接戦を制した中島がタイトルを獲得
岡谷はデビューイヤーにして総合2位に
昨年タイトルを獲得した伊達悠太がJ-GP2クラスにステップアップしたことで、2018年シーズンはチャンピオン不在の戦いに。岡崎静夏(Kohara Racing Team)をはじめ、高杉奈緒子(41Planning)、白石玲菜(Dreamline Team REINA)、中山愛理(TEAM SHOTA)ら4名の女性ライダーによるフル参戦にも関心が集まった。
栃木県ツインリンクもてぎで行われた開幕戦では、クラスデビューを飾った岡谷雄太(MORIWAKI CLUB)とベテランライダーの小室旭(Team P.MU 7C MIKUNI)が激しいバトルを展開。最終ラップ、90度コーナーで小室が前に出るも、クロスラインで再び抜き返してチェッカーを受けた岡谷がデビュー戦で見事、初勝利を挙げた。
J-GP3クラスにとって実質2戦目となった第4戦スポーツランドSUGOの決勝レースは、4周目に転倒者が出てコース上にオイルが出たことで赤旗が提示された。13ラップに短縮して再開されたレースでは、オープニングラップを制した岡崎がその後もトップグループに食い込む好走をみせるも、マシントラブルにより無念のリタイア。レースは、岡谷、山中琉聖(テルル・ヤマナカコウギョウRT)、中島元気(TEAM SRS-Moto)らが何度もトップを入れ替える接戦となったが、後続からのプレッシャーに耐え、冷静に走りきった岡谷が開幕2連勝を果たした。
2レース制で開催された第5戦筑波サーキットは、ロードレース世界選手権125ccクラスで2度の王者となったレジェンド、坂田和人(Mistresa・MuSASHi sc./TC)が13年ぶりに参戦し、注目を浴びた。レース1を制したのは、アジア・タレント・カップに参戦中の埜口遥希(56RACING)。埜口はレース2でも2位表彰台を獲得し、世界を相手に戦ってきたライダーとしての存在感を十分に発揮する。岡谷は予選で転倒を喫し、レース1では後方からのスタートを与儀なくされて7位に終わるも、レース2では埜口との一騎打ちを制し、ルーキーイヤーにして早くも今季3勝目を挙げた。

第7戦は大分県・オートポリスで開催された。晴天となるも、路面が徐々に乾いていくという難コンディションの中で行われた予選では、ベテランライダーの小室がポールポジションを獲得。経験に裏打ちされた着実な走りを見せる。レースでは、最終ラップまで続く激しいトップ争いを展開した中島、小室が1-2フィニッシュ。この結果、全日本シリーズでの初優勝を飾った中島が、総合ランキングでも岡谷と同点タイで2位に浮上。小室は総合3位につけた。
約1カ月のインターバルを挟んで開催された第8戦岡山国際サーキットでは、金曜日のフリー走行において、ワイルドカードで日本GP参戦が決まっている福島佑斗(TEAM PLUSONE)がトップタイムを記録。ウエットで行われた予選では、中山が1999年以降では女性初となるポールポジションを獲得と、若手ライダーがそれぞれ輝きを見せた。決勝レースが悪天候により中止となったことで、予選順位にハーフポイントが加算されることとなり、中島が8ポイント、岡谷が4.5ポイントを獲得。最終戦に向け、中島が2位に3.5ポイントのリードを築いて総合首位に立つ。
Hondaのホーム、鈴鹿サーキットで開催された最終戦では、朝のウォームアップランでは転倒したものの、決勝では速さを発揮した小室が優勝。タイトル争いでは、7位に終わった岡谷を上回る6位入賞を果たした中島に軍配が上がった。