第12戦イタリア・イモラ大会決勝は、両レースともにCBR1000RR勢が苦戦。清成龍一(Ten Kate Honda Racing)が第1レースで5位、第2レースで17位。レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)が第1レースで6位、第2レースで8位。2戦連続優勝の期待が寄せられたジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)も、コースアウトを喫するなどで後れて第1レースで7位、第2レースで6位。3戦連続表彰台に闘志を燃やしたカルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)も第1レースでリタイア、第2レースで10位と、CBR1000RR勢は厳しい戦いを強いられた。
第1レースは、芳賀紀行(ドゥカティ)が優勝、マックス・ビアッジ(アプリリア)2位、ミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)3位。第2レースは、ファブリッツオが優勝、芳賀2位、マルコ・シモンセリ(アプリリア)3位という結果だった。
CBR1000RR勢でベストリザルトを残した清成は、朝のウオームアップでセットアップが進み、予選14番手から猛烈なペースで追い上げた。第1レースは、オープニングラップ12番手から着実にポジションを上げて、終盤はハスラムとし烈なバトルを繰り広げ5位でフィニッシュ。第2レースもオープニングラップ11番手から着実に順位を上げたが、レース中盤に転倒を喫し、再スタートするも17位だった。すばらしい追い上げでファンを沸かせたが、予選グリッドの悪さが悔やまれるレースだった。
3戦連続のフロントロー3番手から2戦連続優勝への期待が膨らんだレイは、両レースともにコースアウトを喫して優勝戦線から脱落。第1レース7位、第2レース6位に終わった。第1レースは好スタートを切ってトップグループにつけるも、3周目にコースアウトを喫しグラベルで転倒。最下位に転落したが、再スタートを切って7位まで追い上げた。第2レースもトップグループにつけたが、激しいバトルの中でコースアウトを喫して6位。フリー走行、予選と好調で2戦連続優勝の期待が高まっていただけに、残念な結果となった。
予選10番手から決勝に挑んだハスラムは、両レースともにセカンドグループの集団にもまれ、第1レース6位、第2レース8位。予選13番手から決勝に挑んだチェカは、第1レース転倒リタイア、第2レース10位という結果だった。この日は、タイヤの選択が難しいレースとなったが、ハスラム、チェカともにタイヤの選択が決まらなかった。中盤戦に入って調子を上げているCBR1000RR勢は、今大会は表彰台を逃す厳しいレースとなったが、清成、レイの猛烈な追い上げがイモラに集まったファンを沸かせた。
スーパースポーツは、レース中盤にコース上にオイルが出たため赤旗中断となり、2ヒートの結果の総合でリザルトが決まった。優勝したのは予選2番手から第1ヒート、第2ヒートともにレースの主導権を握ったケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)で、第7戦アメリカ大会以来、5戦ぶり今季3勝目を飾った。
予選7番手から好スタートを切ったユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が、ソフォーグルに続いてチェッカーを受けた。中断するまでの第1ヒートでは、ソフォーグル、ホアン・ラスコルツ(カワサキ)、カル・クロッチロー(ヤマハ)のトップ集団にわずかに後れたが、ラスコルツがエンジントラブルで脱落、クロッチローが転倒。その結果、ラバティは第2ヒートでソフォーグルをピタリとマークしてチェッカーを受けて2位。総合首位のクロッチローに2点差と迫った。以下、アンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)6位、アンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsport AB)8位、ミゲル・プライア(Parkalgar Honda)9位などトップ10に6台のCBR600RR勢が名前を連ねた。
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
1 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 21 | 38:32.199 |
2 | M.ビアッジ | アプリリア | 21 | +2.074 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 21 | +2.190 |
4 | B.スピーズ | ヤマハ | 21 | +5.438 |
5 | 清成龍一 | Honda | 21 | +14.470 |
6 | レオン・ハスラム | Honda | 21 | +14.685 |
7 | ジョナサン・レイ | Honda | 21 | +26.822 |
RT | V.イアンヌッツォ | Honda | 13 | +8Laps |
RT | カルロス・チェカ | Honda | 7 | +14Laps |
RT | マシュー・ラグリブ | Honda | 3 | +18Laps |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
1 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 21 | 38:23.143 |
2 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 21 | +3.592 |
3 | M.シモンセリ | アプリリア | 21 | +6.510 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 21 | +7.445 |
5 | B.スピーズ | ヤマハ | 21 | +14.678 |
6 | ジョナサン・レイ | Honda | 21 | +16.396 |
8 | レオン・ハスラム | Honda | 21 | +22.502 |
10 | カルロス・チェカ | Honda | 21 | +30.203 |
17 | 清成龍一 | Honda | 21 | +1:01.823 |
RT | マシュー・ラグリブ | Honda | 16 | +5Laps |
RT | V.イアンヌッツォ | Honda | 9 | +12Laps |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
1 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 19 | 35:51.342 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 19 | +5.372 |
3 | F.フォーレ | ヤマハ | 19 | +6.450 |
4 | C.デイビス | トライアンフ | 19 | +15.847 |
5 | G.マッコイ | トライアンフ | 19 | +15.944 |
6 | アンドリュー・ピット | Honda | 19 | +16.001 |
8 | アンソニー・ウェスト | Honda | 19 | +27.835 |
9 | ミゲル・プライア | Honda | 19 | +32.846 |
10 | D.デロモ | Honda | 19 | +33.315 |
13 | O.フォー | Honda | 19 | +59.645 |
14 | B.ヴェネマン | Honda | 19 | +1:06.270 |
15 | F.ジェンティーレ | Honda | 19 | +1:14.735 |
16 | A.ボス | Honda | 19 | +1:18.933 |
RT | M.ロッコリ | Honda | 6 | +13Laps |
RT | S.ロウズ | Honda | 2 | +17Laps |
RT | M.ラバティ | Honda | 1 | +18Laps |
RT | マーク・エイチソン | Honda | 0 | - |
NS | J.ギュンター | Honda | 0 | - |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 391 |
2 | B.スピーズ | ヤマハ | 388 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 330 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 263 |
5 | M.ビアッジ | アプリリア | 257 |
6 | レオン・ハスラム | Honda | 219 |
7 | カルロス・チェカ | Honda | 183 |
11 | 清成龍一 | Honda | 141 |
19 | マシュー・ラグリブ | Honda | 24 |
20 | ジョン・ホプキンス | Honda | 17 |
32 | トミー・ヒル | Honda | 6 |
36 | ロベルト・ロルフォ | Honda | 3 |
37 | V.イアンヌッツォ | Honda | 2 |
39 | J.ゼンケ | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | ドゥカティ | 489 |
2 | ヤマハ | 431 |
3 | Honda | 368 |
4 | アプリリア | 267 |
5 | スズキ | 148 |
6 | BMW | 113 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 210 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 208 |
3 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 153 |
4 | J.ラスコルツ | カワサキ | 138 |
5 | F.フォーレ | ヤマハ | 115 |
6 | アンソニー・ウェスト | Honda | 104 |
7 | アンドリュー・ピット | Honda | 104 |
9 | マーク・エイチソン | Honda | 71 |
10 | M.ロッコリ | Honda | 62 |
13 | B.ヴェネマン | Honda | 51 |
14 | マシュー・ラグリブ | Honda | 38 |
16 | R.ハームス | Honda | 30 |
17 | ミゲル・プライア | Honda | 30 |
18 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 29 |
19 | D.デロモ | Honda | 27 |
22 | P.ボスタレク | Honda | 9 |
23 | M.ラバティ | Honda | 8 |
27 | F.ジェンティーレ | Honda | 5 |
29 | O.フォー | Honda | 3 |
33 | A.ボス | Honda | 2 |
34 | J.ギュンター | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | Honda | 256 |
2 | ヤマハ | 251 |
3 | カワサキ | 158 |
4 | トライアンフ | 98 |
5 | スズキ | 30 |
コメント
清成龍一(スーパーバイク 5位/17位)
「今回も予選グリッドの悪さが決勝に影響した。せめて2列目までに並べていたら、もう少し違う展開になったかもしれない。バイクのセッティングは、この数戦でかなり決まってきた。第1レースも序盤に前にいられたら、もっとよい結果を残せたと思う。今回はフロントのグリップが足りず、コーナーの立ち上がりで何度もハンドルが切れ込んだ。そのために第2レースは転倒してしまった。再スタートしたが、ポイントを獲得できなくて残念だった」
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 7位/6位)
「今回は優勝するチャンスがあると思っていただけに、このような結果に終わって残念だった。第1レースは、前を走るファブリッツォが、なにかに当たったように突然バイクを起こしたので、押し出される格好でグラベルに飛び出さなければならなかった。第2レースはスタートに失敗して大混戦の中にもまれてしまった。激しい抜き合いの中で自分のミスも多く、思うようにペースを上げられなかった。今回はセッティングも決まりペースも速かっただけに、本当に残念だ」
レオン・ハスラム(スーパーバイク 6位/8位)
「厳しい一日だった。自分のフィーリングでは、第1レースより第2レースの方がセットアップはよかったと思う。しかし、気温も路面温度も上がったので、タイヤを変えたことが失敗だった。加えて、ジョニー(レイ)が何度もコースアウトを喫し、さらにタイムロスしてしまった。リザルトには満足していないが、今大会で得られたデータは次のレースに生かせると思う。フランス、ポルトガルでは、納得のいくレースをしたい」
カルロス・チェカ(スーパーバイク リタイア/10位)
「第1レースはフロントタイヤの選択がうまくいかず、ペースを上げられずに転倒してしまった。第2レースは、第1レースに比べるとはるかにいい状態になったが、シケインのブレーキングに苦しんだ。なんとかペースを上げようとしたが、最後までうまくいかなかった。今回は残念な結果に終わったが、それでもいくつかよいポイントを見つけることができた。チェコ、ドイツと調子がよかったし、今回のデータを次のフランスに生かしたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 優勝)
「今年は決して順調なシーズンではなかったが、こうしてまた優勝することができて本当にうれしい。今回のレースは、この数戦、確実によくなっているバイクのポテンシャルを、やっと結果につなげることができた。予選からいいレースができると信じていたが、その通りの走りができた。トップの2人とはポイントが離れているので、残り2戦で優勝できるよう、そして総合3位をキープできるようにがんばりたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 2位)
「正直、こんな結果を予想することはできなかった。予選はうまくいかなかったし、左腕の古傷と足の痛みもひどく、今回は痛み止めの注射を打って出場した。完走できるかどうかを心配していたほどで、考えられる中で2位は最高の成績だ。今回の結果で、総合首位のクロッチローに2点差となった。こうして、再びタイトル争いに戻れるなんて信じられない。次のフランス、そしてポルトガルと、タイトルを取るためにベストを尽くしたい」
アンドリュー・ピット(スーパースポーツ 6位)
「レースが中断するまでは、あまりいいフィーリングではなかったが、再スタートしてからはとても気持ちよく乗ることができた。赤旗中断したあと、フロントのセッティングを変えたことがうまくいった。表彰台には立てなかったが、こうしてトップグループが見えるところで走れるようになってきたことがうれしい。次の2戦が待ち遠しい」