7月26日(日)に三重県・鈴鹿サーキットにて決勝レースが行われる『2009 QTEL FIM 世界耐久選手権シリーズ第4戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)』が23日(木)に開幕し、24日(金)に計時予選が行われた。総合では#1 F.C.C. TSR Hondaの秋吉耕佑/伊藤真一組がトップを獲得。#634 MuSASHi RT HARC-PRO.の安田毅史/山口辰也/小西良輝組が2位、#2 Honda DREAM RT 桜井ホンダの高橋巧/亀谷長純組は6位につけた。
今年の鈴鹿8耐は、総エントリー58チーム中、27チームがHonda CBR1000RRでエントリーしている。昨日23日に行われた公式練習では、本大会の前哨戦である『鈴鹿300km耐久ロードレース(以下、鈴鹿300km)』で優勝した秋吉/伊藤ペアがトップタイムをマークした。その後方には、#634 MuSASHi RT HARC-PRO.が3番手に入った。MuSASHi RT HARC-PRO.は、第1ライダーに安田、第2ライダーに山口、そして第3ライダーに小西を起用し、この鈴鹿8耐を3名体制で戦っていく。そして、6番手には#2 Honda DREAM RT 桜井ホンダがランクイン。当初は亀谷と、英国スーパーバイク選手権(BSB)で活躍しているジョシュ・ブルックスのペアで戦う予定で事前テストを行ってきたが、直前になってブルックスがBSBのレース中にケガを負ったことから、急きょ全日本ロードレース選手権のJSB1000クラスに参戦している高橋が第1ライダーとして参戦することになった。それぞれのチームは、ワークスマシンのHonda CBR1000RRを駆り、優勝を目指して戦っていく。
24日(金)は計時予選が行われ、各チームの第1、第2、第3ライダーのそれぞれが1回30分間のセッションを午前、午後との2回出走。明日行われるトップ10トライアル(最終予選)に向けて激しい戦いを繰り広げた。
午前中、鈴鹿の空は雲に覆われていたものの、時折り日が差し、じっとしていても汗ばむほどの蒸し暑さとなった。そんな中で1回目のセッションが行われ、第1ライダー枠では秋吉が2分8秒591のトップタイムをマーク。2番手にヨシムラスズキ with JOMO、3番手には2分9秒562で安田、6番手に2分11秒257で#99 テルル・ハニービーレーシング(野田弘樹/関口太郎組)の野田、そして8番手に2分11秒582で高橋がランクインした。第2ライダー枠では、2分8秒305を出した山口がトップ。3番手に2分10秒200で伊藤、4番手に2分11秒355で亀谷が上位につけた。第3ライダー枠では、小西が2番手の2分11秒100と、3名体制での調整を進めた。
午後に行われた2回目のセッションでは、秋吉がこん身の走りで午前を上回る2分7秒796を出してトップに。これにより、秋吉は総合トップを獲得した。続いて、山口も1回目のタイムを更新し、2分7秒866で総合2位となった。また、亀谷もタイムを2分10秒292まで上げて総合6位。続いて7位には野田、そして9位に#73 TEAM PLUS ONE & TSR(岩田悟/須貝義行/渡辺一馬組)の岩田がランクインした。これにより、明日行われるトップ10トライアルには、CBR1000RRを駆るHonda勢が5チーム進出する。11位以下は、本日の計時予選の結果でグリッドが決定した。
明日25日(土)は、決勝レース上位10グリッドを決める「トップ10トライアル」が午後3時30分から行われる。
順位 | No. | チーム/ライダー | マシン | タイム |
1 | 1 | F.C.C. TSR Honda 秋吉耕佑&伊藤真一&手島雄介 | Honda | 2:07.796 |
2 | 634 | MuSASHi RT HARC-PRO. 安田毅史&山口辰也&小西良輝 |
Honda | 2:07.866 |
3 | 12 | ヨシムラスズキwithJOMO 酒井大作&徳留和樹&青木宣篤 | スズキ | 2:08.373 |
4 | 48 | PLOT FARO PANTHERA 出口修&寺本幸司 | スズキ | 2:10.011 |
5 | 5 | TRICK☆STAR RACING 井筒仁康&武石伸也&鶴田竜二 | カワサキ | 2:10.290 |
6 | 2 | Honda DREAM RT 桜井ホンダ 高橋巧&亀谷長純 | Honda | 2:10.292 |
7 | 99 | テルル・ハニービーレーシング 野田弘樹&関口太郎 | Honda | 2:10.309 |
8 | 32 | MotoMap SUPPLY 今野由寛&鈴木大五郎&新庄雅浩 | スズキ | 2:10.555 |
9 | 73 | TEAM PLUS ONE & TSR 岩田悟&須貝義行&渡辺一馬 | Honda | 2:10.790 |
10 | 77 | Team MIIR・橋本組・櫻花 浜口俊之&金山和弘 | スズキ | 2:10.855 |
秋吉耕佑|#1 F.C.C.TSR Honda
「今日は、いいタイムを出すことができてよかったです。ただ、新たな課題もあります。セクター1でのリアのグリップをもう少し上げる必要があります。これから夜間走行もあるので、明日のトップ10トライアルまでに直したいと思います。明日から天気が崩れるようですが、天候に左右されないようなマシンのセットアップにし、全体を引っ張れるようなレース展開にしたいです。ハルクさんやヨシムラさんとは激しい戦いになると思いますが、優勝を目指します」
伊藤真一|#1 F.C.C.TSR Honda
「チームとしてはトップで今日の計時予選を終了することができましたが、自分としての課題が残りました。マシンのセッティングを進め、明日のトップ10トライアルに合わせる必要があります。これから夜間走行もあるので、セッティングを煮詰めたいと思います。今年は、昨年に比べて涼しく、体調もいいので秋吉と力を合わせて戦っていきます」
藤井正和|#1 F.C.C. TSR Honda 監督
「今日の結果には非常に満足している。ライダーにも大きなミスはなく、またスタッフも連携してよいチームになっている。今日は条件がそろい、よい結果に結びついたと思う。明日は、トップ10トライアルだが、ライダーには目の前のチャンスを必ず自分のものにしてもらいたい。彼らは、少しでも前へ、そして速く走ろうと戦っている。明日ももちろん、トップを狙う」
安田毅史|#634 MuSASHi RT HARC-PRO.
「今日は、これまでテストや練習で試してきたことを実践でき、いい結果につなげることができました。今回は3名体制で戦うので、チームの力となれるようがんばります。明日は、いよいよトップ10トライアルなので、決勝レースに向けて、そして優勝を目指してがんばります」
山口辰也|#634 MuSASHi RT HARC-PRO.
「今日は、自分としては比較的よく乗れていると思います。レースは、チームが一丸となって戦っていくものなので、このチームを引っ張ってきた小西さんと力を合わせて、勝利に向かって、自分のできることを全力で果たしていきます」
小西良輝|#634 MuSASHi RT HARC-PRO.
「今日は順調に走ることができました。この3人のチームで、自分は2人をサポートする役割も担っているので、明日のトップ10トライアルは、チームの力を結束させ、トップを狙いたいと思います。決勝レースでも、ミスすることなく確実な走りで次のライダーへとバトンタッチしていきたいと思います」
高橋巧|#2 Honda DREAM RT 桜井ホンダ
「今週になって出場することが決定し、昨日、初めて今回のマシンに乗りました。少しずつ乗れてきていることを実感しています。チームメートの亀谷さんの助けになれるよう、全力でタイムを詰めていきたいと思います。突然の参戦となりましたが、昨年の鈴鹿8耐では3位に入賞しているので、今年は3位以内の入賞を目指して戦っていきたいと思います」
亀谷長純|#2 Honda DREAM RT 桜井ホンダ
「ペアライダーの急な変更で、あわただしいレースウイークのスタートでした。高橋選手は初めて乗るマシンでいきなり本番となりましたが、うまく乗りこなしていると思います。私やスタッフとコミュニケーションを重ねることでチームもいい方向へ向かっています。昨日の走行では、減速した前のマシンを避けることができず転倒してしまいました。右腕が腫れて痛みが残っていますが、なんとか走ることができ、明日につながる結果を残せてよかったです。強豪がそろっていますが、明日のトップ10トライアルは3位内を狙ってがんばります」
野田弘樹|#99 テルル・ハニービーレーシング
「灼熱の鈴鹿を想定していたが、曇りと雨で今朝の1回目の予選でようやくセッティングを詰められました。今日は、予選用ではなくレース用タイヤでの走行でしたが、7番手につけたのは、バランスのいいマシンに仕上げることでき、高いアベレージが刻めたからだと思います。日曜の決勝に照準を合わせ、明日はレースを楽しく盛り上げるような走りをしたいです。ライダー、メカニックともにミスなく実力を十二分に発揮できるように戦います。応援してくれるファンの方やスポンサーの皆様の前でキチンといい結果を出せるようがんばります」
関口太郎|#99 テルル・ハニービーレーシング
「今日はチームメートの野田さんが好タイムを出してくれたので、それを無駄にしないよう、ミスのない確実な走りを心がけました。決勝では、チャンスが到来した時に、それをいつでも手中にできるような状況を作りながら、自分たちを応援してくれる皆さんのためにも表彰台目指して走っていきたいと思います」
岩田悟|#73 TEAM PLUS ONE & TSR
「体調は万全です。マシンも少しずつよくなってきており、明日、最終的な確認をして仕上げたいと思っています。明日のスペシャルステージでは、また別のセッティングで臨んで5番手を狙いたいです。今日のタイムも徐々に上向いてきており、可能性は十分あります。ST600参戦ライダーの意地を見せたいです」
須貝義行|#73 TEAM PLUS ONE & TSR
「事前テストは、ケガを負ってしまい参加することができませんでした。時間がない中でのマシンセットアップとなりましたが、自分はキャリアがある分、セットアップの合わせ方に自信がありますし、順調に進んでいます。レースウイークに入ってから、さらにマシンはよくなっていると思います。また、このチームは8耐だけのチーム編成ですので、チームが一丸となれるようリーダーシップを取るように心がけています。チームや岩田選手、渡辺選手もよくやってくれていると思います。明日、タイム出しは岩田選手に任せて、自分はトップ10トライアルの雰囲気を楽しみながら走りたいと思います。とはいえ、今日よりはいいタイムを出したいと思います」
渡辺一馬|#73 TEAM PLUS ONE & TSR
「徐々にマシンも仕上がってきており、明日以降に向けてチームにとっては明るい材料がそろってきました。個人的には1000ccのマシンを乗りこなすのにもう少し時間がかかりそうです。600ccとは全く別物で、スピードも速く重量も違います。しかし、こんな機会を与えてくださったことに感謝しており、きちんと結果を残しチームに貢献することでこのチャンスを生かしたいと思います」