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インディカー・シリーズ

round 14

SCHEDULE

August 2 2015, RACE Honda Indy 200 at Mid-Ohio

アメリカミッドオハイオ

グレアム・レイホールが地元コースで優勝
今季2勝目を挙げたレイホールはポイントランキングでトップに9点差まで迫る
ジャスティン・ウィルソンが2位でHondaは1-2フィニッシュを達成
佐藤琢磨は接触の影響で24位

2015年8月2日(日)・決勝  会場:ミッドオハイオ・スポーツカー・コース  天候:快晴  気温:30〜31℃

2015年のインディカー・シリーズは第14戦を迎え、もう残すのは3戦だけとなっています。今シーズン4戦目となる常設ロードコースでのレースは、すばらしい好天下で開催されました。

  • グレアム・レイホールグレアム・レイホール
  • グレアム・レイホールグレアム・レイホール
  • グレアム・レイホール(#15)、ジャスティン・ウィルソングレアム・レイホール(#15)、ジャスティン・ウィルソン
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨

オハイオ州の州都コロンバスの郊外にあるミッドオハイオ・スポーツカー・コースは、緩やかなうねりを持つ丘陵地帯に造られた美しいサーキットで、観戦エリアも地形を利用して、芝生の上からレースを見られるようになっています。ツイスティーでアップダウンに富んだコースは、高度なテクニックだけでなく強じんな体力もドライバーたちに要求します。真夏の太陽が照りつけ、蒸し暑いコンディションとなった決勝日、24人のドライバーたちはインディカー・シリーズならではの激しいバトルを全長2.258マイルのミッド・オハイオで繰り広げ、13番グリッドからスタートしたHondaドライバーのグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が見事優勝を飾りました。

土曜日に行われた予選でのレイホールは、フライングラップ中に遅いマシンに追いついてしまって大きくタイムをロスし、第2セグメントに進むことができませんでした。彼が手に入れたのは13番グリッドで、トップ争いに加わるにはレース展開を味方につける作戦を成功させる必要がありました。予選で使用したソフトタイヤでスタートしたレイホールは、序盤にして2つポジションを上げ、13周を終えたところで最初のピットストップを行いました。フルタンクなら20周以上を走れるのですが、トップグループとタイミングを違えてコースの空いている場所を走り、差を縮めることを狙ったのです。この作戦が功を奏した上、レース終盤の66周目にフルコース・コーションが出される寸前に3回目のピットストップを敢行する好判断がチームによって下され、そのコーションが明けるとレイホールはトップに躍り出たのでした。

残り21周でレースが再開されると、レイホールは後続を軽々と突き放してみせました。マシンのハンドリングがよく、軽快な走りで3秒ものリードを築き上げました。しかし、残り周回数が10周というところでアクシデントが発生し、再び差はゼロに。レースは残り7周で最後のリスタートが切られました。この時、全員に10回が与えられるプッシュ・トゥ・パスが、もうレイホールには残されていませんでした。しかし、彼はプッシュ・トゥ・パスを2回残していたジャスティン・ウィルソン(Andretti Autosport)によるアタックを弾き返し、今シーズン2勝目、キャリア通算3勝目を、地元オハイオ州でつかみ取ってみせたのでした。

今回が今シーズン5戦目の出場だったウィルソンは、予選14番手から今季の自己ベストとなる2位でゴールしました。Hondaインディ200において、Hondaドライバーが1-2フィニッシュを達成したのです。今日のミッドオハイオには、オハイオのHonda従業員および関係者1万5000人が詰めかけており、彼らの声援を浴びてHondaエンジン、Hondaエアロキットは今シーズン5勝目を記録しました。また、最後尾スタートだったトリスタン・ボーティエ(Dale Coyne Racing)が6位でゴールし、第13戦アイオワで優勝したばかりのライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)は7位、ジャック・ホークスワース(A.J. Foyt Racing)が8位、デトロイトの勝者カルロス・ムニョス(Andretti Autosport)が9位、そして、マルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)が10位と、Hondaドライバー7人がトップ10でフィニッシュし、1-2フィニッシュに花を添えました。

予選16番手だった佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、1回目のピットストップをレイホールたちと同様に早めに行いましたが、その直後に他車と接触。ダメージの修復で周回遅れに陥り、レースに戻ったものの再びマシンを損傷し、ピットでレースを終えました。

次戦は1週のインターバルのあとにペンシルベニア州ポコノの三角形オーバルで行われる500マイルレースです。

コメント

グレアム・レイホール(優勝)
「私自身にとっても、Hondaにとっても特別な一日となりました。私が今後インディカーで多くの勝利を挙げることになりながら、ここミッドオハイオでのレースで一度も勝つことができなかったら、私は自分のキャリアに大いにガッカリすることでしょう。このコースでの勝利が、私たち家族にとってどれだけ大きな意味を持つかは、なかなか理解をしてもらえないと思います。レイホール家にとって、ミッドオハイオというコースは本当に特別な存在なんです。父をレーシングドライバーとしての成功に導いたジム・トゥルーマンが造ったコースで、私たちのチームはずっとこのコースと、オハイオ州コロンバスを地元として戦っているのです。最後のリスタートで私はプッシュ・トゥ・パスが残っていませんでした。ジャスティンにパスされる心配をせねばなりませんでした。しかし、マシンが最高の仕上がりだったので、今日はだれが相手でも突き放すことができていました」

ジャスティン・ウィルソン(2位)
「2位フィニッシュを大変喜んでいます。ゴール前の最後のリスタートではグレアム・レイホールをパスすべく全力でプッシュしました。しかし、彼のマシンを押し出したり、ホイールをぶつけることはしたくありませんでした。彼はチャンピオン争いをしているHondaドライバーですからね。しかし、それと同時に、彼に思いきりアタックすることで、彼に自身の力で勝利をつかみ取ってほしかったんです。彼はファンタステッィックな走りを見せていました。私にはあと1回のプッシュ・トゥ・パスが残されていましたが、グレアムは速すぎて、それを使うチャンスはありませんでした。今日の彼の勝利は全面的に称賛されるべきものです。私も全力で戦いました。私にチャンスを与えてくれ、すばらしい仕事をしてくれているAndretti AutosportとHondaに深く感謝します。Hondaのホームコースで1-2フィニッシュを達成できて、とてもうれしいです」

佐藤琢磨(24位)
「オーバーテイクの難しいコースなので、序盤に早い段階でピットストップを行う作戦を立てていました。実際に僕らは早めにピットインし、そこまでは非常に順調だったと思います。ところが、コースに戻ったあとにリアからぶつかってきたドライバーがいてホイールガードが壊れ、その修理で2周遅れとなりました。自分の走行ペースはトップとほとんど変わらないものにできていたのですが、2ラップを取り戻すのは難しかったですね。最後のピットストップを前にコースアウトし、リアのウイングレットにダメージを受けました。私はピットに戻り、そこでリタイアとなりました。今回は自分にとってインディカーでの100戦目でしたが、レースは残念なものとなりました。次の101戦目から、またフレッシュな気持ちでがんばりたいと思います。今シーズンの残り2戦、いい戦いができるようがんばります」

アート・セントシアー|HPD社長
「Hondaにとって最高の一日になりました。ミッドオハイオはHondaにとってのホームコースですから、ここで勝つこと、大勢のHondaアソシエーツたちを前に優勝することはいつでも大変大きな喜びなのです。おめでとう、グレアム! おめでとう、ボビー。彼らのチームスタッフ全員によるシーズン2勝目を称えたいと思います。次戦ポコノへ、彼らは大きな勢いとともに乗り込むこととなりますね。HPDは彼らのチームと力を合わせ、チャンピオン争いに向けてのハードワークを続けていきます」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
115グレアム・レイホールHonda901:55'20.0864
225ジャスティン・ウィルソンHonda90+3.4049
322S.パジェノーシボレー90+4.5706
49S.ディクソンシボレー90+5.0293
510T.カナーンシボレー90+10.5943
619トリスタン・ボーティエHonda90+11.4414
728ライアン・ハンターレイHonda90+13.8958
841ジャック・ホークスワースHonda90+15.0372
926カルロス・ムニョスHonda90+15.6116
1027マルコ・アンドレッティHonda90+16.0094
 
1298ギャビー・シャヴェスHonda90+16.4962
167ジェイムス・ジェイクスHonda90+20.1010
185ライアン・ブリスコーHonda90+20.8331
2018ロドルフォ・ゴンザレスHonda90+24.9667
2414佐藤琢磨Honda60+30Laps

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
12J.P.モントーヤシボレー465
215グレアム・レイホールHonda456
39S.ディクソンシボレー431
43H.カストロネベスシボレー407
51W.パワーシボレー406
611S.ブルデーシボレー379
727マルコ・アンドレッティHonda378
867J.ニューガーデンシボレー370
910T.カナーンシボレー354
1022S.パジェノーシボレー329
 
1128ライアン・ハンターレイHonda304
1226カルロス・ムニョスHonda303
1414佐藤琢磨Honda246
1598ギャビー・シャヴェスHonda229
167ジェイムス・ジェイクスHonda227
1741ジャック・ホークスワースHonda226
2119トリスタン・ボーティエHonda152
225ジェームズ・ヒンチクリフHonda129
235ライアン・ブリスコーHonda120
2425ジャスティン・ウィルソンHonda92
2518コナー・デイリーHonda81
2725シモーナ・デ・シルベストロHonda66
2918ピッパ・マンHonda59
3118ロドルフォ・ゴンザレスHonda50
3219フランチェスコ・ドラコーネHonda38
3418カルロス・ウエルタスHonda31
3548アレックス・タグリアーニHonda27
3619ジェームス・デイビソンHonda10
3732オリオール・セルビアHonda10