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インディカー百科事典

インディアナポリス500マイル・レース

単一スポーツ・イベントとしては世界最大規模!

決勝レースの観客動員数は約40万人!

決勝日の観客動員数は約40万人。グランドスタンドを埋め尽くす。
熱気はインディアナポリスだけではない。09年はニューヨーク・マンハッタンで記念式典を行なった。

インディアナポリス500マイル・レース(通称インディ500)は、世界でもっとも長い歴史を持つ自動車レースである。

モータースポーツの世界では、インディ500、モナコ・グランプリ(F1グランプリ)、ル・マン24時間レース(スポーツカー耐久レース)を世界3大レースと呼ぶが、そのなかでもインディ500の歴史がいちばん長い。

1911年(明治44年)に第1回大会が開催され、2度の世界大戦中に開催中止の年が合計5年間あるので、2010年は第94回大会となる。開催日は第1回大会より毎年、5月30日のメモリアル・デー(アメリカ合衆国戦没将兵追悼記念日)の祝日に開催されていたが、1971年より祝日についての法律が一部変更施行されメモリアル・デーが毎年5月の最終月曜日と定められたので、その前日の日曜日(メモリアル・デー・ウィークエンド)に開催されることになった。

このような記念日に付随して開催されてきたレースであるから、アメリカ人にとってインディ500は自動車レースの範疇を超え、本格的な夏の訪れを告げる国民的行事となっている。

アメリカのレースファンが「ザ・ファイブハンドレット」の愛称で呼ぶインディ500の開催規模は桁外れに大きい。レース決勝日に結集する観客はおよそ40万人で、単一のスポーツ・イベントでは世界一の観客動員数を誇る。レーススピードは370km/hを超え、4つのターンではその超高速で4輪ドリフトし、直線では3台のマシンがサイド・バイ・サイドに並ぶことが珍しくない。レース展開によって変動する500マイルの平均スピードは350km/hから370km/h強である。2010年の優勝賞金は2,752,055ドル、賞金総額は13,592,815ドルであった。アメリカのレースファンがインディ500を「ザ・グレイテスト・スペクタクル」と絶賛する理由がわかるというものだ。

インディ500の舞台となるIMS(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)は、4本の直線を4つのターンでつないだ1周2.5マイル(約4km)のオーバルコースで、四角形であるところからスクウェア・オーバルという分類名がつけられている。このIMSをアメリカのレースファンは「ブリックヤード(レンガの庭)」と愛称で呼ぶ。開設期のコース路面がレンガ敷きであったからだ。現在もスタート&フィニッシュのラインのところに1ヤードだけレンガ敷きが記念として残されているが、もちろん特殊シールがほどこされていてバンプになることをふせいでいる。4つのターンのバンク角度は9度、直線は0度であり、超高速コースのわりにバンク角度がとても浅いので、ターンでの駆け引きは醍醐味にあふれ、これが独特のレース展開をつくる、ひとつの要素になっている。

決勝レースに出場できる33人のレーシングドライバーを決める公開練習(プラクティス)と予選(クオリファイ)は、すべての出場者に平等にチャンスを与えるという考え方から、そのシステムが複雑で長期間にわたる。インディ500は1か月かけて決勝レースにたどりつくレースだと言われていたが、例年9日間であった公開練習期間は、昨今の世界同時不況をかんがみて2009年から短縮されている。同一マシンでのレースがここ数年続いていることから、練習走行の時間が減らされても、各チームは高度なパフォーマンスを獲得できるようになっているからだ。もちろん、走行時間、日数を少なくすることでチームの経済的負担を軽減することも目的のひとつで、インディ500は時代に則して運営方法を変化させる。

決勝レースの日をむかえたIMSは、凄まじい熱気につつまれた特別な1日となる。コースインのために発せられる大号令は、複数の女性レーシングドライバーが出場する現在は「レディース&ジェントルメン! スタート・ユア・エンジンズ!」である。200周の超高速レースを制覇し、アメリカ人の平均生涯収入を軽くこえる賞金を稼いだレーシングドライバーには、ビクトリーサークルで牛乳を飲む素朴な風習が待っている。

インディ500はアメリカン・ドリームの神髄を見せる大きな大きなお祭りレースなのである。