Round10フランスフランスGP

MotoGP

ル・マン・サーキット

第10戦 フランスGP

寒さの予想されるル・マン。Honda勢は表彰台獲得を狙う

第10戦フランスGPが、10月9日(金)-11日(日)の3日間、ル・マン・サーキットで開催されます。フランスGPは、1951年に第1回大会が行われ、今年で57回目を迎えます。ル・マンでは、1969年に初めてグランプリが開催されました。その後、ポール・リカール、ノガロ、マニクールなどを経て、2000年に再びグランプリの舞台となり、今年で21年連続、ル・マンでは通算33度目の開催となります。今年は新型コロナウイルスの感染拡大で大幅にカレンダーが変更となり、通常は5月か6月に開催されるフランスGPですが、今年は10月となりました。

ル・マンは、自動車の24時間耐久レースの舞台としても知られています。このレースは、一部に一般道路を利用するサルテ・サーキットで行われます。一方、グランプリや2輪の24時間耐久レースは、1周4.185kmのブガッティ・サーキットで行われます。

ブガッティは、全体的にストレートが短く、典型的なストップ&ゴーのレイアウト。パッシングポイントが少なく、シケインやヘアピンが勝負どころとなり、激しいブレーキング競争が見ものです。俊敏な旋回性とエンジンの鋭い加速性能が問われるル・マン。こうした特徴を持つサーキットだけに、決勝レースではグリッドが非常に重要となり、予選では激しいアタック合戦が繰り広げられることになります。

5月、6月に開催されていた過去13年を振り返れば、2007-09年の3年間と、12年と13年は雨のレースとなり、レース中にマシンを乗り換えることができる“フラッグ・トゥ・フラッグ”が適用されました。昨年は厚い雲が空を覆い寒い一日となりましたが、この6年はドライコンディションで行われました。今年は10月開催ということで、気温も路面温度も低い戦いが予想されます。タイヤのパフォーマンスを引き出すのが難しい大会となりそうです。

2000年にル・マンのフランスGPが復活してから過去20年間でHondaは10勝を挙げています。過去2年、連勝したディフェンディングチャンピオンのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、第2戦スペインGPで骨折した右腕上腕の回復に努めており今大会も欠場しますが、Honda勢は、今季初表彰台、初優勝に挑みます。

第9戦カタルニアGPを終えて(MotoGPクラスは8戦目)総合7位につける中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、自身初の表彰台獲得に挑みます。今年は第3戦アンダルシアGPの4位を最高位に8戦連続でトップ10フィニッシュを続けています。ル・マンではMoto2時代の13年にキャリア初のポール・ポジションを獲得した思い出のサーキットです。これまでル・マンでは表彰台に立ったことはありませんが、今大会はキャリア初のル・マン表彰台に挑みます。

カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、今年は第2戦スペインGPの左手舟状骨の骨折と、この骨折の影響で右腕の負担が増大し、腕上がりの手術をしたことで3レースを欠場しました。ここまでの最高位は前戦カタルニアGPの10位。今大会は今季初のシングルフィニッシュ、そして表彰台を目指します。ル・マンでは13年に2位になっています。昨年は9位でした。LCR Honda CASTROLで初の表彰台獲得に挑みます。

ルーキーのアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、得意のコースで今季ベストを目指します。Moto2時代は18年に2位、19年に優勝している得意のサーキットです。MotoGPクラスにチャレンジしている今シーズンは、イタリア・ミサノで行われた第8戦エミリア=ロマーニャGPで今季ベストの7位ですが、この数戦、勢いある走りを見せているだけに、高いモチベーションで大会に挑みます。

マルク・マルケスの代役として出場を続けるステファン・ブラドルは、LCR Honda時代はシングルフィニッシュを続けてきたサーキットです。ル・マンを走るのは4年ぶりとなりますが、ポイント獲得に挑みます。

コメント

アレックス・マルケス(MotoGP 総合16位)
「昨年のル・マン、そして、今年連戦となるアラゴンでは、マシンがとてもうまく機能しました。そのため今大会も楽しみにしています。予報はあまりよくありません。かなり寒く、雨の予報となっています。でも天候がとても変わりやすいところです。どのようなコンディションになっても、シーズン後半に向けてモチベーションは高まっています。バルセロナの前までのポテンシャルを発揮できるように一生懸命プッシュします。先週末は一生懸命トレーニングに取り組み、前進する気持ちでいます」

ステファン・ブラドル(MotoGP 総合23位)
「ハードな日程となる3連戦がまた始まります。いつものようにすべてのレースで、できる限りHRCをサポートできるように取り組みます。そしていい結果を残せるようにプッシュします。ル・マンは天候が変わりやすくとても興味深いレースウイークになる可能性があります。雨や路面温度がどうなるのか様子を見てから、しっかり計画を立てたいと思います。いい週末になることを、そして、また一歩前進できることを願っています」

中上貴晶(MotoGP 総合7位)
「次のレースウイークへ向けて気分はいいです。ル・マンはとてもテクニカルなサーキットです。ロングストレートが少なく、どのセクターにもさまざまな小さいコーナーがあります。まずは天候をチェックしなければなりません。ル・マンのコンディションはいつもかなりトリッキーです。どのようなコンディションにも準備を整えられるように、すべてのセッションで取り組まなければなりません。ベストを尽くします。日曜日に表彰台争いができることを願っています」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合19位)
「バルセロナを終え、今週末のル・マンが楽しみです。3連戦最初の週末です。昨年はそれほど悪いレースではありませんでした。今週末はそこからさらに前進できることを願っています。チームとHondaと引き続きいい仕事をして、いい結果を残したいです。みんなが天気に注目しています。ドライになることを願っています。ル・マンでファンに会えるのを楽しみにしています」

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