Suzuka 8hours 2008

news and topics

2008.07.18

鈴鹿8耐 4メーカー合同テストレポート

7月16日、17日に三重県鈴鹿サーキットにおいて、7月27日(日)に決勝が開催される2008 QTEL FIM 世界選手権シリーズ第3戦“コカ・コーラゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)に向けた4メーカー合同テストが行われた。両日、午前10時〜12時。午後3時〜5時の走行となった。天候に恵まれ、鈴鹿8耐本番を思わせる暑さの中で走行が繰り返された。今回、海外から参加は、ロードレース世界選手権(WGP)250ccクラスの高橋裕紀のみで、他は全日本ロードレース選手権ライダーの参加が中心のテストとなった。

高橋裕紀

高橋裕紀

2008年7月16日(水)、17日(木)
会場:鈴鹿サーキット
天気:晴れ
気温:33℃

DREAM Honda Racing Teamからは高橋裕紀、手島雄介、徳留和樹が参加。今回のテストでは、本番車をシェイクダウンして調整した。シェイクダウンは手島、徳留が担当。徳留は2台の11号車を初日に走らせ、調整を終えたことで17日の走行はなかった。手島は高橋とともに33号車を担当した。

本格的な鈴鹿8耐テストは今季初めての高橋を中心に、入念なテストが繰り返された。高橋は精力的にマシンに乗り込み、初日テストでは2分11秒台にタイムを入れるが、なかなか目標の10秒台に入れることはできずに一日を終えた。だが、2日目は、乗りはじめから10秒台を越え、9秒台に入れる非凡さを見せた。

高橋裕紀

 

高橋裕紀

高橋裕紀

高橋は、250ccマシンからCBR1000RRWへの乗り換えに戸惑うことなく、順調に周回を重ねた。ペアライダーのジョナサン・レイは前回のテストで9秒台をコンスタントに記録できるまでになっており、高橋の今回の課題も9秒台をアベレージタイムとすることだった。手島もチームのバックアップのために、マシンの確認作業をしながら自身のアベレージも上げていったが、デグナーカーブで転倒、左指、左肩を打撲してしまい、2日目午後の走行はキャンセルとなった。

2日目は、名古屋地方の天気予報では雨や雷雨があるかもしれないとの予報が出されており、天候を見ながらの走行となった。走行開始直後に雨がぱらつき、走行を見合わせる場面もあったが、おおむねドライで走行。高橋は目標の9秒台をアベレージとすべく、果敢なトライを重ねるが、まだコンスタントに記録できるまでには至らなかった。

だが、鈴鹿300km耐久ロードレースから短期間の間にマシンのポテンシャルは飛躍的にアップ、開発陣の苦労が実る内容のテストとなった。タイムには現れていないが、ライダーたちが、マシンの扱いやすさ、乗りやすさを評価しており、さらにポテンシャルを引き出すことができるという手ごたえを持って、テストを終えられたことが、何よりの収穫となった。

最終的には2日間の総合トップは、最終日に2分7秒986を記録した伊藤真一(F.C.C.TSR Honda)。「ロングランのテストをしていたらタイムが出た。そんなに意識していたわけではないので調子が上向いているのだと思う。CBR1000RRは、本当にポテンシャルが高く、素直に乗っているだけ」とコメント。唯一の7秒台でトップとなった。2番手は秋吉耕佑(スズキ)、3番手酒井大作(スズキ)、4番手には伊藤のペアライダー辻村猛が浮上。8番手に徳留。9番手に山口辰也(モリワキMOTULレーシング)。10番手に亀谷長純(Team 桜井ホンダ 10)。高橋は12番手。手島は16番手となった。

このテストを終え、来週は、いよいよ、本番の鈴鹿8耐を迎える。

手島雄介

手島雄介

CBR1000RRW

CBR1000RRW

高橋裕紀|DREAM Honda Racing Team 33

「前回のテストでは短時間しか乗る機会がなかったのですが、あのときから、今回まででマシンのセットアップが進んでいることを感じることができました。違和感なくすんなりと乗り込むことができて、ポテンシャルも上がっていることがすぐにわかりました。目標は10秒台だったのですが、初日は11秒0に止まっていた。初日に10秒台に入れて詰めていきたかったのですが、できなかったのが、2日目は、すぐに9秒台。手島君に攻めるポイントを教えてもらったこと、遅かったセクター3を克服できたことがタイムにつながったと思う。9秒台は、自分でもびっくりしました。午後は、そのままアベレージを上げたかったのですが……。でも、あきらめずにレースウィークで調整していきたいと思っています。今回のテストでバイクに慣れることができたので、来週は全力を尽くします」

手島雄介|DREAM Honda Racing Team 33

「転倒したのはロングランテストのときでした。これが終わったらアタックしたいと思っていたのですが……。デグナーのゼブラにヒットしてしまって砂利にフロントをとられ、そのまま転倒してしまいました。左肩を打撲してしまいましたが、鈴鹿8耐本番までには直してチームに貢献できるようにします。(高橋)裕樹選手もマシンのポテンシャルアップや乗りやすさを指摘してくれて、本当にうれしく思います。スタッフと一緒にテストしたことを評価してもらえているわけですから、すごくうれしい。マシンのセットアップも煮詰まっていますし、タイヤのしぼり込みもできたので、来週はチームみんなで全力を尽くしたいと思っています」

松原輝明|DREAM Honda Racing Team プロジェクトリーダー

「鈴鹿300kmからマシンを再度見直し、ライダーたちが楽に乗れるマシンづくりを進めてきました。『トータルパッケージとして優れたマシンに』というオーダーに対しての開発スタッフの迅速な対応に感謝しています。今回は33号車がメインのテストとなりましたが、順調にテストを消化できたと思います。今年、8耐テストは晴れで行うことが多く、天候にも恵まれました。もちろん、レースウィークでの調整が大事になりますが、しっかりと戦いたいと思っています。ピットワークの練習は、例年通り昨年の冬から進めています。ライバルは多いですし、簡単に勝てるとは思っていませんが、全力を尽くします」

高橋裕紀

高橋裕紀

高橋裕紀