病気害虫
侵されない育て方

予防の基本やアイテムの活用法

チェックポイントと対策

こまめなチェックで病害虫を予防しましょう。

環境を整える

多くの野菜は、日当たりと風通し、水はけがよい場所を好みます。畑はできるだけ条件がよい場所につくったほうが、結果的に野菜は丈夫に育ち、トラブルも少なくなります。
また、レタスやホウレンソウは日が長いと花が咲く性質があるので、夜間、門灯や街灯が当たる場所では、健全に育ちません。日中の日当たり具合だけではなく、夜間の環境もチェックするとよいでしょう。

適期を守って栽培する

それぞれの野菜は、生育するのに適する時期があります。たとえば寒さに弱いナスやピーマンを、気温が下がる秋から冬に屋外で育てることはできません。育てる野菜の栽培適期をチェックして、その時期に向く野菜をピックアップしましょう。
人気野菜の栽培カレンダー

マルチやトンネルでガード

降雨や水やりの水がはねて野菜の葉につくと、病原菌が付着することもあります。できるだけ泥はねを防ぐために、あらかじめ畝にマルチを張っておくことが有効です。
また、害虫は様々なところから飛んできて、野菜に害を及ぼします。苗を植えつけたらすぐに寒冷紗のトンネルでカバーすると、害虫から野菜を守ることができます。特に、アブラムシやアザミウマなど、一度かかると治らないウイルス病を媒介する害虫もいます。病気を予防するために、まずは害虫を予防することも必要です。
マルチって? トンネルって?
マルチ栽培が有効な野菜
長ネギを除く、ほとんどのもの
トンネル栽培が有効な野菜
ホウレンソウ、コマツナ、キャベツ、ハクサイ、カブなど

丈夫で育てやすい品種を選ぶ

野菜のタネや苗を求めてホームセンターや園芸店へ行くと、1種類の野菜にも、数えきれないほどの品種があることがわかります。こうした品種のなかには病気や害虫に対する強さをうたったものもあります。抵抗性、耐病性、耐虫性の有無をラベルなどでチェックし、強健な品種を選ぶように心がけます。また、トマト、キュウリ、スイカ、カボチャなどは接ぎ木苗を選ぶと、土壌からの病気や害虫による被害を受けにくくなります。
抵抗性、耐病性、耐虫性がある品種、接ぎ木苗などは、いずれもやや高価な傾向にあります。それでも丈夫で育てやすい品種であれば、病害虫防除の手間を省くことができるので、おすすめです。

同じ場所で同じ科の野菜を連続して育てない

同じ場所で同じ科の野菜を育て続けると、土壌の栄養分やミネラルのバランスが崩れ、よって連作障害が起きやすくなります。また、病気や害虫を予防するためには、同じ科の野菜は、数年空けてから栽培するようにしましょう。
連作障害を防ぐには?

害虫が嫌うアイテムを利用して、寄せ付けない

多くの野菜に被害を与えるアブラムシは、キラキラ光るものを嫌います。キラキラ光るテープや、株元を覆う資材、銀線入りマルチなどを使用して、虫を寄せ付けない方法もあります。また、害虫のホルモンや好む色で呼び寄せて、粘着シートや落とし穴などで害虫を捕獲、処分できるアイテムもあります。
*作業や管理は、関東地方以西平野部を基準にしています。