F2再挑戦の松下信治が2勝を挙げランキング6位に
F3では角田裕毅がランキング9位、名取鉄平が24位
F1を目指す若手ドライバーたちが集う、FIA-F2選手権。前年、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦していた松下信治が、Carlinから2年ぶりにF2へと参戦。F1へのステップアップを目標に、1年を戦った。第2戦のアゼルバイジャン大会で、ポールポジションを獲得するなど、速さをみせていた松下。しかし、序盤戦は決勝レースでの戦いに苦しみ、開幕戦・バーレーン大会のレース1以来、入賞が途絶えていた。

第4戦・モナコ大会レース1で力走する松下
風向きが変わったのは、第4戦・モナコ大会だった。予選こそ9番手となった松下だが、レース1で目の覚めるような追い上げを披露。ファステストラップを記録し、3番手でフィニッシュ。レース後、上位選手の失格により2位に繰り上がり、2年ぶりの表彰台を獲得した。そして、第6戦・オーストリア大会。レース1で、松下は終始トップをうかがう走りをみせ、レース終盤、ついに首位へ。ポジションを明け渡すことなく走りきり、2017年・ハンガリー大会のレース2以来となる優勝を飾った。その後、第8戦・ハンガリー大会でもレース2で2位表彰台とファステストラップを記録するなど、松下は好調をキープしていた。
シーズンも終盤へと差し掛かった第9戦・ベルギー大会。ここで、アクシデントが起こる。レース1の2周目、オー・ルージュを駆け上がるところで、多重クラッシュが発生。このアクシデントで、アントワーヌ・ユベール(BWT Arden)が亡くなり、そのままレースは中止に。サーキットは深い悲しみに覆われた。

第10戦・イタリア大会レース1でシーズン2勝目
ベルギーからの連戦となった第10戦・イタリア大会。松下はレース1でシーズン2勝目を挙げ、ランキング6位に浮上。F1へのステップアップにはランキング4位以内という条件が必要な松下にとって、価値ある一勝となった。第11戦・ロシア大会、レース1で6位に入った松下は、上位陣がリバースグリッドとなるレース2で3番手からレースをスタート。しかし、コントロールを失った他車が松下に接触。押し出される形で松下はクラッシュを喫してしまった。
迎えた最終戦・アブダビ大会。レース1で松下は2位表彰台を獲得するが、第11戦終了時でランキング4位のセルジオ・セッテ・カマラ(DAMS)が優勝。この瞬間、松下のランキング5位以下が確定することとなった。レース2を7位だった松下はランキング6位でシリーズを戦い終えた。
一方、FIA-F3選手権には、前年、日本のFIA-F4選手権で王座を争った、角田裕毅がJenzer Motorsportから、名取鉄平がCarlin Buzz Racingからそれぞれレースに挑んだ。シーズン序盤、互いになかなか上位に食い込めない戦いが続いていたが、角田は次第に頭角を現し、第4戦・イギリス大会のレース2から連続入賞を果たすようになる。

F3挑戦初年度にして優勝を飾った角田
そして、第6戦・ベルギー大会のレース2を2位で終えて初の表彰台に立つと、第7戦・イタリア大会のレース1で3位に入り、2レース連続で表彰台へ。さらに翌日のレース2でF3初優勝を飾ってみせた。角田は最終的にポイントランキング9位に入り、F3での1年を終えた。名取は第6戦・ベルギー大会のレース2で1ポイントを獲得。また、第7戦・イタリア大会のレース1では、スタートで大きく出遅れながら、11位までばん回するなど、光る走りをみせ、ランキング24位でシーズンを終えた。