停電の備えにHonda発電機

災害時における
発電機活用事例

避難所など停電が続く災害現場で使われた発電機の事例をご紹介します。
※このコンテンツの内容は、2016年9月に行った取材を基に構成されています。肩書きは取材当時のものとなります。
CASE.4
「電動車いす」の
バッテリー充電に
大津町平川多々良区長 松本 照夫さん
大津町平川多々良区長
松本 照夫さん
ー 初めて経験する大きな地震による混乱
私の多々良区は、小学校が避難所になりましたが、避難所に行くと、たくさんの人が自動車で来ていて、パニックになってしまっていました。駐車場が足りなくて、後から来た人が、「どこに車を止めればいいのか」となってしまったんですね。車が止められなくて、避難所を出ていかざるをえない方もいました。
ー 台風に備えた発電機だった
本震のときには、3日ぐらい停電しました。地震の前に補助金でインバーター式の発電機を購入していましたので活用できました。インバーター式でないと色々な家電用品には使えないということを知っていたので、インバーター発電機を購入していましたが、たいへん役に立ちました。
もともとは地震ではなくて、台風の時の停電に備えるための発電機だったんです。地震の前年に大きな台風が直撃して、あちこちで木が倒れて、通行止めも起きましたので。でも、まさか地震で使うことになるとは思っていませんでした。
ー 電池の減りが激しいスマートフォン
3日間ほど電気が全くこなかったわけですが、スマートフォンの充電などに使いました。スマートフォンは特に消費電力が激しいそうで1日、2日ぐらいで電池が持たなくなってしまいます。避難されている方の唯一の連絡手段ですから、電力を切らすわけにはいかない。かわりばんこで充電をするようにしました。
携帯電話、スマートフォンは皆さんがお互いに連絡を取るのに必要ですから、一番ためになったかなと思います。携帯電話の充電もインバータ式でないと、壊れる可能性があるとのことでしたので、インバーター発電機で正解でしたね。
ー 電動の介護機器は電気がないと動かない
私の地域には、電動式車いすの方が避難されていまして、この方のバッテリー充電にも利用しました。避難して、夜が明けると、その方が「トイレをしたい」ということだったのですが、避難所には電動車いすのトイレの設備がありませんでした。ですので、ご自宅に戻りたいということだったのですが、ご自宅はバリアフリーではなくてリフト式で家に上がるようになっていました。ところが停電していますから、リフトが動かない。どうしようかとなったときに、発電機でリフトを上げました。ベッドでトイレができるようになっていましたが、今度はベッドが動かない。全部、電気が必要なんです。ここでも発電機からコードリールをひいて、動かしました。
ー 灯りがあるだけで不安が小さくなる
本震が来て、みんなが逃げる時に、何をやったかといったらスマートフォンを明かりにしたんです。それが最初の行動で、それで車の鍵を探して、車のライトをつけた。
真っ暗な避難所に発電機で電気をつけると、拍手が上がって、みんなが安心しましたね。人間がたくさん集まっていましたけれども、暗くなるとどうしても不安になる。小さい明かりでもあると安心なんです。
地震発生が4月で寒さがなかったのがせめてもの救いでした。暖房をするのには、持っていた発電機では小さいかな、というのがありましたからね。もし寒い時期だったら、暖房も必要になって、もっと出力の大きな発電機が必要だったと思います。先ほどお話しした障がいを持った方だと、もっと体を温めてあげないといけないですしね。