停電の備えにHonda発電機

災害時における
発電機活用事例

避難所など停電が続く災害現場で使われた発電機の事例をご紹介します。
※このコンテンツの内容は、2016年9月に行った取材を基に構成されています。肩書きは取材当時のものとなります。
CASE.1
災害対策本部の「照明」に活用
大津町役場 総務部総合政策課 緒方 雅一さん
大津町役場 総務部総合政策課
緒方 雅一さん
ー 地域によって停電の状況が違った
大津町の停電は、そんなに長時間ではなかったようです。私は熊本市内に住んでいるのですが、市内の方が停電は多かったみたいですね。大津町は14日の前震のときは停電は起きず、16日の本震のあとに停電が発生し、翌17日から電気が復旧し始めたと思います。
ー 深夜の地震で辺りは真っ暗だった
16日の本震は深夜に発生したので、その時に起きた停電で本当に真っ暗でした。何も見えない中で、なんとか発電機を役場に持ってきて、投光器につなげて明るくし、災害対策本部を設けました。もし発電機がなかったら、大変だっただろうなと思います。
大津町役場も大きな被害を受け、仮設役場で業務を行うことになった
ー 防災倉庫に備蓄していた発電機
発電機は役場の中に、4~5台ありましたね。少し離れていたところに公園があるのですが、そこにも備蓄してありました。ガソリンが燃料のタイプと、家庭用カセットボンベで動くタイプのエネポの2種類を備蓄していました。
ー もしもに備える発電機の備蓄
熊本地震以前に、発電機を非常時に使う機会はなかったと思います。夏祭りなどのイベントの電源として使っていた程度でした。
防災倉庫に発電機が備蓄されていることは役場のみんなで共有されていましたので、停電になると「すぐに発電機を持ってこよう」となりました。災害対策本部でも使用しましたが、食料の仕分けをする場所に、発電機を1台持っていき、そこでも投光器に使用しました。
ー 避難所の「灯り」と「炊き出し」に使われた発電機
避難所によって使われ方は違ったようですが、主に「照明」の電源として使われる中、地域によっては「炊き出し」にも使ったようです。避難している方が「スマートフォンの充電」で使用するということもあったと思います。
携帯電話の会社さんが「無料で使用してください」と、Wi-Fiを設置してくれたのですが、そのWi-Fiの電源に使ったというのも聞いています。
ー 避難所でニーズが高かった防災用品
避難された方に一番最初に求められたのは、まだ寒かったので「毛布」。それに「水」や「食料」ですね。その後は「トイレ」ですね。
「簡易トイレ」の備蓄もあるにはありましたが、全然数が足りませんでした。これには困りました。あとは女性ですと、生理用品。赤ちゃんのおむつなどもそうですね。あとは、お風呂に入れないので、体を拭くもの。大きな災害でしたので、想定していた防災計画通りにいかないことばかりでした。
ー 地域一体で必要な防災を考える
地震の発生から5ヶ月。正直なところ、防災計画や備蓄品の見直しまで手をつけられていない状況です。
本震から半年後の10月に住民の方を集めてワークショップをおこなう計画をしています。住民の方が「どこで被災したのか」「そこで何を感じたのか」「何が大事なのか」などを聞いて、今後、復興していく中で、何を大切にしていくべきなのかを聞きたいと思っています。住民の人達がどう考えているのか、その中に今後の復興に必要なものの答えがあると思っています。