タネのまき方

まき方の種類やコツ、発芽までの管理

まき方の種類

野菜を育てる場合、タネを畑の土にじかにまく「じかまき栽培」と、ある程度苗を育ててから畑に植え替える「移植栽培」の2つの方法があります。
「じかまき栽培」に向いているのは、ダイコンやニンジンなど"根っこ"を食べる根菜、栽培期間の短いホウレンソウやコマツナなどの葉物野菜です。
そのほかの野菜は、「じかまき栽培」「移植栽培」のどちらでもかまいませんが、「移植栽培」のほうが管理しやすいのでおすすめです。
じかまき栽培
移植栽培

じかまき栽培

じかまき栽培でタネをまく方法には、「すじまき」「点まき」「ばらまき」があります。

すじまき

畝に1列まくものは「一条まき」、2列まくものは「二条まき」と呼びます。
適した野菜:
ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、シュンギク、ニンジン、ゴボウなど
  • 1. 平らにならした畝に支柱を横にして押しつけ、タネをまく溝をつくります。
  • 2. 溝に種を約1cm間隔でまいていきます。
  • 3. タネをまいた溝のわきから、親指と人差し指で土をつまむようにして、土をかぶせていきます。
  • 4. 手で軽く押さえます。
  • 5. たっぷり水をかけます。
畝に支柱を押し当てる
溝にタネをまく
土をつまんで土をかぶせる
水やり

点まき

適した野菜:
ダイコン、ハクサイ、トウモロコシなど
  • 1. ひもを張るなどして曲がらないようにしながら、畝に1列、20〜30cm間隔で、深さ1〜2cmの穴をつくります。空き瓶のふたやビール瓶の底などを使うとうまくできます。
  • 2. 穴のなかに、タネを5〜6粒まきます。
  • 3. 土をかぶせます。
  • 4. 手で軽く押さえます。
  • 5. たっぷり水をかけます。
空き瓶のふたで穴をあける
タネをまいて土をかぶせる
水やり

ばらまき

適した野菜:
ホウレンソウやコマツナなど
  • 1. 畝の上から、タネをパラパラとまいていきます。
  • 2. タネが隠れる程度に土をかけます。
  • 3. クワの刃などで表面を軽く押さえて、タネと土を密着させます。
  • 4. たっぷり水をかけます。
タネをまく
土をかぶせる
かぶせた土を押さえる
水やり

移植栽培

育苗箱(シードパン)やポリポットにタネをまいて苗を育てる方法です。

ポリポットにまく

適した野菜:
キュウリやカボチャなどのウリ科野菜
用意するもの:
ポリポット、約3cm四方のネット、土、タネ
POINT
土は、市販の野菜用の土を使うか、赤玉土:腐葉土:バーミキュライト=5:3:2に、苦土石灰と化成肥料(N-P-K=15:15:15)を土1リットルに対し1~2g混ぜたものを使います。
  • 1. ポットの底にネットを敷きます。
  • 2. ポットに土を入れます。ポットの縁より1~2cm下ぐらいを目安にします。
  • 3. 表面に、指で深さ2~3cmのくぼみを2~3個つくります。
  • 4. くぼみにタネをひとつずつまきます。
  • 5. 土をかぶせます。
  • 6. 手で軽く押さえます。
  • 7. たっぷり水をかけます。
底にネットを敷く
土を入れる
指でくぼみをつくる
くぼみにタネをまく
土をかぶせる
手で軽く押さえる
水をやる

育苗箱にまく

効率的に大量の苗を育てることができます。
適した野菜:
レタスやキャベツなど
用意するもの:
育苗箱(シードパン)、土、棒、タネ
POINT
土は、市販の野菜用の土を使うか、赤玉土:腐葉土:バーミキュライト=5:3:2に、苦土石灰と化成肥料(N-P-K=15:15:15)を土1リットルに対し1~2g混ぜたものを使います。
  • 1. 育苗箱に、縁から1~2cm下のところまで土を入れ、棒で溝を5cm間隔でつくります。
  • 2. 溝のなかにタネを1cm間隔でまきます。
  • 3. 土をかぶせます。
  • 4. 手で軽く押さえます。
  • 5. 水をたっぷりかけます。
  • <ポットあげ>
  • 6. 発芽して子葉が開いたら、間引きを行います。
  • 7. 本葉が1~2枚開くまで育てたら、育苗箱と同じ土を入れたポリポットに移します。
土を入れて溝をつくる
タネをまく
土をかぶせる
手で軽く押さえる
水をやる
葉の開いた芽を間引く
小さな苗をポットに移し替える

発芽までの管理

タネをまいたあとは、発芽するまでていねいに愛情たっぷりに管理しましょう。

水やりをたっぷり

タネをまいたあとは、ジョウロでたっぷりと水を与えます。
土が乾くと、発芽が遅れたり、発芽率が落ちたりします。ポリポットや育苗箱にまいた場合は、ぬれた新聞紙をかけておくとよいでしょう。
POINT
ただし、水分が多すぎると酸素が足りなくなり、根腐れを起こすので注意しましょう。
育苗箱に濡れた新聞紙をかぶせる

適温をキープ

野菜の種類によって、発芽の適温が異なります。たとえば、レタスやセロリは18~20℃と低い温度を、トマトは25~28℃とやや高い温度を好みます。「じかまき栽培」をした場合は、寒冷紗などを使って、適温を保つよう工夫をしましょう。
タネそれぞれにあった発芽適温が必要

間引きする

発芽しても、小さくて細かったり、途中で枯死したり、虫害を受けたりする弱い苗があります。これらを小さな苗のときから順次抜いて、大きくて丈夫な苗だけを残していきます。
間引くと残った苗はのびのび