7月26日(日)に三重県・鈴鹿サーキットにて決勝レースが行われる『2009 QTEL FIM 世界耐久選手権シリーズ第4戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)』が、7月23日(木)に鈴鹿サーキットで開幕し、25日(土)にトップ10トライアル(最終予選)が行われた。#1 F.C.C. TSR Hondaの秋吉耕佑/伊藤真一/手島雄介組がポールポジションを獲得、#634 MuSASHi RT HARC-PRO.の安田毅史/山口辰也/小西良輝組は2番手につけ、Honda勢が1-2番グリッドから決勝に挑む。
午前中の鈴鹿4耐決勝レース中は曇っていたものの、徐々に日が差してきて真夏を感じさせる天候となった。しかし、午後の鈴鹿8耐フリー走行の前に雨が降り始めて、時折り強い雨も混じる荒れた天候となったが、トップ10トライアルの前には雨が上がる変化の多い天候となった。
トップ10トライアル開始後、路面は急速に乾いていったが、部分的に濡れているウエットパッチも残り、水しぶきの上がるシーンやバランスを崩すシーンも見受けられ、気迫あふれるライディングに目の離せない展開となった。
ポールポジションは、6月に行われた鈴鹿300kmで優勝した#1 F.C.C. TSR Hondaが獲得、秋吉が最速タイムの2分7秒692を記録して、ポテンシャルの高さを発揮した。続いて、#634 MuSASHi RT HARC-PRO.の山口が、こん身の走りで2分8秒130を記録して2位を獲得。Honda陣営が1-2番グリッドを獲得した。
3番手には2分8秒566を記録した#12 ヨシムラスズキwith JOMO(酒井大作&徳留和樹&青木宣篤組)の徳留が入った。また、4番手に#2 Honda DREAM RT 桜井ホンダ(高橋巧/亀谷長純組)、5番手に#73 TEAM PLUS ONE & TSR(岩田悟/須貝義行/渡辺一馬組)、8番手に#99 テルル・ハニービーレーシング(野田弘樹/関口太郎組)と、10位以内に5台のHonda勢が占め、明日の決勝に臨む。
鈴鹿8耐の決勝レースは、26日(日)の11:30にスタートする。
順位 | No. | チーム/ライダー | マシン | タイム |
1 | 1 | F.C.C. TSR Honda 秋吉耕佑&伊藤真一 | Honda | 2:07.692 |
2 | 634 | MuSASHi RT HARC-PRO. 安田毅史&山口辰也 | Honda | 2:08.130 |
3 | 12 | ヨシムラスズキwithJOMO 徳留和樹&酒井大作 | スズキ | 2:08.566 |
4 | 2 | Honda DREAM RT 桜井ホンダ 高橋巧&亀谷長純 | Honda | 2:10.998 |
5 | 73 | TEAM PLUS ONE & TSR 須貝義行&岩田悟 | Honda | 2:11.169 |
6 | 5 | TRICK☆STAR RACING 武石伸也&井筒仁康 | カワサキ | 2:11.319 |
7 | 48 | PLOT FARO PANTHERA 寺本幸司&出口修 | スズキ | 2:11.375 |
8 | 99 | テルル・ハニービーレーシング 関口太郎&野田弘樹 | Honda | 2:11.897 |
9 | 32 | Moto Map SUPPLY 鈴木大五郎&今野由寛 | スズキ | 2:13.892 |
10 | 77 | TeamMIIR・橋本組・櫻花 金山和弘&浜口俊之 | スズキ | 2:14.290 |
秋吉耕佑(ポールポジション) |#1 F.C.C. TSR Honda
「トップ10トライアルが始まる前に雨が降り、ウエットコンディションでスタートしたが、僕が走るときにはコンディションが回復し、路面の濡れた部分も少なく一番いいときに走ることができました。今日はマシンとタイヤの状態を考え、後ろに荷重が掛かるようなライディングで走行しました。当初は、自己ベストから1秒上回る予定でしたが、この状況下ではいい結果になったと思います。明日は、今日の予選と違い長丁場のレースとなるので、燃費を考慮し、調整しながら走らなくてはなりません。また、雨が降ればサバイバルレースになります。オイルの跡が雨によって確認しにくくなるので、注意が必要です。周回数も重要ですが、明日は一周一周のコーナーを確実に走り、次のライダーにバトンタッチしたいと思います」
伊藤真一(ポールポジション) |#1 F.C.C. TSR Honda
「今日は、秋吉さんのライン取りで走行したかったのですが、なかなか難しかったです。ただ、今日はトップ10トライアルのスタート直前までマシンのセッティングをしており、その中で3番手というタイムには満足しています。まだ明日の決勝までに課題は残りますが、最善を尽くし、レースに挑みたいと思います。個人的に、鈴鹿8耐の参戦回数は多いので、その豊富な経験を生かして明日は秋吉さんとともに優勝に向けて戦います」
藤井正和 |#1 F.C.C. TSR Honda 監督
「今日は、ハードな一日でした。路面コンディションが安定しない中で、あのスピードでライダーたちは走り、戦わなくてはなりません。正直、何が起こるか分からないような状況下で、あのようなすばらしい結果を残し、ライダーはよくやってくれました。タイムアタックが終わって無事に帰ってきたときには、ほっとしたし、うれしかったです。明日は、長時間での戦いとなりますが、チームとしてはライダーがベストな状態で走れるよう準備を整え、優勝を目指して戦っていきます」
山口辰也(2番手) │#634 MuSASHi RT HARC-PRO.
「安田さんのタイムアタックでのアグレッシブな走りで、マシンに多少ダメージがありましたが、明日までにはセッティングを煮詰めてレースに挑みます。今日は、7秒台に入れる予定でしたが、初めての予選タイヤで、1コーナーから積極的に攻めることができませんでした。明日は、序盤でトップグループに入り、可能な限りトップで走り、レースをリードしていきたいです。ミスの無いよう確実に走りながら次のライダーにマシンを託したいです」
安田毅史(2番手) │#634 MuSASHi RT HARC-PRO.
「今日のトップ10トライアルのタイムアタックで、ダンロップコーナーまでは順調でしたが、一時リズムを崩し、コントロールラインまではより速く走ろうとスロットルを開けました。中盤は勢いがありすぎて、バランスを崩すところもありましたが、ミスがあった中であのタイムを出せたことには自分でも正直驚いています。明日は、耐久レースながらスプリントの要素もあるので、それに合った走りでレースを慎重に進めていきたいと思います」
小西良輝(2番手) │#634 MuSASHi RT HARC-PRO.
「今日はトップ10トライアルに出走しませんでしたが、明日はいよいよ本番です。その中で、2人をサポートしながら、自分のパートでは転倒のないよう、確実に周回を重ねていきます。明日もファンの皆さんの応援に応えられるよう、チーム全体でがんばります。応援よろしくお願いします」
亀谷長純(4番手) │#2 Honda DREAM RT 桜井ホンダ
「4位という結果は自分としては不本意です。コースコンディションがウエットからドライに変わる微妙な状況下でのアタックでタイヤの選択が難しく、判断を誤りました。もっと上位を狙えたと思います。右腕の腫れは日に日に回復しており、力を入れても痛まなくなってきました。万全な体調で本番に臨むことができそうです。明日のレースでは天候の変化、コースコンディションの変化にうまく対応しながら優勝を目指したいと思います」
高橋巧(4番手) │#2 Honda DREAM RT 桜井ホンダ
「トップ10トライアルはハーフウエットのコンディションでした。まだまだ1000ccクラスの経験が浅いこともあり、このコースコンディションでどこまで攻めてよいのか分からず、戸惑いながらのタイムアタックとなりました。もちろん納得できる走りではなく、このタイムにもまったく満足していませんので、明日の決勝レース中に経験を積んで、どんどんタイムを上げていきたいと思います。雨が心配ですが、表彰台を目指してがんばります」