MotoGP

RC213V 2012-

2012年
世界選手権デビュー
2013年
Hondaが3冠達成
2014年
Hondaが2年連続で3冠達成
2016年
ライダー、コンストラクターの2冠達成
2017年
Hondaが3冠達成
2018年
Hondaが2年連続で3冠達成
2019年
Hondaが3年連続で3冠達成

苦難を乗り越え、ひと際輝きを放つ現行チャンピオンマシン

2012年のMotoGPクラスは、エンジン排気量が800ccから1000ccへと引き上げられ、そのレギュレーションの変更に合わせて作られたのがRC213Vです。エンジン排気量がアップしたことで、当然出力は増大しました。ただし、燃料タンク容量については前年と変わらず21Lであるため、出力だけに目を向けていては、燃料が足りなくなってしまいます。つまり、出力と燃費の最高のバランスを見つけることが、2012年型マシンの命題でした。もう一つ、2012年型マシンが解決しなければならかったのが車体重量についての課題です。この年のレギュレーションにおいて、最低車体重量は前年の150kgから153kgにアップ。各陣営は、それに合わせてマシンを作り込みました。ところが、オフシーズンでのテストの段階になって、突如153kgから157kgへの再変更が発表されました。モータースポーツは、車体がわずか100g重くなっただけで挙動が激変するシビアな世界。もちろん、条件はどの陣営も同じですが、レギュレーションの再変更により、Hondaも各所の開発を見直す必要に迫られたのです。さらに、シーズンが始まると、チャタリング(ステアリングに大きな振動が出てしまう現象)が発生するなど、新たな問題にも悩まされることに。それでも、Honda陣営はシーズン中もマシンの開発を続け、結果18戦中すべてで表彰台に登壇し、12勝。2年連続でのコンストラクターズタイトルを獲得し、Repsol Honda Teamがチームタイトルを手にしました。そして2013年にはマルク・マルケス選手がMotoGPクラスにステップアップ。RC213Vとのコンビですばらしい速さを発揮すると、6勝を挙げて史上最年少でチャンピオンに輝き、3冠達成の原動力となりました。2014年シーズンもRC213Vは開幕から12連勝を達成するなど、絶好調。18戦14勝で、2年連続の3冠を達成しました。

2016年には、MotoGPクラスでエンジンの使用制限や全車共通ECU(エンジンコントロールユニット)ソフトウェアの適用など、マシンに対するレギュレーションが大きく変更されました。Hondaも新レギュレーションに合わせ、16年型「RC213V」を用意。マルク・マルケス選手は、全18戦中5勝を含む12回の表彰台に登壇。2位の選手を大きく引き離すポイントで、ライダーズチャンピオンに輝き、Hondaはコンストラクターズタイトルも獲得。マシンの完成度を証明しました。さらに2017年には、3年ぶりとなる3冠を達成。2018年・2019年も連続で制し、2019年までで3年連続、9回目の3冠達成を果たしています。

エンジン種類
水冷4ストローク DOHC4バルブ V4
排気量
1,000cc
最高出力
over 175kW
車両重量
over 160kg
2019年 マルク・マルケス