IRL インディカー・シリーズに参戦するドライバーは国際色豊かです。2008年はアメリカのほか、カナダ、イギリス、スペイン、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、ベネズエラ、日本など9カ国26名のドライバーがしのぎを削りました。

地元アメリカでステップアップしてきたドライバーや、ヨーロッパでレース経験を積んだドライバー、中にはF1経験者もいて、誰が勝ってもおかしくないハイレベルなバトルが毎戦繰り広げられています。2008年のチャンピオン、スコット・ディクソンはニュージーランドの出身です。

また、ほかのトップカテゴリーではあまり見ることができないのが、女性ドライバーの存在です。ツインリンクもてぎで開催された2008年のインディ・ジャパンを制し、インディカー史上初めての女性ウイナーとなったダニカ・パトリックは、人気、実力ともにシリーズを代表するドライバーのひとり。

スポーツカー耐久レースのデイトナ24時間で優勝経験があるミルカ・デュノーや、最近はドライバーとしてだけでなく、チームオーナーとしても活躍しているサラ・フィッシャーのようなベテランもいます。

女性ドライバーが活躍できる理由は、F1と違ってマシンの差が少なく、このシリーズの誰にも勝てるチャンスがあるということ。2008年のインディ・ジャパン勝者であるパトリックは、フルコースコーションのタイミングを巧みに利用し、燃料をセーブする走りを徹底。チームのすばらしい戦略と、パトリックのテクニックが高次元で融合した末の勝利だったのです。