畑尾が初のタイトルを獲得
川井は自身最高の2位でシーズンを終える

全日本モトクロス選手権レディースクラスは、序盤から優勝3回を含む5表彰台に登壇で、コンスタントにポイントを稼いだ畑尾樹璃(T.E.SPORT SHOWA)が最終戦までもつれたチャンピオンシップを優位な状況で迎え、慎重な走りでゴール。自身初の全日本タイトルを獲得した。

開幕戦九州大会は畑尾と川井麻央(T.E.SPORT)によるチームメート対決が展開され、表彰台の両脇を占めた。昨年チャンピオンの竹内優菜(TEAM HAMMER ホンダ学園)は序盤からトラブルを抱え、転倒もありこのレースをリタイアで終える。

第2戦関東大会では、畑尾が序盤から積極的なレースを展開し、後続の転倒もあって2番手に約6秒のリードを築く。そのまま最後まで走りきって今季初優勝を飾った。2位には川井が入り、Honda勢が1-2フィニッシュ。畑尾はこの時点でランキングトップに躍り出た。第3戦SUGO大会は、スポーツランドSUGOを得意とする畑尾が躍動し、川井とのバトルを制して2連勝。2位に川井が入り、Honda勢が2戦連続の1-2フィニッシュを決めた。

第4戦中国大会はディフェンディングチャンピオンの竹内が前半からリードを奪い、レース中盤までに10秒ものリードを築くと、そのまま逃げきって今季初優勝を飾った。レース序盤は2番手以降、8～9台が僅差で続く混戦状態に。畑尾、川井は出遅れもあり、追い上げのレースとなったが、着実に順位を上げてそれぞれ2位、3位でフィニッシュ。Honda勢が表彰台を独占する結果となった。Honda勢の活躍は続き、続く第5戦HSR九州大会は序盤でトップに立った畑尾がペースを上げて竹内から逃げきり、3勝目をマーク。スタートミスで出遅れた川井も追い上げて3位に入り、2戦連続でHonda勢が1-2-3を独占した。

1カ月のインターバルを挟んで行われた第6戦東北大会では、竹内がゴール直前までトップ争いを演じるも、約0.4秒の僅差で2位となった。畑尾は転倒があり4位、川井は1周目で7番手と出遅れたが、追い上げて5位でフィニッシュした。続く第7戦中国大会は豪雨の影響で中止に。この時点で、タイトル争いは、トップの畑尾、2位の川井、4位の竹内などを含む6名に可能性を残していた。

第8戦近畿大会は竹内がホールショットを奪うが、途中、エンジンストールにより遅れ、1周目を4番手でクリア。川井は竹内のマークを継続するも徐々に差が拡大し、単独走行となっていった。終盤にはライバルの転倒で竹内が2位に浮上。そのまま走りきって2位表彰台を獲得した。ランキング2位の川井は4位でフィニッシュ。ランキングトップの畑尾はスタート直後は8番手につけていたものの、徐々に順位を上げると、終盤に抜かれて6位フィニッシュ。ランキングトップは死守したが、2位の川井には14ポイント差に詰められることとなった。

最終戦スポーツランドSUGOで行われたMFJGP大会は、ディフェンディングチャンピオンの竹内と逆転チャンピオンを狙う川井の2人が他を20秒以上も引き離すデッドヒートを展開した。僅差の戦いは最終ラップに川井を逆転した竹内に軍配が上がった。この結果、0.59秒差の僅差を制した竹内が2勝目を挙げ、ランキング4位でシーズンを終えた。逆転チャンピオンを狙った川井は惜しくも総合2位。畑尾は10位以内に入れば無条件でチャンピオンが決定する状況の下、7位に入り初タイトルを獲得した。