2012年4月28日(土)・予選 会場:サンパウロ市街地特設コース 天候:曇り
気温:23〜24℃
南米ブラジルのサンパウロに遠征して開催されるIZODインディカー・シリーズは、今年で3回目を数えます。ダウンタウン北部の公園とその周辺道路を使ったストリートイベントは、年を重ねるごとに人気が上がり、今年はチケット完売の盛況となりました。
今大会は土曜、日曜にかけての2日間開催で、28日(土)はプラクティス2回と予選が行われました。3段階で開催される予選でトップ6に食い込み、ファイナルステージでポールポジションを争ったHondaドライバーは、ダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)、ジャスティン・ウィルソン(Dale Coyne Racing)の3人でした。そして、この中からフランキッティが2番手につけ、ディクソンも3番手のスターティンググリッドを手に入れました。ウィルソンは6番手でした。
フランキッティは、とても惜しいタイムで今季初のポールポジションを逃しました。PPを獲得したウィル・パワー(Team Penske)との差は、わずかに0.044秒しかありませんでした。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、プラクティス2でエンジントラブルが発生したために予選への出走を果たせず、明日のレースは最後尾の26番グリッドから臨むことになりました。佐藤はプラクティス1回目でギアボックスの冷却系にトラブルが発生し、その対策を行ってプラクティス2を走り出したのですが、8周目にトラブルのためストップ。ほとんど走り込みの行えない状態で決勝のレースを迎えることとなりました。しかし、明日の天気予報は雨。昨年のこのコースで行われたウエットコンディションのレースで、目覚ましい速さを披露した佐藤だけに、大きく順位を上げてのフィニッシュが期待されます。
ダリオ・フランキッティ(2番手) 「今週末はとてもスムーズに戦えてきたと思います。シーズンのスタートは厳しいものとなり、多くのトラブルが襲いかかってきました。しかし今週末は、走り始めからマシンがとてもいい状態にあり、そこから進歩を遂げることもできています。予選はとても悔しい結果となりました。もっといいタイムを出せるマシンになっていたのに、完ぺきなラップを1周もまとめ上げることができなかったのです。予選は2番手となりましたが、チームの働きぶりにはただただ脱帽するばかりです。開幕以来、私たちはずっとハードワークを続けて来ました。Hondaもすばらしい仕事をしてくれています。それによって私たちは、ライバル勢との間にあった差を縮めることができています。明日のレースは、本当にどうなるかが楽しみです。ウエットコンディションでのレースになる可能性もあるからです。ファンにとって大変おもしろいレースになるとき、私たちドライバーにとってそれは非常に難しいものになるでしょう」
佐藤琢磨(26番手) 「残念ながら、あまりよくない一日となってしまいました。最初のプラクティスでは、トラブルではなかったのですが、少し気になるデータがマシンからピットへと送られていたため、リスクを避けようと、走行を早めに切り上げました。マシンには問題がないと判明しましたが、セットアップを向上させることはできませんでした。プラクティス2回目は、ほとんど走らないうちにトラブルでストップせねばならず、予選までの時間が短かったために、すべての準備を整えて予選に臨むことは不可能となってしまいました。明日は90%の確率で雨が降ると言われています。雨なら、ポジションを上げていくことも可能でしょう。作戦も上手に使って、上位でのフィニッシュを目指します」
ロジャー・グリフィス | HPD テクニカル・ディレクター
「第3戦のロングビーチよりも、私たちはいい予選結果を手にすることができました。ロングビーチでこのようなパフォーマンスを見せられなかったことは、さまざまな面から残念でなりません。今回から私たちはターボを変更していますが、ターボ以外の部分でもHPDのスタッフたちがドライバビリティ向上のため、ハードワークをこなしてくれました。その結果、ターボ変更との相乗効果によって、私たちはHondaエンジンの性能アップを実現できたのだと思います。Hondaドライバーたちからは、すでにとてもいいコメントをもらっています。
しかし残念なことに今回、また佐藤琢磨選手のエンジンにトラブルが出てしまい、予選出走のチャンスすらなくしてしまいました。今シーズンの彼は不運が続いています。それが幸運へと180度変わってくれることを祈るばかりです。
明日の決勝がウエットコンディションでのレースになれば、佐藤選手は昨年のようにすばらしい走りで、大きく順位を上げる戦いを見せてくれることでしょう。今年も佐藤選手は速さを見せてきていますし、チームも作戦力の高さなどで上位での戦いができています。明日も佐藤選手とRahal Letterman Lanigan Racingがそうした戦いを見せてくれることを楽しみにしています」
順位 | No. | ドライバー | チーム | エンジン | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | W.パワー | Team Penske | シボレー | 1:21.4045 |
2 | 10 | ダリオ・フランキッティ | Chip Ganassi Racing | Honda | 1:21.4485 |
3 | 9 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | Honda | 1:21.8545 |
4 | 27 | J.ヒンチクリフ | Andretti Autosport | シボレー | 1:21.9956 |
5 | 28 | R.ハンターレイ | Andretti Autosport | シボレー | 1:22.2408 |
6 | 18 | ジャスティン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | Honda | 1:21.2681 |
7 | 38 | グレアム・レイホール | Chip Ganassi Racing | Honda | 1:21.8033 |
8 | 14 | マイク・コンウェイ | A.J. Foyt Enterprises | Honda | 1:21.8122 |
9 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Sarah Fisher Hartman Racing | Honda | 1:21.8128 |
10 | 2 | R.ブリスコー | Team Penske | シボレー | 1:21.8495 |
11 | 26 | M.アンドレッティ | Andretti Autosport | シボレー | 1:21.8498 |
12 | 11 | T.カナーン | KV Racing Technology | シボレー | 1:22.5210 |
16 | 83 | チャーリー・キンボール | Chip Ganassi Racing | Honda | 1:22.1973 |
17 | 77 | シモン・パジェノー | Schmidt Hamilton Motorsports | Honda | 1:22.4354 |
18 | 19 | ジェームズ・ジェイクス | Dale Coyne Racing | Honda | 1:22.3840 |
26 | 15 | 佐藤琢磨 | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | - |