第10戦フランスGPは、スタート直前に雨が降り始め、ウエットレースが宣言されたことで、予定より10分遅れでスタートしました。気温12℃。路面温度14℃という厳しいコンディションの中で、予選18番手から決勝に挑んだアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)が、すばらしい追い上げを見せて2位でフィニッシュ。初表彰台を獲得しました。
オープニングラップにすばらしいダッシュを見せたアレックス・マルケスは、8台を抜いて10番手でピット前を通過します。2周目にはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、4周目にはファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)を抜いて8番手へ。さらに7周目にはブラッドリー・スミス(アプリリア)を抜いて7番手に浮上すると、前を走るポル・エスパルガロ(KTM)とカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)に追いつき、5番手争いの集団に加わりました。
後半に入ると、クラッチローとポル・エスパルガロを抜いて4番手に浮上。その後、前を走るアレックス・リンス(スズキ)が転倒して3番手へ。ラスト3周では2番手を走るアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)をパス。さらにトップを走るダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)を猛追撃して2位でチェッカーを受けました。デビューから9戦目の初表彰台獲得。アレックス・マルケスはもちろん、スタッフも大喜びの結果となりました。
この後方では、13番グリッドからスタートした中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が7位でフィニッシュしました。中上はオープニングラップで12番手。4周目にはアレイシ・エスパルガロを抜いて11番手。6周目にはクアルタラロを抜いて10番手に浮上。その後、ポル・エスパルガロ、チームメートのクラッチロー、アレックス・マルケス、ミゲル・オリベイラの5番手争いの集団を追撃しました。
終盤は、ドヴィツィオーゾを先頭に、オリベイラ、中上、そして追い上げてきたヨハン・ザルコ(ドゥカティ)の4位争いのグループの中で厳しい戦いを繰り広げ、7位でチェッカーフラッグを受けました。これで中上は9戦連続でトップ10フィニッシュを果たし、総合5位へと浮上しました。
予選21番手からすばらしい追い上げを見せたステファン・ブラドル(Repsol Honda Team)は、8位でフィニッシュしました。オープニングラップで13番手に浮上したブラドルは、その後も着実にポジションを上げることに成功。終盤は、クアルタラロ、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、ジョアン・ミル(スズキ)とし烈な戦いを繰り広げ、グループの先頭でチェッカーを受けました。右腕上腕を骨折して治療、リハビリを続けるマルク・マルケスの代役として、大きな仕事を達成しました。
予選4番手から好スタートを切り、4番手争いのグループで好走を見せたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、18周目に転倒を喫し、残念ながらリタイアとなりました。
アレックス・マルケス(MotoGP 2位)
「すばらしい日になりました。18番グリッドからのスタートは簡単ではありませんでしたが、とてもいいフィーリングがありました。カルとポル、そしてドヴィとのバトルで少しタイムを落としましたが、それ以外ではいい走りだったと思います。Repsol Honda Teamにとってすばらしい結果となりました。常に僕を信じてくれて、一生懸命がんばってくれたチームに感謝したいです。僕もチームも決してあきらめませんでした。午前中のドライのウオームアップでもいいフィーリングがあったので、すべてをうまくコントロールできたと思います。すばらしい週末でした。次のアラゴンは2連戦です。この結果をドライでも出さなければなりません」
中上貴晶(MotoGP 7位)
「難しいレースでした。レースに向けて準備をしていましたが、雨が降り始め、ディレイとなった数分後に路面はフルウエットになりました。もう一台のマシンでウエットの準備をしました。とてもトリッキーでした。とても難しいレースで、完走できたことが一番です。とてもうれしいです。いいペースがありました。特にレース終盤は路面が乾いてきて苦戦しましたが、速さはあり、トップグループにかなり近づきました。残り3周で、リアタイヤがオーバーヒートして、メインストレートでかなりスピンしました。そのためポジションをキープするのが大変でした。再びトップ10に入り、今回は7位を獲得できました。トリッキーなコンディションの中、とてもいい結果になりました。チームに感謝したいです。レースウイークを通して、パフォーマンスはまだ十分ではありませんでしたが、レース終盤ではかなり強さがありました。次はアラゴンの2連戦です。チャンピオンシップでは現在5位です。これもポジティブなエネルギーになります」
ステファン・ブラドル(MotoGP 8位)
「今日はこのような結果を残すことができてホッとしました。とてもうれしいです。今年は忙しい一年になっていますが、この結果は僕とRepsol Honda Teamにとって重要なものになりました。今日は雨の予報が出ていなかったですし、FP1でウエットのセッションを逃していたので、正直少し不安でした。でもとにかくレースを楽しんで、努力し、フィーリングをつかもうと自分自身に言い聞かせました。チームと僕はミディアムタイヤを選択しました。正しい選択で、レースが進むにつれてフィーリングもよくなりました。表彰台を獲得したアレックスにはおめでとうと言いたいです。彼とチームにとってすばらしい結果になりました」
カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)
「今日はすばらしいスタートを切ることができました。ポジションは悪くありませんでした。最初の5周はタイヤを温めるのに苦戦し、思ったようにプッシュできませんでした。でも、そのあといいリズムをつかむことができました。ペースはよく、一時はトップに近付いていました。残念ながら残り8周目の2コーナーで転倒してしまいました。その数周前から、最終コーナーと2コーナーの右側で苦戦していました。マシンをうまく寝かせることができず、寝かせようとして転倒しました。結果はよくありませんが、ウエットとドライでいい走りができました。次週のアラゴンが楽しみです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 45'54.736 |
2 | 73 | アレックス・マルケス | +1.273 | |
3 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | +1.711 |
4 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +3.911 |
5 | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | +4.310 |
6 | 88 | M.オリベイラ | KTM | +4.466 |
7 | 30 | 中上貴晶 | +5.921 | |
8 | 6 | ステファン・ブラドル | +15.597 | |
9 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | +16.687 |
10 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | +16.895 |
11 | 36 | J.ミル | スズキ | +16.980 |
12 | 33 | B.ビンダー | KTM | +27.321 |
13 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | +33.351 |
14 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | +39.176 |
15 | 27 | I.レクオナ | KTM | +51.087 |
RT | 42 | A.リンス | スズキ | +1'14.190 |
RT | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | +7Laps |
RT | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | +8Laps |
RT | 35 | カル・クラッチロー | +9Laps | |
RT | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | +12Laps |
RT | 38 | B.スミス | アプリリア | +18Laps |
RT | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 115 |
2 | 36 | J.ミル | スズキ | 105 |
3 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 97 |
4 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 96 |
5 | 30 | 中上貴晶 | 81 | |
6 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 77 |
7 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 75 |
8 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 73 |
9 | 88 | M.オリベイラ | KTM | 69 |
10 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 64 |
11 | 33 | B.ビンダー | KTM | 62 |
12 | 42 | A.リンス | スズキ | 60 |
13 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 58 |
14 | 73 | アレックス・マルケス | 47 | |
15 | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | 47 |
16 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | 42 |
17 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 24 |
18 | 27 | I.レクオナ | KTM | 18 |
19 | 35 | カル・クラッチロー | 13 | |
20 | 38 | B.スミス | アプリリア | 11 |
21 | 6 | ステファン・ブラドル | 8 | |
22 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 8 |
23 | 51 | M.ピッロ | ドゥカティ | 4 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ドゥカティ | 151 |
2 | KTM | 125 |
3 | ヤマハ | 120 |
4 | スズキ | 118 |
5 | 92 | |
6 | アプリリア | 32 |
順位 | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Team SUZUKI ECSTAR | 165 |
2 | Ducati Team | 161 |
3 | Petronas Yamaha SRT | 155 |
4 | Red Bull KTM Factory Racing | 135 |
5 | Monster Energy Yamaha MotoGP | 134 |
6 | Pramac Racing | 121 |
7 | LCR Honda | 94 |
8 | Red Bull KTM Tech 3 | 87 |
9 | Repsol Honda Team | 55 |
10 | Esponsorama Racing | 55 |
11 | Aprilia Racing Team Gresini | 35 |