モータースポーツ > インディカー・シリーズ > 第6戦 インディアナポリス > 決勝
May 24 2015, RACE 2015 Indianapolis 500
インディアナポリス
2015年5月24日(日)・決勝 会場:インディアナポリス・モータースピードウェイ 天候:晴れ 気温:25〜27℃
今年で99回目の開催を迎えたインディアナポリス500マイルレースは、全長2.5マイルのコースの半周以上を取り囲む巨大なグランドスタンドとインフィールドに大観衆を集めました。伝統ある高速オーバルコースを200周するレースは、雨の心配がない好天の下で開催されました。今回のインディ500には、Honda V6ターボエンジンを搭載するHonda製エアロキット装着マシン17台が出場しました。
6列目中央の17番グリッドからスタートしたグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、序盤は15番手近辺を走行し、65周過ぎに行った2回目のピットストップのあとにトップ10入りを果たしました。そこからさらに順位を上げるのは容易ではありませんでしたが、インディ500直前のシリーズ第4戦、第5戦で2レース続けて2位フィニッシュをしているレイホールは、冷静かつ自信に満ちた走りを続け、クルーたちも素早く確実なピットストップでそれをサポート。ゴール前15周で切られた最後のリスタートの後に2台をパス、さらに2台が給油のためのピットストップを行ったことで2ポジションを上げ、5位でのゴールを勝ち取りました。
マルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)は予選8番手で3列目中央のグリッドからスタートを切り、レイホールの後ろの6位でゴールしました。インディアナポリスのコースを得意とする彼は、序盤からトップ10にポジションを保ち続け、チャンスが訪れるのを待っていました。ピットストップで小さくセッティングを変更し、上位への進出を目指し続けたアンドレッティは、粘り強く戦い続けて6位フィニッシュ。第3戦ロングビーチでの8位を上回る今シーズンのベストリザルトを手に入れました。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)はスタート直後のターン1で他車と接触し、コーナー外側の壁との間に挟まれてサスペンションを壊しました。修理には2周が必要となり、1回目のピットストップを終えた後に3周遅れに陥りましたが、ピットタイミングを的確に選んだ作戦のよさと、佐藤自身の果敢な走りによって1つずつポジションをばん回。それが周回の遅れを取り戻すことにもつながりました。
レース終盤の169周目、佐藤はついにトップと同一周回のリードラップに復帰しました。そして、そこからの約30周で抜きつ抜かれつの激しいポジションを展開し、13位でチェッカーフラッグを受けました。アクシデントで傷んだマシンでありながら、トップグループに近いペースを保ち続けてゴールできたことを考えると、1周目の接触と後退が非常に悔やまれるレースとなりました。
次戦は今週末、インディアナの北のミシガン州デトロイトで行なわれるストリートコースでのダブルヘッダーです。
グレアム・レイホール(5位)
「チームの全員を本当に誇りに思います。彼らは休みなしにがんばり続けてくれているんです。今回も私たちはHondaチームの中でベストのリザルトを獲得しました。残念ながらシボレー勢にはパワーがありました。そうした状況ながら、私たちはゴール前にあそこまで上位グループに接近できました。そのことに私自身は満足しています。ゴールまで15周で9番手、あるいは10番手というポジションにつけている場合、そこからのバトルは非常に難しいものになります。しかし、終盤のバトルはとても楽しめました。今日のレースは、見てくれていたファンの皆さんにとっても大変おもしろいものになっていたと思います。レース前にクルーと話したのは、Honda勢のトップになり、ポイントランキングでも上位を保つことでした。ランキング上位のドライバーたちは、私たちより上位でゴールしていましたが、私たちもとても多くのポイントを獲得できました」
佐藤 琢磨(13位)
「あのスタート直後のアクシデントが本当に残念です。私はアウト側のラインを保っており、アウト側を回ってコーナーを抜けられるところでした。彼は私の方にラインを上げて来ましたが、こちらの前輪は彼の後輪より前に出ていましたから、もう何もできず、彼のマシンと壁とのサンドイッチになってしまいました。ピットに戻って、折れたサスペンションアームを交換し、2周遅れに陥りました。その後にさらに1ラップの遅れとなりましたが、150周をかけてリードラップに戻ることができました。クルーたちはピットストップをがんばってくれ、チームの作戦もよかったからこそ、最後のリスタートからリードラップでの戦いを演じることができました。最後のバトルでも2つほどポジションを上げることができました。とてもハードなレースであり、また、非常に残念なレースにもなりました」
アート・セントシアー|HPD社長
「今日のレースでは、私たちが今後すべき仕事が明らかになりました。今月インディアナポリスで戦って、とても多くのデータを集めました。そして、Hondaが再びインディカーのレースでトップ争いを行うために何が必要かが判明し、明確な目標を設定することができました。グレアム・レイホールとマルコ・アンドレッティの奮闘を称えたいと思います。彼らがまたしても私たちのためにすばらしい仕事をしてくれました。彼らは200周にわたって激しく戦い、高い競争力を見せ続けていました」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | J.P.モントーヤ | シボレー | 200 | 3:05'56.5286 |
2 | 1 | W.パワー | シボレー | 200 | +0.1046 |
3 | 83 | C.キンボール | シボレー | 200 | +0.7950 |
4 | 9 | S.ディクソン | シボレー | 200 | +1.0292 |
5 | 15 | グレアム・レイホール | Honda | 200 | +2.3122 |
6 | 27 | マルコ・アンドレッティ | Honda | 200 | +2.5388 |
7 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 200 | +2.7821 |
8 | 6 | J.R.ヒルデブランド | シボレー | 200 | +3.5631 |
9 | 21 | J.ニューガーデン | シボレー | 200 | +4.0281 |
10 | 22 | S.パジェノー | シボレー | 200 | +4.2148 |
12 | 5 | ライアン・ブリスコー | Honda | 200 | +5.6687 |
13 | 14 | 佐藤琢磨 | Honda | 200 | +6.1678 |
15 | 28 | ライアン・ハンターレイ | Honda | 200 | +9.6481 |
16 | 98 | ギャビー・シャヴェス | Honda | 200 | +10.1016 |
17 | 48 | アレックス・タグリアーニ | Honda | 200 | +11.2151 |
18 | 7 | ジェイムス・ジェイクス | Honda | 200 | +12.0431 |
19 | 29 | シモーナ・デ・シルベストロ | Honda | 200 | +12.7328 |
20 | 26 | カルロス・ムニョス | Honda | 200 | +39.8346 |
21 | 25 | ジャスティン・ウィルソン | Honda | 199 | +1Lap |
22 | 63 | ピッパ・マン | Honda | 197 | +3Laps |
24 | 41 | ジャック・ホークスワース | Honda | 175 | +25Laps |
27 | 19 | ジェームス・デイビソン | Honda | 116 | +84Laps |
28 | 18 | トリスタン・ボーティエ | Honda | 116 | +84Laps |
29 | 32 | オリオール・セルビア | Honda | 112 | +88Laps |
33 | 43 | コナー・デイリー | Honda | 0 | +200Laps |
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | J.P.モントーヤ | シボレー | 272 |
2 | 1 | W.パワー | シボレー | 247 |
3 | 9 | S.ディクソン | シボレー | 211 |
4 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 206 |
5 | 15 | グレアム・レイホール | Honda | 204 |
6 | 67 | J.ニューガーデン | シボレー | 173 |
7 | 11 | S.ブルデー | シボレー | 161 |
8 | 83 | C.キンボール | シボレー | 160 |
9 | 27 | マルコ・アンドレッティ | Honda | 151 |
10 | 10 | T.カナーン | シボレー | 147 |
12 | 28 | ライアン・ハンターレイ | Honda | 130 |
13 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | Honda | 129 |
14 | 26 | カルロス・ムニョス | Honda | 122 |
15 | 14 | 佐藤琢磨 | Honda | 106 |
16 | 7 | ジェイムス・ジェイクス | Honda | 99 |
17 | 98 | ギャビー・シャヴェス | Honda | 99 |
19 | 41 | ジャック・ホークスワース | Honda | 76 |
21 | 25 | シモーナ・デ・シルベストロ | Honda | 66 |
25 | 19 | フランチェスコ・ドラコーネ | Honda | 38 |
26 | 0 | ライアン・ブリスコー | Honda | 36 |
28 | 18 | カルロス・ウエルタス | Honda | 31 |
29 | 0 | アレックス・タグリアーニ | Honda | 27 |
30 | 0 | ジャスティン・ウィルソン | Honda | 25 |
31 | 18 | コナー・デイリー | Honda | 23 |
32 | 0 | ピッパ・マン | Honda | 16 |
33 | 18 | ロドルフォ・ゴンザレス | Honda | 10 |
34 | 0 | ジェームス・デイビソン | Honda | 10 |
35 | 0 | トリスタン・ボーティエ | Honda | 10 |
36 | 0 | オリオール・セルビア | Honda | 10 |