かれてしまいました。僕が抜き返したあとも、カイローリ選手は激しくプッシュしてきましたし、フェーブル選手も同様でした。ですので、トップ争いはいいレースになったと思います。レース1で手痛いミスがあっただけに、表彰台に立てたことはうれしかったです。3戦を残して大量リードを維持している今、特に変わったことをするつもりはありません。今シーズンのやり方を続けるだけです。とはいえ、チャンピオンを意識するようになってきました」
ゴーティエ・ポーリン(MXGP 2位/11位 総合4位)
「レース1では大きな自信を持ってホールショットを取れましたが、少し膨らんだすきを突かれ、(アントニオ)カイローリ選手に先行を許しました。その後は(ロマン)フェーブル選手を相手に接戦となりました。僕がミスをしたすきに抜かれたのですが、彼がミスをした際に抜き返し、2位になれたのでよかったです。レース2では、1コーナーのインを突くことができませんでした。なぜなら、コースの中ほどから先がウエットで、深くなっていたので、スピードを乗せられなかったからです。はるか後方に遅れてしまいましたが、必死に追い上げて、一時は7番手までばん回しました。その位置をキープできれば今日のポディウムに上がれる可能性がありましたが、わだちで(ジョルディ)ティクシー選手(カワサキ)と接触して転倒した際に、ポジションを下げてしまいました。あの転倒がなければ表彰台に立てたと思うと、残念でなりません。ポディウムに立てるペースは発揮できていたと思います」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 12位/4位 総合9位)
「今週末はとてもきつかったです。金曜日に初めてコースを見たときは、自分のスタイルに合っていると思い、とても好印象でした。実際はレースの進行とともにわだちが増え、どんどん深くなったために、自分の好みからはかけ離れたものになっていきました。いったんわだちに入ると、ラインを変えることが難しいため、だれかの後ろについてしまうと、タイムを詰めたり抜いたりできませんでした。レース1で、5番手にいながら転倒したあとにばん回できなかったのは、そういう理由があってのことです。レース2の方はまだいくらかよかった。ほとんど5番手を走行していましたが、最後にカイローリ選手がミスをしたので4位になれました。そのため、レース2のあとはいくらかハッピーでした。もちろん、もっと上位をゲットできたはずですが。3週連続のグランプリを終えた今、少しインターバルがあるので、シリーズ最後の3戦に向けて、再度充電したいです」