Round13ヨーロッパヨーロッパGP

MotoGP

サーキット・リカルド・トルモ

第13戦 ヨーロッパGP

アレックス・マルケス、中上貴晶が3連戦の初戦に挑む

2020年シーズン最後の3連戦のスタートとなる第13戦ヨーロッパGPが、11月6日(金)から8日(日)の3日間、スペイン・バレンシアのサーキット・リカルド・トルモ(以下、バレンシア・サーキット)で行われます。バレンシア・サーキットでは、第13戦バレンシアGPが翌週に開催され、さらにポルトガルのアルガルベ・サーキットへと舞台は移り、最終戦第15戦ポルトガルGPが行われます。

バレンシア・サーキットでは、1999年に初めてバレンシアGPが開催され、2002年からは最終戦の舞台として定着しました。ヨーロッパGPとして開催されるのは初となりますが、バレンシア・サーキットでは22回目のグランプリ開催となります。

過去、ヨーロッパGPは5回開催されています。1991年はスペインのハラマ・サーキット。92年から95年まではバルセロナのカタルニア・サーキットで開催されています。ヨーロッパGPとしては、これが6回目の開催となります。

バレンシア・サーキットは、1周が4.005kmのテクニカルコース。スペインGPが開催されるヘレス、マレーシアGPが開催されるセパン同様、ウインターテストの舞台としても定着しています。そのため、ライダーの経験値が高く、チームの持つデータも豊富で、初日からレベルの高い走りが繰り広げられます。

コースの特徴は、左回りで低中速コーナーが連続し、メインストレートを除いて、常にマシンがどちらかにバンクしている難易度の高いレイアウトです。また、11月のバレンシアは不安定な天候になることが多く、例年、チームの総合力が要求されます。シーズン最終戦の舞台として定着したこともあり、これまでファンの脳裏に刻まれる名勝負が数多く繰り広げられてきました。今大会のタイトル決定はありませんが、2週目の第14戦バレンシアGPでタイトルが決定する可能性もあり、とても重要な戦いとなります。

12戦を終えて総合7位の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、バレンシアでレースを行うのは2年ぶりとなります。昨年は日本GPを終えて右肩の手術を行い、シーズン終盤戦の3戦を欠場しました。モーターランド・アラゴンで開催された前戦テルエルGPでは、初のポールポジションを獲得。初表彰台、初優勝に闘志を燃やしました。しかし、1周目に痛恨の転倒を喫し、リタイアに終わりました。その結果、総合5位から7位へ。タイトル争いからはやや後退しましたが、ここからの3戦、念願の初表彰台、初優勝を目標に全力で挑みます。

総合13位のアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、2戦ぶり今季3回目の表彰台と初優勝に挑みます。昨年、Moto2クラスでタイトルを獲得したアレックス・マルケスは、最終戦バレンシアGPの後に行われた公式テストでRC213Vの初ライドに挑みました。新型コロナウイルスの感染拡大で大幅にカレンダーが変更になった今シーズンは、MotoGPマシンでは初めて走るサーキットが続きましたが、今大会は経験あるサーキットでの大会となります。

前戦テルエルGPでは、3戦連続表彰台獲得を視野に入れながら痛恨の転倒リタイアとなりました。バレンシア・サーキットでは、Moto3チャンピオンに輝いた14年に3位表彰台、Moto2クラスでは18年に3位表彰台に立っています。バレンシア・サーキットでの2連戦では、Moto3、Moto2クラスに続く表彰台獲得と、MotoGPクラス初優勝の期待が膨らみます。

前戦テルエルGPで右肩に違和感を感じ11位に終わったカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、第11戦アラゴンGPに続く今季2回目のフロントローと今季初表彰台に挑みます。今年はケガと手術の回復の遅れなどで思うような結果を残せていませんが、バレンシア、そしてポルトガルのアルガルベと続く3連戦で今季最高の走りを披露する意気込みです。

右腕上腕を骨折し、治療とリハビリを続けるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として、ステファン・ブラドルが今大会も出場します。前戦テルエルGPでは予選16番手から12位でフィニッシュ。第10戦フランスGPの8位に続き、今季2回目のポイント獲得を果たしました。今大会は、フランスGPの8位をしのぐ今季ベストに挑みます。

コメント

中上貴晶(MotoGP 総合7位)
「昨年は、右肩の手術のためにバレンシアでのレースに出ることができませんでした。このサーキットにはいい思い出があるので、今回もいい結果を残し、レースウイークを楽しみ、いつものようにベストを尽くします。今週末がとても楽しみです」

アレックス・マルケス(MotoGP 総合13位)
「激しく難しいシーズン終盤に向けて1週間トレーニングができてよかったです。これまでのレースと同じようにアプローチしたいと思います。前進してポテンシャルを発揮できることを願っています。このサーキットはテストで走ったことがありますが、僕自身、あれからかなり変わったので、MotoGPライダーとしてどこまで成長したかを知るチャンスになります。いい形で大会を終えて、この3連戦で前進し続けたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合19位)
「シーズン最後の3連戦が、今週末と来週末のバレンシアでスタートします。とても楽しみです。このサーキットは、MotoGPマシンで走るのは簡単ではありませんが、チームと一緒に、バレンシアの2戦、そしてポルティマオで3週間仕事をするのが楽しみです」

ステファン・ブラドル(MotoGP 総合20位)
「Repsol Honda Teamで、引き続き、RC213Vに乗ることができてとてもうれしいです。ここは、以前、テストをしたことがあるので、アラゴンやル・マンのときのように強いライダーと再びバトルをして、いい週末にしたいです。アラゴンでマシンの状態はよくなりました。この時期のバレンシアの、特に午前中の気温は、とても低くなることがあるので気を付けなければなりません」

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