IA1 2018 | JMX 総集編

タイトル争いは最終戦決着
成田が2年ぶりの王者に返り咲く

2018年の全日本モトクロス選手権IA1クラスは、全8大会で争われた。Team HRCは前年に続きベテランライダーの成田亮、17年チャンピオンの山本鯨の2名体制で参戦。開幕戦からシーズン中盤までは成田がランキングトップを守り続けていたが、山本が第6戦で両ヒートを制し逆転。そこからは両者一歩も惹かぬ一進一退の攻防が繰り広げられ、タイトル争いは最終戦ヒート2までもつれ込んだ。最終的にはヒート2で4位に入った成田が逆転で年間王者に輝き、全日本選手権で通算12回目のタイトルをつかんだ。

開幕戦は4月8日にHSR九州で開催された。ヒート1は、成田が約10秒のアドバンテージを後続に築く独走を見せ優勝、節目となるIA通算150勝を達成した。続くヒート2も成田が制した。

第2戦関東大会ではヒート1を、第3戦SUGO大会はヒート2を成田がそれぞれ優勝を飾った。一方の山本は優勝こそないものの、徐々に調子を上げてきていた。

ランキングトップで迎えた第4戦。5月27日に広島県の世羅グリーンパーク弘楽園で行われた中国大会は、ヒート1の最終ラップでライバルのミスを見逃さなかった成田が勝利を奪い、山本は3位に入った。ヒート2は5名が激しいトップ争いを展開し、最終的に成田が2位、山本は3位表彰台を獲得した。ここまでは経験豊富な成田が、ディフェンディングチャンピオンの山本の上を行く結果を残してランキングトップを守ってきた。しかし、シーズン後半から山本の逆襲が始まる。

JMX

第5戦HSR九州大会と第6戦東北大会では山本が4連勝を収め、ランキングトップに浮上した。第7戦の中国大会は豪雨の被災が考慮され中止に。第8戦近畿大会は1カ月以上のインターバルをはさみ、9月9日に奈良県の名阪スポーツランドで行われた。同大会では、成田と山本が勝利を分け合い、Team HRCが両ヒートで1-2フィニッシュ。最終戦を前に、チャンピオン争いはTeam HRCのチームメート同士にほぼ絞られる結果となった。

山本がランキングトップの301ポイント、成田は9ポイント差の2位で最終戦を迎えた。最終戦はMFJグランプリとして開催され、モトクロス世界選手権MXGPクラスで16年王者のティム・ガイザーや、AMAナショナルに参戦中の富田俊樹のスポット出場が注目された。レースは、ガイザーが圧倒的な強さを見せて完全制覇。ヒート1では、日本勢トップとなる3位に成田が入り、山本が4位入賞を果たす。

7点差まで詰められた山本だったが、それでも、チャンピオン獲得に向けては未だ有利な状況にあった。ところが、迎えたヒート2の1周目で山本がクラッシュを喫し、まさかのリタイア。ライバル不在となったレースで成田が4位に入り、2年ぶり自身12度目のチャンピオンに輝いた。成田は全8大会16ヒート中7勝、山本もシーズンを通して5勝を挙げたが、最終戦ヒート2のリタイアが響き、最終的にはランキング2位。終わってみれば、全16ヒート中12ヒートでTeam HRCが優勝を挙げ、圧倒的な強さを発揮したシーズンとなった。

- POINTS -

順位 ライダー マシン 総合
1成田亮Honda340
2山本鯨Honda324
3新井宏彰カワサキ289
4小方誠カワサキ263
5星野優位ヤマハ236
7小島庸平Honda204
10大塚豪太Honda155
11田中雅己Honda153
15馬場大貴Honda120
17小野千成Honda81
20ティム・ガイザーHonda60
22富田俊樹Honda46
23長門健一Honda46
24道脇白龍Honda38

- FEATURED CONTENT -