Suzuka 8hours 2008

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2008.07.06

鈴鹿8耐 Hondaライダー壮行会レポート

7月27日(日)に決勝レースを控える2008 QTEL FIM世界耐久選手権シリーズ第3戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)に向け、Hondaライダーの壮行会が東京青山のHondaウエルカムプラザ青山で開催された。

鈴鹿8耐 Hondaライダー壮行会

鈴鹿8耐 Hondaライダー壮行会

イベントには、F.C.C.TSR Hondaの伊藤真一、Team 桜井ホンダ 10の亀谷長純、DREAM Honda Racing Team 11の徳留和樹、DREAM Honda Racing Team 33の手島雄介、HRC レース運営ブロックマネージャーの小野信夫が参加した。元HRC契約ライダーの宮城光氏の司会で、トークショーと質疑応答、プレゼント抽選会、フォトセッション、最後は握手会を行った。

当日は、会場の混雑を避けるために午前10時から整理券を配布したが、早朝5時から並ぶ熱心なファンもいて、会場は熱気に包まれた。壇上に立った小野氏は、「みなさんの声援があり、私たちはがんばることができる。いつも、そのことに感謝しています。なかなかお目にかかってお礼を言う機会がありませんが、今回は、いい機会を与えていただいたので、心からお礼を申し上げます」と語り、トークショーが始まった。

Hondaは97年から06年まで鈴鹿8耐10連勝を飾ってきたが、昨年はヨシムラSUZUKIに勝利を奪われ、今年はV奪回の年となる。鈴鹿8耐仕様のCBR1000RRを、前哨戦の鈴鹿300km耐久ロードレース(以下、鈴鹿300km)で走らせ清成龍一/カルロス・チェカ組が2位。ジョナサン・レイ/手島雄介組が5位。辻村猛/伊藤真一組が7位。亀谷長純は、レオン・ハスラムと組んだが、スタート直後の多重クラッシュに亀谷が巻き込まれリタイアとなった。

その後、7月1、2日に開催された公開合同テストでは、DREAM Honda Racing Team 33にロードレース世界選手権250ccクラスに参戦している高橋裕紀が合流。伊藤がトップタイムとなる2分7秒738を記録して貫禄を示した(コースレコードは鈴鹿300kmでヨシムラSUZUKIの秋吉耕佑がマークした2分8秒016。昨年の鈴鹿8耐トップ10トライアルでのポールポジションタイムはチェカの2分7秒587)。

DREAM Honda Racing Team 11の第3ライダーの徳留は「初めて乗った感触では、2分6秒台は出せるマシンだと感じた。清成もチェカさんも、調子を上げているので、本番では、もっとタイムを上げていくと思う。今後、2人が参加できる8耐テストはないので、僕がマシンテストをして、できれば、6秒台を出して、ライダーとして8耐で走行したい」と語った。

左から伊藤真一、亀谷長純、手島雄介、徳留和樹

左から伊藤真一、亀谷長純、手島雄介、徳留和樹

DREAM Honda Racing Team 33の第3ライダーの手島も鈴鹿8耐への思いは変わらない。「しっかりといいテストをして、チャンスをつかみたい。(チームメートの)レイは高いアベレージを示しているし、高橋選手も2年ぶりの鈴鹿でもポンと乗って速い。でも、2人に負けたくないし、走りたい。そのためにはスタッフとコミュニケーションを図り、8耐に向けてライダーとしてのポテンシャルを高められるよう努力したい」と言う。

亀谷は「本当に伊藤さん、岡田(忠之)さんと、先輩ライダーたちは速い。だけど、それは僕たちにとっては、すごく悔しいこと。本当に悔しいので、抜くことが目標」と明言。徳留も「伊藤さんに決勝用タイヤで7秒台といわれると、しっかりしなければと思う」と自身を戒めると、伊藤は「予選用タイヤを履くと1秒半から2秒は詰まるので8耐が楽しみ」と追い討ちをかけた。2秒詰まれば、2分5秒台というとんでもないタイムが記録できることになる。その発言に会場から盛大なる拍手が沸き上がった。

宮城氏の「チームメートの印象を教えてほしい」という質問に、伊藤は「辻村(猛)は天才肌のライダーで、ムラがあるが、はまれば、手がつけられないくらいに速い。なので、その力をしっかり出してもらって、8耐では優勝を狙いたい」と語った。亀谷は「ハスラムの父親は、有名なGPライダーですが、鈴鹿300kmで見る限り、ビデオでハスラムの走りを撮ってアドバイスするなど、普通のお父さん。8耐では力を合わせて上位に食い込みたい」という。

同じく徳留は「清成とは、長い付き合いで、普段でも仲がいい。ライダーとしては、ハイレベルな走りをキープできる強さがある」と絶賛した。手島は「レイはマイペースなところがあるかな。鈴鹿300kmのスタート前は、ものすごく緊張していて話しかけるなという雰囲気だったけれど、再スタートになったら落ち着いていた。マシンやタイヤも、あまり大きな変更をしていなくても、これはいいというと、そうかと言ってタイムを上げてくれる」と語った。

DREAM Honda Racing Teamの手島、徳留とHRCの小野信夫氏

DREAM Honda Racing Teamの手島、徳留とHRCの小野信夫

小野は伊藤と戦った鈴鹿8耐を振り返り、「伊藤さんは決勝朝のプラクティスまであきらめない。妥協しないんですよ。これぞプロだ、という仕事をしてくれる。たとえば、スタッフ側が、燃費が厳しいといえば、それにあわせた走りをしてピタッと数字を合わせてくる」と絶賛。手島も「昨年、伊藤さんと組ませてもらって3位になれたのですが、追い込まれたときに力を発揮する強いライダーという印象」と語った。

参加した4チームとも、目指すは鈴鹿8耐勝利だ。そのために全力を尽くすことをファンに約束。そして、小野は「昨年の反省点をふまえ、すべてを洗い出し、これでもかと優勝のために取り組んできました。ファンの期待を裏切るのは恥だという意識でいます」と語り、必勝を約束してトークショーを終えた。

エントリーリストの約半数がHondaマシンと、圧倒的シェアを誇り、頂点のレースだけでなく、鈴鹿8耐にチャレンジするすべてのチームをHondaは応援している。会場では、ここに来ることができなかった清成やチェカ、レイのメッセージVTRも流れたが、プライベートチームの紹介VTRなども流された。たくさんの人が待ち望んでいる鈴鹿8耐が、もうすぐやってくる。トークショーに参加したライダーたちは、ファンからの声援を受けてエネルギーをもらい、会場を後にした。

抽選会の様子

抽選会の様子