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インディカー・シリーズ

round 02

SCHEDULE

April 12 2015, RACE Indy Grand Prix of Louisiana

アメリカニューオーリンズ

悪天候により1時間45分に短縮されたレースで、
ジェームズ・ヒンチクリフがHondaエンジンとともに今季初優勝
佐藤琢磨はアクシデントの影響で22位

2015年4月12日(日)・決勝  会場:NOLA モータースポーツパーク  天候:曇り  気温:21〜24℃

2015年のインディカー・シリーズ第2戦インディ・グランプリ・オブ・ルイジアナは、ニューオーリンズ郊外のNOLA モータースポーツパークで開催される初めてのインディカーイベントでした。今週末のニュー・オリンズはずっと天候に恵まれませんでしたが、決勝日にはとても多くのファンがサーキットに集まりました。

  • ジェームズ・ヒンチクリフジェームズ・ヒンチクリフ
  • ジェームズ・ヒンチクリフジェームズ・ヒンチクリフ(中央)、ジェイムス・ジェイクス(右)
  • ジェイムス・ジェイクスジェームズ・ヒンチクリフ
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨

朝方からの雨でファイナルプラクティスが行えないほどコースに水があふれましたが、懸命の乾燥作業が行われ、ウエットコンディションで午後2時前に決勝のスタートが切られました。夕方になって再び悪天候が襲う可能性が懸念されたため、インディカーはレースのスタート時刻を早め、同時にレースは予定の75周が完了しない場合でも、スタートから1時間45分が経過した時点で新しいラップには入らないというルールを採用しました。

幸いにも決勝スタート後に再び雨が降ることはなく、短時間で路面は乾いていきました。10周を超えたころからピットインを敢行してタイヤをウエット用からドライ用にスイッチするチームが続出しましたが、コースの多くの部分で完全に乾ききらない状態が続き、24人のドライバーたちはデリケートなマシンコントロールを要求されました。濡れた部分が残っている路面でのバトルではアクシデントやコースオフが続出。なかなか周回が進まずに刻々と時間は経過していきました。

6回ものフルコースコーションが出されたレースは、スタートからの経過時間を計算に入れた作戦が勝利への近道となりました。1回のピットストップだけで、燃費セーブを徹底してゴールを目指すという、ある意味ではギャンブルとも取れた作戦を選んだジェームズ・ヒンチクリフとSchmidt Peterson Motorsportsが勝利を飾ったのです。ゴールを告げるチェッカーフラッグは、当初予定されていた75周より28周も少ない47周でイエローフラッグとともに振り下ろされました。

ヒンチクリフにとってのキャリア4勝目は、Schmidt Peterson Motorsportsへの移籍後わずか2戦目で達成されました。今日の優勝は、Hondaにとっても2015年シーズン最初の勝利となりました。

ヒンチクリフのチームメート、ジェイムス・ジェイクスは、序盤の19周目にスピンを喫して後退しながら、驚くべきばん回を実現して3位でのゴールを果たしました。29周目にピットインして燃料補給した作戦が功を奏したのです。ジェイクスはレース終盤に目覚しいペースで戦っており、2位へとポジションを上げる可能性すら見せながら3位でゴールし、チームに1-3フィニッシュをもたらしました。

シモーナ・デ・シルベストロ(Andretti Autosport)は、ウエットタイヤで12以上ものポジションアップを果たして4位でのゴールを達成。グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は8位フィニッシュ。Hondaドライバーは表彰台の2名を含め、4名がトップ10入りを果たしました。

佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、得意のウエットレースでの活躍が期待されていましたが、ウエットコンディション用セッティングが芳しくなく、苦戦を強いられました。それでも慎重に走り続けてゴールを目指していた佐藤でしたが、レースが終盤に入ったところで他車に接触され、その衝撃でマシン内側の電装系ラインが破損。39周でピットに入り、レースに復帰できずに22位という結果を得るにとどまりました。

インディカー・シリーズは休む間もなく大陸を西へと向い、カリフォルニア州ロングビーチのストリートで第3戦を開催します。

コメント

ジェームズ・ヒンチクリフ(優勝)
「ステイアウトする作戦でいくと決断したとき、このまま1回のピットストップでゴールまで走りきれてしまったらおもしろいな、と考えました。それが本当になるなんて全く考えていませんでした。実際には、雨の可能性があるのでピットインしない作戦に出たのですが、フルコースコーションの多さが我々の作戦に味方するレース展開となりました。優勝できたことはうれしいのですが、その一方でファンの皆さんにはもっと多くの周回でインディカーらしい激しいバトルをお見せしたかったとも思っています。私たちが勝てたのは、マシンがソフトタイヤ装着でベストの走りができるものに仕上がっていたからでもありました。2台のペンスキー勢をリスタートで突き放すことさえできていました。燃料が持つ限り、私は彼らを封じ込めることができると自信を持って戦っていました。今日、Hondaのため、そしてチームのために今季初勝利を記録できたことを、とてもうれしく思います」

佐藤琢磨(22位)
「決勝日も自分たちの置かれた状況は厳しいものでした。今日のレースは本当に難しいコンディションでの戦いになっていました。かなりのウエットコンディションで始まり、雨は止み、路面は1周ごとにレーシングラインが乾いていきました。私たちはグリップとマシンのバランスで苦しんでいましたから、早い段階でピットに入り、ソフトタイヤにスイッチしました。その結果ペースが上がり、いくつかのポジションアップも果たせました。しかし、リスタートで2名のドライバーたちが絡み、私にぶつかってきました。そのときの衝撃でサイドポッドが壊れ、内側のコードが破損。ギアシフトができなくなってレースを終えることとなってしまいました。次のロングビーチでは、開幕戦のセントピーターズバーグと同様にマシンは速いはずですから、ぜひともいいレースを戦いたいと考えています」

アート・セントシアー|HPD社長
「ジェームズ・ヒンチクリフ、Schmidt Motorsports、そしてHPDにとって喜ばしい結果となりました。チームの見事な作戦、ヒンチクリフによるすばらしいドライビング、そしてHondaツインターボ・インディV6エンジンの優れた燃費性能によって勝利は達成されました。今日のレースは本当に興味深い戦いになっていたと思います。ウエットコンディションで始まったレースは路面が乾いていき、多くの接触が起こり、コースオフするマシンが出てフルコースコーションが次々と出されました。ピットタイミングと燃費がレース結果に大きな影響を及ぼす重要なファクターとなり、Schimidt Peterson Motorsportsは最高の作戦を採用していました。ジェイムス・ジェイクスも終盤に速さを見せており、3位フィニッシュを果たしました。あと数周あったらジェイクスは2位に上がっていた可能性が高いと思います。次戦は今年2戦目のストリートレースであるロングビーチです。とても長いストレートや、よりタイトなコーナーの続くセクションなど、セントピーターズバーグとはまた違った性格を持つコースでの戦いです。出場チームは2戦を経験しましたから、ロングビーチではエアロキットの持つポテンシャルを今回よりもさらに引き出しての戦いを見せてくれることでしょう。今からとても楽しみです」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
15ジェームズ・ヒンチクリフHonda471:47'19.4896
23H.カストロネベスシボレー47+0.4279
37ジェイムス・ジェイクスHonda47+0.8452
425シモーナ・デ・シルベストロHonda47+1.2924
52J.P.モントーヤシボレー47+1.7564
610T.カナーンシボレー47+2.2638
71W.パワーシボレー47+3.0958
815グレアム・レイホールHonda47+4.3495
967J.ニューガーデンシボレー47+5.7352
1020L.フィリッピシボレー47+7.2115
 
1226カルロス・ムニョスHonda47+9.0899
1327マルコ・アンドレッティHonda47+9.7817
1598ギャビー・シャヴェスHonda46 +1Lap
1618カルロス・ウエルタスHonda46 +1Lap
1928ライアン・ハンターレイHonda43+4Laps
2214佐藤琢磨Honda39+8Laps
2319フランチェスコ・ドラコーネHonda23+24Laps
2441ジャック・ホークスワースHonda19+28Laps

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
12J.P.モントーヤシボレー84
23H.カストロネベスシボレー74
31W.パワーシボレー70
45ジェームズ・ヒンチクリフHonda65
510T.カナーンシボレー63
625シモーナ・デ・シルベストロHonda44
77ジェイムス・ジェイクスHonda43
815グレアム・レイホールHonda43
920L.フィリッピシボレー42
1022S.パジェノーシボレー41
 
1328ライアン・ハンターレイHonda37
1427マルコ・アンドレッティHonda37
1626カルロス・ムニョスHonda34
1741ジャック・ホークスワースHonda31
1898ギャビー・シャヴェスHonda28
1914佐藤琢磨Honda25
2318カルロス・ウエルタスHonda20
2419フランチェスコ・ドラコーネHonda14