2017年シーズンのMoto3クラスは、HondaのNSF250RWを駆るエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)がランキング2位、ホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)がランキング3位でシーズンを終えました。

シーズン前半戦で好調な走りをみせたのは、フル参戦2年目となったナバロでした。第2戦アルゼンチンGPで2位表彰台を獲得すると、第3戦アメリカズGPでも2位に。第5戦では3位となり、シーズン3度目の表彰台を獲得しました。昨シーズンは表彰台の獲得が4回だったナバロ。2016年シーズンは、この時点で前年の獲得数まであと一つという好調ぶりでした。

そうして迎えた母国大会の第7戦カタルニアGPで、ナバロは前年に並ぶ4度目の表彰台に登壇。しかも、キャリア初優勝という最高のかたちでの登壇となりました。フロントローとなる3番グリッドから決勝に臨んだナバロは、中盤はトップグループで5番手を走り、ラスト3周でトップに浮上すると、そのままチェッカーを受けました。

そこから、さらに飛躍するかと思われたナバロですが、第8戦オランダGPに向けたトレーニングの最中に転倒し、左脚のけい骨とひ骨を骨折。第9戦ドイツGPで復帰しますが、そこからしばらく表彰台から遠ざかります。それでも、第14戦アラゴンGPで今季2度目の優勝を果たすなどし、ランキング3位という、昨年を上回る結果を残しました。

一方、シーズン後半で存在感を発揮したのは、前年3位のバスティアニーニでした。第7戦カタルニアGPで3位に入り、今季初の表彰台を獲得すると、第9戦ドイツGPと第10戦オーストリアGPでも3位に。その後も着実にポイントを重ね、第13戦サンマリノGPで2位、第14戦アラゴンGPで3位、そして、第15戦日本GPで優勝を果たしました。最終戦バレンシアGPでは惜しくも4位入賞にとどまりましたが、ナバロ同様、前年を上回るランキング2位でシーズンを終えました。

また、今シーズンのサプライズと言えるのが、ルーキーのカイルール・イダム・パウィ(Honda Team Asia)が2勝を挙げたことです。参戦初年度ということで、多くの人にとってノーマークの存在だったパウィですが、第2戦アルゼンチンGPで初優勝を果たすと、第9戦ドイツGPで2勝目をマーク。入賞できなかったレースも多く、ランキング19位にとどまりましたが、今後の活躍が期待できる結果となりました。そのパウィは来シーズン、Moto2クラスにステップアップ。日本人ライダーの中上貴晶が所属するIDEMITSU Honda Team Asiaで、新たな挑戦を開始します。