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レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング

その名が示す通り、複数のオーナーによって経営されているチームです。その中心は1986年インディ500ウイナーで、86、87、92年にインディカーのシリーズ・チャンピオンに輝いているボビー・レイホールです。2人目のオーナーであるデイビッド・レターマンは、アメリカで絶大なる人気を誇るテレビ番組“レイト・ショー”のホスト。インディアナ出身でインディカー・レースに大きな情熱を持っています。そして3人目のオーナーは、建設機材のメーカーなどで成功を収めている実業家のマイク・ラニガン。彼は長年、レースの世界に関わってきましたが、2011年からレイホールのチームへと加入しました。
1994年にHondaがインディカー・シリーズへの挑戦を開始した時、パートナーを務めたのが同チームの前身であるレイホール・ホーガン・レーシングで、Honda Indy V8にとっての最初の表彰台フィニッシュを94年のトロントで記録したドライバーは、レイホール自身でした。その後いったん、Hondaとの共闘関係は途切れましたが、2003年にHondaエンジンで再び戦うようになり、Hondaにとっての初めてのインディ500優勝を、05年にレイホール・レターマン・レーシングとドライバーのバディ・ライスが達成しました。 レイホール率いるチームは、08年まで続けていたインディカー・シリーズのフル参戦をストップし、09年からはインディ500などへのスポット参戦を行うのみでしたが、新型シャシーが導入され、3メーカーによるエンジン競争も再開される12年は大きなチャンスととらえ、フルシーズン・エントリーを再開させることになりました。インディアナポリスに新たなワークショップを開設した彼らは、佐藤琢磨をリーディング・ドライバーに起用することを決定し、インディ500からはイタリア人のルカ・フィリッピも走らせる2台体制で戦っていきます。

#15

佐藤琢磨Takuma Sato

1977年生まれ。東京都出身。大学生になってから鈴鹿サーキットレーシングスクール フォーミュラ(SRS-F)に入り、カートでのレース出場も開始。全日本F3を走ったあとに渡英し、激戦のイギリスF3で参戦2年目の2001年にシリーズチャンピオンへと昇り詰めました。02年にジョーダン・グランプリからF1世界選手権に出場を開始した佐藤は、テストドライバーとしての1年を挟んで、B・A・R Honda、スーパーアグリF1チームでF1グランプリに08年途中まで戦い続けました。04年にはアメリカGPで日本人ドライバーとして歴代最上位タイの3位フィニッシュを達成、表彰台に上っています。佐藤はインディカーへの挑戦を2010年にスタートさせました。KVレーシング・テクノロジーで2シーズンを戦い、11年にはアイオワ・スピードウェイで日本人として初めてのポールポジションを獲得。エドモントンのテンポラリー・ロードコースでは2度目のポールポジションを記録しています。キャリア最高位はこの年のミッドオハイオ・スポーツカー・コースでの4位。移籍したチームで戦う3シーズン目、佐藤には日本人ドライバーとしての初優勝が期待されるのはもちろんのこと、多くのレースで優勝争いへと加わり、ランキング上位を争うことが使命とされています。

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ルカ・フィリッピLuca Filippi

1985年生まれ。イタリア出身。8歳でレーシング・カートを始め、その才能を高く評価されたフィリッピは、2002年にフォーミュラカー・レースへとステップアップするチャンスをつかみ、プロフェッショナル・レーシングドライバーとしての道を歩み始めました。 04年には初めてのフルシーズン参戦だったユーロF3000でシリーズ3位に食い込む好パフォーマンスを見せ、翌05年にはイタリアF3000で4勝をマークしてチャンピオンに輝きました。06年にはGP2へ出場し、08年からはGP2アジアへもエントリーを開始。さらに、10年からはユーロF3000の後継カテゴリーであるオートGPにも参戦しました。 GP2では09年に 1勝を記録してランキング5位に食い込み、翌10年にも1勝をマークし、ランキング2位を獲得しました。11年はシーズン半ばでのチーム移籍を経験しながらも前年と同じランキング2位を堅持。GP2アジアでは、10年に1勝してランキング2位。11年にも2勝を挙げています。そして、オートGPでは10年にシリーズ5位、11年にはシリーズ2位を獲得するなど着実に実力を上げてきています。 F1世界選手権では、05年にミナルディで、07年にはSUPER AGURI F1 TEAMでテストを行い、08年にはHonda Racing F1 Teamの若手ドライバー育成プログラムに参加しました。そして、2012年、フィリッピはインディ500でインディカー・デビューを果たします。