7度の優勝で安定した走りを見せたボウ
藤波も健闘し、シーズン3位

一昨年は9勝、昨年は7勝と、圧倒的な強さで2連覇を果たしてきたREPSOL MONTESA HONDAのトニー・ボウは今年もシーズン7勝を挙げ、最終戦を除く全レースの表彰台に立ち、3年連続3度目のワールドチャンピオンに輝いた。

開幕戦が行われた北アイルランドは、初日あいにくの雨でボウと藤波は調子の上がらないスタートとなった。2日目には両ライダーともに徐々に本来の調子を取り戻し、ボウは今シーズン初優勝を飾った。ボウは、続く第2戦ポルトガルGPでライバルのアダム・ラガ(ガスガス)の半分足らずの減点で勝利し、王者の貫禄を見せつけた。その後、第3戦イギリスGPも2日間とも優勝を遂げ他を寄せ付けない走りでランキングトップをリードした。一方、チームメートの藤波は、大会初日に転倒するアクシデントで身体を強打し、そのまま無念のリタイアとなった。2日目が心配されたが、藤波の意地と執念で前日の影響を感じさせない4位でフィニッシュした。

そして藤波にとって母国GPとなる第4戦日本GPは、10周年の記念大会となった。藤波は前戦で負った胸の打撲を抱えながらも母国での戦いに一層の気合を入れ、初日を2位でフィニッシュし、ボウは優勝で終えた。2日目、藤波はボウに迫る走りで互角の戦いを展開。最終セクションまで優勝争いが持ち込まれ、藤波は確実な走りでクリアするもクリーン数でボウが優勝。藤波は、この大会でポイントランキング7位から4位まで上げた。第7戦スペインGP終了時点で、ボウのポイントは187、2位につけていたラガは168。1ポイント獲得すれば世界チャンピオンという状態で臨んだボウは、最終戦フランスGPを安定した走りで4位フィニッシュし、3連覇を飾った。

また、藤波も後半から本来の力を発揮し、第7戦ではボウに続き1-2フィニッシュ。ベテランライダーとしての走りを見せ、今シーズン3位となった。

REPSOL MONTESA HONDAはマニュファクチャラーズ・タイトルでも3連覇となり、女子世界選手権に参戦していたライア・サンツも最終戦を待たずに2年連続の世界チャンピオンを決めるなど、Honda勢が安定した強さを見せつけるシーズンとなった。