Moto3クラスは、グリッドに並んだほとんどの選手がトップグループを形成するという、今季最も厳しい戦いとなりました。そして、スタートからゴールまで、終始、3~4番手という好位置につけたトニ・アルボリーノ(VNE Snipers)が、第6戦イタリアGP以来となる、今季2勝目を達成しました。この優勝でアルボリーノは、総合6位から4位に浮上し、チャンピオン争いに加わりました。
そのアルボリーノと最後までし烈な戦いを繰り広げたロレンソ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)が今季4度目の表彰台に立ちました。この表彰台でダラ・ポルタは、総合首位で今大会12位に終わったアーロン・カネット(KTM)との差を23点から7点差へと縮めることに成功しました。
表彰台は逃しましたが、ガブリエル・ロドリゴ(Kömmerling Gresini Moto3)が、トップグループを追う形で4位。ジョン・マクフィー(Petronas Sprinta Racing)が5位、予選6番手から初表彰台を目指した小椋藍(Honda Team Asia)が6位、前戦カタルニアGPで優勝のマルコス・ラミレス(Leopard Racing)が7位、今季2度目のポールポジションを獲得したニッコロ・アントネッリ(SIC58 Squadra Corse)が8位、アロンソ・ロペス(Estrella Galicia 0,0)が10位と僅差でフィニッシュ。トップ10に8台のHonda勢が名前を連ねました。
以下、11位にロマーノ・フェナティ(VNE Snipers)、セルジオ・ガルシア(Estrella Galicia 0,0)が15位になり今季2度目のポイントを獲得しました。
今大会は終盤になっても優勝グループは大集団となり、優勝したアルボリーノから14位までが約3.7秒差という厳しいレースとなりました。
予選2番手から中盤までトップグループをリードした鳥羽海渡(Honda Team Asia)は、17周目にヘアピンで転倒。これによって先頭グループの中で5~6番手と好位置につけていた鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)が巻き込まれて転倒という波乱のレースでした。
佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)は17位。ポイント獲得は果たせませんでした。
トニー・アルボリーノ(Moto3 優勝)
「厳しいレースになりましたが、また優勝できて、とてもうれしいです。トップグループから離れないように戦いました。ほかのライダーと接触したあと、トップと離れたときは、これで終わったと思いました。でも全力でダラ・ポルタを追いかけました。そして、最終ラップは、どこで彼をオーバーテイクすればいいのかが完ぺきに分かっていました。すばらしい仕事をしてくれたチームに感謝したいです」
ロレンソ・ダラ・ポルタ(Moto3 2位)
「最も重要なことは、レースで安定した結果を残すことです。今回は優勝できませんでしたが、また優勝できることを願っています。今日は風が強かったので、難しいレースでしたが。すばらしいレースができましたし、表彰台にまた立つことができてうれしいです。引き続きこの調子をキープしたいです。近いうちに優勝できると思います」
ガブリエル・ロドリゴ(Moto3 4位)
「序盤はとてもフィーリングがよく、すぐに8番手まで追い上げることができました。その後、リラックスして2番手を走っていたら、8人ものライダーにパスされてしまいました。また、ペナルティーを避けるために最後のシケインのグリーンを避けようとして、スロットルを戻したときは、20番手まで下がってしまいました。そこからは全力でポジションをばん回しました。僕の前で起きた転倒を避けながら、アルボリーノとダラ・ポルタに追いつこうとがんばりました。でも今日は彼らの方が速かったです。転倒リタイアが2度続いたので、今回の4位はポジティブな結果です。これで自信を持ってザクセンリンクに向かうことができます」
小椋藍(Moto3 6位)
「今週末の結果に満足しています。アッセンは今年のレースの中でも最も難しいサーキットだと思っていたので、目標は10位以内でゴールすることでした。でも、FP1でトップタイムをマークすることができたので、目標を表彰台獲得に変更しました。今日はハードタイヤを選択したのですが、序盤にペースを上げることができず、大きくポジションを落としてしまいました。表彰台を獲得できなかったのは残念ですが、6位というのはいい結果だったと思います。連戦となるドイツは昨年ワイルドカードでいい走りができているので、楽しみです」
佐々木歩夢(Moto3 17位)
「今日はいいスタートを切れたのですが、序盤からリアタイヤの右側のグリップに問題を抱えていました。最後までベストを尽くしました。このコースは右コーナーが多く、さらに厳しい走りを強いられました。今日のレースペースはそれほど速くなかったので、トップグループで戦えず残念でした。次のドイツで前半戦を終えるので、しっかり結果を残したいです」
鳥羽海渡(Moto3 リタイア)
「残念なレースでした。序盤はトップグループを引っ張り、ペースを上げて小さなグループにしたかったのですができませんでした。その後、シケインで(ダリン)ビンダー(KTM)と接触しそうになり、そのまま直進してしまい、順位を大きく落としてしまいました。順位を戻そうと懸命にトライしてポジションを上げていきましたが、ブレーキングでミスをして転倒してしまいました。次戦のドイツではライディングに集中し、今日の悔しさを結果につなげたいです」
鈴木竜生(Moto3 リタイア)
「今日もついていないレースでした。前戦カタルニアGPはオープニングラップにぶつけられ転倒してしまい、そこから再スタートというレースでした。今日はしっかりトップグループの前の方にいて、プラン通りの走りができていたのですが、転倒に巻き込まれてしまいました。今日も集団から抜け出すのは難しい状況でしたが、みんなが激しく抜き合うので、それがペースを落とすことになり、結果的にこうした大集団のレースになってしまいます。なんとかこういう状況を打破して、優勝を目指したいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 38'03.113 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | +0.045 |
3 | 84 | J.コーンフェール | KTM | +1.562 |
4 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | +2.158 |
5 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | +2.201 |
6 | 79 | 小椋藍 | ![]() | +2.264 |
7 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | +2.436 |
8 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +2.580 |
9 | 7 | D.フォッジャ | KTM | +2.758 |
10 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | +2.900 |
11 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | +2.916 |
12 | 44 | A.カネット | KTM | +3.081 |
13 | 22 | 真崎一輝 | KTM | +3.267 |
14 | 12 | F.サラク | KTM | +3.737 |
15 | 11 | セルジオ・ガルシア | ![]() | +12.705 |
16 | 61 | C.オンジュ | KTM | +12.796 |
17 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | +12.800 |
18 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | +12.894 |
19 | 16 | A.ミニョ | KTM | +33.346 |
20 | 82 | S.ネパ | KTM | +36.069 |
21 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | +51.064 |
22 | 18 | R.ファン・デ・ラグマット | KTM | +1'32.359 |
23 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | +1'48.509 |
RT | 40 | D.ビンダー | KTM | +4Laps |
RT | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | +5Laps |
RT | 25 | R.フェルナンデス | KTM | +5Laps |
RT | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | +5Laps |
RT | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | +6Laps |
RT | 75 | A.アレナス | KTM | +7Laps |
RT | 5 | J.マシア | KTM | +7Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 44 | A.カネット | KTM | 107 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | 100 |
3 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | 83 |
4 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 76 |
5 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | 68 |
6 | 5 | J.マシア | KTM | 65 |
7 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | 58 |
8 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | 58 |
9 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | 51 |
10 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | 50 |
11 | 84 | J.コーンフェール | KTM | 46 |
12 | 7 | D.フォッジャ | KTM | 43 |
13 | 16 | A.ミニョ | KTM | 40 |
14 | 79 | 小椋藍 | ![]() | 37 |
15 | 40 | D.ビンダー | KTM | 33 |
16 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 33 |
17 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | 31 |
18 | 75 | A.アレナス | KTM | 30 |
19 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | 30 |
20 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | 22 |
21 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | 21 |
22 | 22 | 真崎一輝 | KTM | 14 |
23 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | 7 |
25 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | 4 |
26 | 11 | セルジオ・ガルシア | ![]() | 4 |
27 | 12 | F.サラク | KTM | 3 |
28 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | 2 |
29 | 61 | C.オンジュ | KTM | 0 |
30 | 31 | ゲリー・サリム | ![]() | 0 |
31 | 77 | V.ペレス | KTM | 0 |
32 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | 0 |
33 | 82 | S.ネパ | KTM | 0 |
34 | 81 | A.ヴィウ | KTM | 0 |
36 | 83 | M.カワカミ | KTM | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 179 |
2 | KTM | 150 |