Hondaがエンジンサプライヤーを務め、全車がレース用に改造されたCBR600RRのエンジンを用いて争われるMoto2クラスは、Ajo Motorsportのヨハン・ザルコがクラス2連覇を達成。また、同クラスへ日本人で唯一レギュラー参戦した中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が、参戦5年目にして初優勝を果たし、自己最高の6位でシーズンを終えました。

ディフェンディングチャンピオンとしてシーズンに臨んだザルコは、開幕戦カタールGPで12位と少しつまずきますが、第2戦アルゼンチンGPで優勝。第3戦アメリカズGPでは3位表彰台を獲得し、王者の力をみせます。そんなザルコが特に強さをみせたのが、第6戦イタリアGPから第10戦オーストリアGPにかけての5大会でした。

4番グリッドから決勝に臨んだ第6戦イタリアGPでは、好スタートを切ってトップグループに加わると、6周目でトップに浮上。その後は、ロレンソ・バルダッサーリ(Forward Team)とのし烈なバトルを制し、今季2勝目を挙げました。そこから勢いを増したザルコは第10戦まで5連続で表彰台に登壇。4度の優勝と1度の2位で、チャンピオン争いで2位に34ポイントをつけ、ランキングトップをひた走りました。

第11戦チェコGP以降は表彰台から遠ざかるものの、第15戦日本GPで2位に入って表彰台に再び登壇。その後、第17戦マレーシアGPでの優勝で、最終戦を残してタイトルを決めました。

また、Moto2クラスへの参戦5年目となった中上は、第7戦カタルニアGPで3位となり、シーズン初の表彰台を獲得。そして、中上にとって忘れられないであろう、第8戦オランダGPを迎えました。初日に2番手タイムをマークし、その際に「今年になって最もいい状態」と語っていた中上。予選は不安定なコンディションに翻ろうされて6番手となりますが、レースでは、10周目でトップに浮上し、ライバルを圧倒する走りでクラス初優勝を果たしました。以降、中上は2度の表彰台に上がり、キャリアハイとなるランキング6位でシーズンを終えました。

前年の王者であるザルコが変わらぬ強さをみせた今シーズン。2位にはザルコに次ぐ4度の優勝を果たしたトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)、3位にはアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)、4位にはフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)、5位にはサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)が入りました。

なおザルコ、リンス、ロース、そして今季7位のジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)の4人は、来季からMotoGPクラスへステップアップします。