CBR1000RR勢が苦戦して清成5位
レイとハスラムも6位にとどまる

2009年9月27日(日)
決勝
会場:イモラ・サーキット
天候:晴れ
気温:25℃(第1レース)/28℃(第2レース)
コースコンディション:ドライ

第12戦イタリア・イモラ大会決勝は、両レースともにCBR1000RR勢が苦戦。清成龍一(Ten Kate Honda Racing)が第1レースで5位、第2レースで17位。レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)が第1レースで6位、第2レースで8位。2戦連続優勝の期待が寄せられたジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)も、コースアウトを喫するなどで後れて第1レースで7位、第2レースで6位。3戦連続表彰台に闘志を燃やしたカルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)も第1レースでリタイア、第2レースで10位と、CBR1000RR勢は厳しい戦いを強いられた。

第1レースは、芳賀紀行(ドゥカティ)が優勝、マックス・ビアッジ(アプリリア)2位、ミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)3位。第2レースは、ファブリッツオが優勝、芳賀2位、マルコ・シモンセリ(アプリリア)3位という結果だった。

CBR1000RR勢でベストリザルトを残した清成は、朝のウオームアップでセットアップが進み、予選14番手から猛烈なペースで追い上げた。第1レースは、オープニングラップ12番手から着実にポジションを上げて、終盤はハスラムとし烈なバトルを繰り広げ5位でフィニッシュ。第2レースもオープニングラップ11番手から着実に順位を上げたが、レース中盤に転倒を喫し、再スタートするも17位だった。すばらしい追い上げでファンを沸かせたが、予選グリッドの悪さが悔やまれるレースだった。

3戦連続のフロントロー3番手から2戦連続優勝への期待が膨らんだレイは、両レースともにコースアウトを喫して優勝戦線から脱落。第1レース7位、第2レース6位に終わった。第1レースは好スタートを切ってトップグループにつけるも、3周目にコースアウトを喫しグラベルで転倒。最下位に転落したが、再スタートを切って7位まで追い上げた。第2レースもトップグループにつけたが、激しいバトルの中でコースアウトを喫して6位。フリー走行、予選と好調で2戦連続優勝の期待が高まっていただけに、残念な結果となった。

予選10番手から決勝に挑んだハスラムは、両レースともにセカンドグループの集団にもまれ、第1レース6位、第2レース8位。予選13番手から決勝に挑んだチェカは、第1レース転倒リタイア、第2レース10位という結果だった。この日は、タイヤの選択が難しいレースとなったが、ハスラム、チェカともにタイヤの選択が決まらなかった。中盤戦に入って調子を上げているCBR1000RR勢は、今大会は表彰台を逃す厳しいレースとなったが、清成、レイの猛烈な追い上げがイモラに集まったファンを沸かせた。

スーパースポーツは、レース中盤にコース上にオイルが出たため赤旗中断となり、2ヒートの結果の総合でリザルトが決まった。優勝したのは予選2番手から第1ヒート、第2ヒートともにレースの主導権を握ったケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)で、第7戦アメリカ大会以来、5戦ぶり今季3勝目を飾った。

予選7番手から好スタートを切ったユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が、ソフォーグルに続いてチェッカーを受けた。中断するまでの第1ヒートでは、ソフォーグル、ホアン・ラスコルツ(カワサキ)、カル・クロッチロー(ヤマハ)のトップ集団にわずかに後れたが、ラスコルツがエンジントラブルで脱落、クロッチローが転倒。その結果、ラバティは第2ヒートでソフォーグルをピタリとマークしてチェッカーを受けて2位。総合首位のクロッチローに2点差と迫った。以下、アンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)6位、アンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsport AB)8位、ミゲル・プライア(Parkalgar Honda)9位などトップ10に6台のCBR600RR勢が名前を連ねた。

コメント

清成龍一(スーパーバイク 5位/17位)

「今回も予選グリッドの悪さが決勝に影響した。せめて2列目までに並べていたら、もう少し違う展開になったかもしれない。バイクのセッティングは、この数戦でかなり決まってきた。第1レースも序盤に前にいられたら、もっとよい結果を残せたと思う。今回はフロントのグリップが足りず、コーナーの立ち上がりで何度もハンドルが切れ込んだ。そのために第2レースは転倒してしまった。再スタートしたが、ポイントを獲得できなくて残念だった」

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 7位/6位)

「今回は優勝するチャンスがあると思っていただけに、このような結果に終わって残念だった。第1レースは、前を走るファブリッツォが、なにかに当たったように突然バイクを起こしたので、押し出される格好でグラベルに飛び出さなければならなかった。第2レースはスタートに失敗して大混戦の中にもまれてしまった。激しい抜き合いの中で自分のミスも多く、思うようにペースを上げられなかった。今回はセッティングも決まりペースも速かっただけに、本当に残念だ」

レオン・ハスラム(スーパーバイク 6位/8位)

「厳しい一日だった。自分のフィーリングでは、第1レースより第2レースの方がセットアップはよかったと思う。しかし、気温も路面温度も上がったので、タイヤを変えたことが失敗だった。加えて、ジョニー(レイ)が何度もコースアウトを喫し、さらにタイムロスしてしまった。リザルトには満足していないが、今大会で得られたデータは次のレースに生かせると思う。フランス、ポルトガルでは、納得のいくレースをしたい」

カルロス・チェカ(スーパーバイク リタイア/10位)

「第1レースはフロントタイヤの選択がうまくいかず、ペースを上げられずに転倒してしまった。第2レースは、第1レースに比べるとはるかにいい状態になったが、シケインのブレーキングに苦しんだ。なんとかペースを上げようとしたが、最後までうまくいかなかった。今回は残念な結果に終わったが、それでもいくつかよいポイントを見つけることができた。チェコ、ドイツと調子がよかったし、今回のデータを次のフランスに生かしたい」

ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 優勝)

「今年は決して順調なシーズンではなかったが、こうしてまた優勝することができて本当にうれしい。今回のレースは、この数戦、確実によくなっているバイクのポテンシャルを、やっと結果につなげることができた。予選からいいレースができると信じていたが、その通りの走りができた。トップの2人とはポイントが離れているので、残り2戦で優勝できるよう、そして総合3位をキープできるようにがんばりたい」

ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 2位)

「正直、こんな結果を予想することはできなかった。予選はうまくいかなかったし、左腕の古傷と足の痛みもひどく、今回は痛み止めの注射を打って出場した。完走できるかどうかを心配していたほどで、考えられる中で2位は最高の成績だ。今回の結果で、総合首位のクロッチローに2点差となった。こうして、再びタイトル争いに戻れるなんて信じられない。次のフランス、そしてポルトガルと、タイトルを取るためにベストを尽くしたい」

アンドリュー・ピット(スーパースポーツ 6位)

「レースが中断するまでは、あまりいいフィーリングではなかったが、再スタートしてからはとても気持ちよく乗ることができた。赤旗中断したあと、フロントのセッティングを変えたことがうまくいった。表彰台には立てなかったが、こうしてトップグループが見えるところで走れるようになってきたことがうれしい。次の2戦が待ち遠しい」

決勝リザルト

スーパーバイク(レース1)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1芳賀紀行ドゥカティ2138:32.199
2M.ビアッジアプリリア21+2.074
3M.ファブリッツォドゥカティ21+2.190
4B.スピーズヤマハ21+5.438
5清成龍一Honda21+14.470
6レオン・ハスラムHonda21+14.685
7ジョナサン・レイHonda21+26.822
RTV.イアンヌッツォHonda13+8Laps
RTカルロス・チェカHonda7+14Laps
RTマシュー・ラグリブHonda3+18Laps

スーパーバイク(レース2)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1M.ファブリッツォドゥカティ2138:23.143
2芳賀紀行ドゥカティ21+3.592
3 M.シモンセリ アプリリア 21 +6.510
4M.ビアッジアプリリア21+7.445
5B.スピーズヤマハ21+14.678
6ジョナサン・レイHonda21+16.396
8レオン・ハスラムHonda21+22.502
10カルロス・チェカHonda21+30.203
17清成龍一Honda21+1:01.823
RTマシュー・ラグリブHonda16+5Laps
RTV.イアンヌッツォHonda9+12Laps

スーパースポーツ(決勝総合結果)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1ケナン・ソフォーグルHonda1935:51.342
2ユージェーヌ・ラバティHonda19+5.372
3F.フォーレヤマハ19+6.450
4 C.デイビス トライアンフ 19 +15.847
5G.マッコイトライアンフ19+15.944
6アンドリュー・ピットHonda19+16.001
8アンソニー・ウェストHonda19+27.835
9ミゲル・プライアHonda19+32.846
10D.デロモHonda19+33.315
13 O.フォー Honda 19 +59.645
14 B.ヴェネマン Honda 19 +1:06.270
15 F.ジェンティーレ Honda 19 +1:14.735
16A.ボスHonda19+1:18.933
RTM.ロッコリHonda6+13Laps
RT S.ロウズ Honda 2 +17Laps
RT M.ラバティ Honda 1 +18Laps
RTマーク・エイチソンHonda0 -
NSJ.ギュンターHonda0 -

ポイントスタンディング

ライダー | スーパーバイク

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 芳賀紀行ドゥカティ391
2 B.スピーズヤマハ388
3 M.ファブリッツォドゥカティ330
4 ジョナサン・レイHonda263
5 M.ビアッジアプリリア257
6 レオン・ハスラムHonda219
7 カルロス・チェカHonda183
11 清成龍一Honda141
19 マシュー・ラグリブHonda24
20 ジョン・ホプキンスHonda17
32 トミー・ヒルHonda6
36 ロベルト・ロルフォ Honda 3
37 V.イアンヌッツォ Honda 2
39 J.ゼンケ Honda 1

マニュファクチャラー | スーパーバイク

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1ドゥカティ489
2ヤマハ431
3Honda368
4アプリリア267
5スズキ148
6BMW113

ライダー | スーパースポーツ

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 C.クロッチローヤマハ210
2 ユージェーヌ・ラバティHonda208
3 ケナン・ソフォーグルHonda153
4 J.ラスコルツカワサキ138
5 F.フォーレヤマハ115
6 アンソニー・ウェストHonda104
7 アンドリュー・ピットHonda104
9 マーク・エイチソンHonda71
10 M.ロッコリHonda62
13 B.ヴェネマンHonda51
14 マシュー・ラグリブHonda38
16 R.ハームスHonda30
17 ミゲル・プライアHonda30
18 ジャンルカ・ビジエロHonda29
19 D.デロモHonda27
22 P.ボスタレクHonda9
23 M.ラバティHonda8
27 F.ジェンティーレ Honda 5
29 O.フォー Honda 3
33 A.ボスHonda2
34 J.ギュンターHonda1

マニュファクチャラー | スーパースポーツ

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1Honda256
2ヤマハ251
3カワサキ158
4トライアンフ98
5スズキ30