Suzuka 8hours 2008

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2008.07.02

鈴鹿8耐 合同テストレポート

7月1、2日に三重県鈴鹿サーキットにおいて、7月27日(日)に決勝が開催される2008QTEL FIM 世界選手権シリーズ第3戦“コカ・コーラゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)に向けた合同テストが行われた。鈴鹿8耐参戦を目指す92台が集まり、2日間にわたり入念なテストを繰り返した。走行マシンはA、B組に分けられ、1日目は80分の走行が3回と夜間走行が40分で、午後8時にテストは終了。2日目は80分の走行が2回、最後は60分が1回のスケジュールで、午後5時55分にテストは終了した。

清成龍一

清成龍一

2008年7月1日(火)、2日(水)・合同テスト
会場:鈴鹿サーキット
天気:快晴
気温:28.8℃

勝利を目指すDREAM Honda Racing Teamは、スーパーバイク世界選手権(WSB)に参戦している清成龍一とカルロス・チェカ、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦している徳留和樹、スーパースポーツ世界選手権のジョナサン・レイとロードレース世界選手権250ccクラスに参戦している高橋裕紀、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦している手島雄介がテストに参加した。

1日目は青空が広がり、8耐当日を思わせる蒸し暑い一日となった。前哨戦の鈴鹿300km耐久ロードレースで登場した8耐仕様のCBR1000RRWは、レース後もテストを重ねて、さらにポテンシャルアップして合同テストを迎えた。

11号車は、午前中は徳留が走行して、2分9秒162を記録。午後からはチェカも参加して2分9秒299を記録、ポテンシャルの高さを示して2日目から合流する清成との本格的なテストに備えた。33号車は、手島が徳留と同様にマシン、タイヤの確認を行って、2分11秒665を記録。高橋も30ラップほど走らせた。この日の高橋は、ポジションの確認、2年ぶりとなる鈴鹿サーキットの感触を確かめるに止まり、2分13秒508で走行を終えた。

1日目のトップタイムは昨年の8耐覇者であるヨシムラスズキが1-2で好調をアピール。3番手には2006年の8耐で勝利しているTSRの伊藤真一/辻村猛組がつけ、復調を印象づけた。4番手にヤマハ、5番手に徳留/チェカ。11番手に手島。高橋は27番手につけた。夜間走行ではマシン確認、ライトなどの点灯確認などを含めて走行、11号車が3番手タイム、33号車が5番手で終了した。

清成龍一

 

清成龍一

清成龍一

2日目も晴天に恵まれて、テスト日和となった。風もあり1日目に比べればすごしやすい気候となった。

11号車は本番車にチェカ、Tカーに清成が乗り、入念なテストが繰り返された。タイヤと車体のバランスを見ながら、お互いに振り分けられたテスト項目を確実に消化していった。チェカは、安定したリズムを崩さない走行でチームへの信頼感を増した。チェカは2分8秒330を記録。清成も徐々にペースを上げて、2分9秒096のベストタイムを記録した。最終セッションではランデブー走行で、お互いの走りを確認するまでに仕上げていった。

33号車は、用意していたTカーの使用を見合わせたこともあり、今回のテストが8耐最終テストとなるレイを優先させることにし、本番車をでのタイヤテストをメインとして果敢な走行を繰り返す。レイは最後には2分8秒902までタイムアップして、非凡さを見せた。これはダンロップ勢トップタイム。高橋はHonda勢やライバルの走りを観察して、自身の走行に備えた。

2日目最後の走行で、伊藤がトップタイムとなる2分7秒738を記録してサーキットにどよめきが起こるが、DREAM Honda Racing Teamはタイムアタックよりもテストを優先させて有意義なテストを締めくくった。最終的に伊藤/辻村組が1番手、2番手につけたのはヨシムラスズキの秋吉。ペアライダーの加賀山はWSBでのケガで左手甲骨折のケガの回復に努めて走行をキャンセル。3番手にチェカ、6番手にレイ、7番手に清成となった。

カルロス・チェカ

カルロス・チェカ

松原輝明プロジェクトリーダー(左)とカルロス・チェカ(右)

 

清成龍一|DREAM Honda Racing Team 11

「タイム的にはまだまだですが、テストの内容は満足できるものです。鈴鹿300kmでは、うまく乗れずに苦しみましたが、今回のテストでは、マシンの苦手と感じていた部分が改善されていて、気持ちよく走行することができました。自分の走りとしては、まだ30%くらいしか出ていないような気がします。なので、まだまだこれから、どんどんよくなっていけると思います。チェカさんはパートナーとしては最高です。ライダーとしても、学ぶ部分は本当にたくさんあります。普段のチェカさんは、ものすごく楽しい人で、ユーモアがあって、一緒にいてリラックスできます。なので、チームワークは心配していません。Hondaのエースナンバーである11番で走ることの意味を考えると、エンジニアさんやメカニックさんたちが、本当に一生懸命に準備をして走らせてくれていることへの感謝を、ぜひ、結果で残したいと思います。V奪回、絶対に8耐で勝つことができるようにがんばります。今回のテストで、その自信も取り戻せたことがうれしいです」

カルロス・チェカ|DREAM Honda Racing Team 11

「1日目の午後、2日目とテストを重ねて、タイヤ選択の方向性を見つけることができましたし、マシンの確認もできた。もちろん、セッティングの細かな部分、微調整は残っていますが、それは、本番のレースウィークの中でやっていくべきことなので心配していませんし、最高の状態に持っていけると信じています。清成とはWSBで一緒なので、お互いを理解できていると思う。清成はライダーとしても申し分ないし、人間的にもフレンドリーで楽しい。清成と組めたことをうれしく思っています。今年、Hondaが8耐にかけていることを、僕も清成も、とても、よくわかっています。でも、それをプレッシャーと感じては、いいレースができないので、少しだけ感じて、それをいい緊張感として戦いたい。昨年は、表彰台の真ん中に立つことができずに2位だったので、今年は、ぜひ、真ん中に立ちたいと思っています。清成と協力できれば可能だし、Hondaスタッフの最高のバックアップがあるので、きっと勝てると信じています」

徳留和樹|DREAM Honda Racing Team 11

「僕は日本にいるのでテストの機会も多いので、11号車をしっかりと仕上げてチームに貢献したいと思っています。CBR1000RRWはとてもポテンシャルが高くて、すばらしいマシンです。きっと、本番の8耐では、その力が発揮されると思います」

高橋裕紀|DREAM Honda Racing Team 33

「テスト初日に、少し乗っただけなので、まだ、なんとも言えない状況です。ですが、Hondaにとって、とても大切なレースである8耐のメンバーとして呼んでもらえたことに感謝しています。レイは、イギリスでもヨーロッパでも将来有望なレイダーとして有名です。速いライダーなので、もし、一緒に走れたら、がんばりたいと思っています」

ジョナサン・レイ|DREAM Honda Racing Team 33

「2日目の3セッションをすべて走らせてもらい、今回の目的であるタイヤの絞り込みができたと思います。タイム的にも、2分8秒台に入れることができて目標をクリアできました。まだ、正式にパートナーが決定していないので、ペアライダーについては、何もいえませんが、昨年はサードライダーで8耐を走ることができなかったのは、とても残念でした。だから、今年は参戦して、いいレースがしたいと思っています」

手島雄介|DREAM Honda Racing Team 33

「タイヤテストを手伝わせてもらいました。僕と徳留君がテストしたマシンでタイムを出してくれると、とてもうれしい。8耐までに、しっかり、データを取って、生かしてもらえるようにがんばりたいと思っています」

松原輝明|DREAM Honda Racing Team プロジェクトリーダー

「11号車は鈴鹿8耐本番に向けての合わせ込みを中心にテストを重ねました。チェカは鈴鹿300kmで使用した本番車に乗ってもらい、清成はTカーで走行を重ねました。清成はタイムアップしているラップのシケインで走行車両にひっかかってしまい、タイムを8秒台に入れることができませんでした。セクションごとのトータルタイムでは8秒台に入っているので心配していません。調子が上向いていることを感じられました。チェカは終始安定しているので信頼しています。11号車の予定テスト項目は問題なくクリアできました。33号車は、タイヤテストメインの項目でしたが、方向性をつかめたのでテストの成果は大きいです。レイはテスト項目が多く、それを黙々とこなしてポテンシャルの高さを示してくれました。高橋には次回予定されているテストで力を示して欲しいと思います。今年の目標は鈴鹿8耐217周を掲げています。217周をクリアできれば勝利が見えると信じています。現状、その目標に向かい確実に進んでいます。ライバルのヨシムラスズキ、そして、伊藤/辻村のTSRと、今年も厳しい戦いになると思いますが、V奪回に向けてチーム一丸となって向かっています。8耐までの時間を有意義に使い、勝利をより確実なものにしていきます」

高橋裕紀

高橋裕紀

ジョナサン・レイ

ジョナサン・レイ