本州の沿岸域に広く分布し、水深3~50mの岩礁域や砂礫底に棲むマダコ。8本の足を持ち、体表には色素細胞が密集していて、数秒で体色を周囲にカムフラージュできる。卵はフジの花のように岩棚などから垂れ下がるため、海藤花(かいとうげ)と呼ばれる。約1ヵ月で稚ダコが生まれると、3~4週間の浮遊生活のあと着底。その後は日ごとに急成長し、7ヵ月で体重が1kgを超えるが、寿命は1年と短い。短期間でどんどん大きくなることから、「マダコは一潮(ひとしお)ごとに育つ」と言われる。ナワバリ意識が強く、優位な個体が条件のよい巣穴を確保する。