日本人ドライバーによるアメリカン・オープンホイール・レース最高峰への挑戦は、1991年のヒロ松下までさかのぼります。

現在に至るまで、合計11名のドライバーが太平洋を越えて果敢に挑みましたが、残念ながら優勝した日本人はまだいません。しかし今シーズン、その歴史が塗り替えられるチャンスが巡ってきました。

現在、インディカー・シリーズにただ一人の日本人ドライバーとしてフル参戦する武藤英紀。2006年に国内最高峰のフォーミュラ・ニッポンとSUPER GTに参戦した武藤は、2007年にIRL インディカー・シリーズ直下のインディ・プロ(現インディ・ライツ)で年間2勝を挙げた活躍が認められ、その年の最終戦からIRL インディカー・シリーズにステップ・アップを果たしました。

デビュー戦でいきなりレース中の最速ラップを記録する走りを披露し、2008年からはIRL最多勝を誇る名門Andretti Green Racingに抜擢。第8戦アイオワで、ついに日本人の最上位更新となる2位表彰台を獲得し、年間でも見事ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのです。

11人目のチャレンジで、あと一歩に迫った日本人の初優勝。さまざまな経験を積んで大きく成長した今年の武藤英紀に注目です。