シーズンを通して好走をみせた小山が総合2位につける
ST600クラスでは、全日本ロードレース選手権とアジアロードレース選手権(ARRC)へのダブル参戦となった小山知良が國峰啄磨、亀井駿との3台体制で日本郵便Honda Dreamから参戦。ベテランライダーの小山は、サスペンションもタイヤも全く違う2つのマシンを乗り換えながら、シーズンに挑むこととなった。
迎えた開幕戦はHondaのホーム・ツインリンクもてぎが舞台に。レースでは4番手スタートの小山がオープニングラップで首位に浮上すると、チームメートの國峰とファイナルラップの最終コーナーまで続く激しい一騎打ちを展開。最終的にわずかな差でトップでチェッカーフラッグを通過した小山が優勝、國峰が2位に入り、Honda勢が1-2フィニッシュを決めた。
ST600クラスにとっては約2カ月のインターバルを挟んで開催された第4戦スポーツランドSUGOでは、Honda Suzuka Racing Teamの亀井雄大が3位に入り、同クラスでの初表彰台を獲得。ARRC参戦のために事前テストに参加できなかった小山は、無理に優勝を狙わない冷静な走りで4位入賞。タイトル獲得に向けて貴重なポイントを獲得した。
2レース制で開催された第5戦筑波サーキットではヤマハ勢が強さを発揮し、両レースを制覇。Honda勢もそれに負けじと小山が両レースで2位表彰台を獲得し、ランキングトップの岡本裕生(ヤマハ)と3ポイント差で2位の座を死守する。チームメートの國峰は前戦SUGOでの転倒で痛めた左手のケガを押して出場。万全とは言えない状態だったが、それでもレース1では5位、続くレース2では、ウォームアップランでトップタイムを記録、レースでも3位表彰台を獲得してファンからの声援に応えた。

第7戦オートポリスでは、予選からHonda勢が強さを発揮する。トップタイムを亀井雄大、2番手に國峰、3番手に小山が入り、Honda勢がフロントローを独占してレースへと臨んだ。序盤こそHonda勢がトップグループを形成するも、中盤からはタイトルをめぐって争う小山と岡本による一騎打ちの様相を呈していく。小山は最終ラップの1コーナーで岡本を捉えると、第2ヘアピンでトップに。そのままのポジションでチェッカーフラッグが振られ、小山が今季2勝目を挙げた。國峰は3位、亀井雄大は4位でフィニッシュ。この結果、ついに小山が岡本と同点タイでランキングトップへ。第8戦岡山国際サーキットは悪天候により決勝レースが中止となったことで、タイトルの行方は最終戦へと持ち越された。
第8戦の予選順位にハーフポイントがついたことで、4番手タイムを記録した小山は121ポイントを獲得。1ポイント差でランキングトップに立ち、Hondaのホーム・鈴鹿サーキットでの最終戦に臨んだ。
予選は、ここまで全セッションでトップタイムを記録している小山がトップタイムを記録。レースでもホールショットを奪うが、6ラップ目にデグナーで接触し痛恨のオーバーラン、これがタイトル争いの行方を決することとなった。最終的に岡本が2位、小山は10位でフィニッシュ。
レースを制したのは、ST600クラスでのルーキーイヤーとなった佐野優人(BATTLE FACTORY)。チーム、そして自身にとっての地元・鈴鹿で初勝利を挙げた。その弟である佐野勝人(TEAM VITALSPIRIT)も3位でフィニッシュし、兄弟で表彰台登壇を果たした。
小山は惜しくもタイトルは逃したが、総合2位。國峰は総合4位でシーズンを終えた。