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郊外にある緑がきれいなサーキットで、ここに行くとイギリス時代を思い出します。周りには何もありませんし、夜はものすごく静かなんですね。去年、寝る前に喉が渇いてチームの来客用テントに飲み物を取りに行ったんですが、あまりにもシーンとしていたので、なぜか音を立てないように忍び足になっていました。今思うと、かなり怪しい人物だったかも(笑)。

ここはフロントストレート(A)が短く、スタート&フィニッシュラインまでにフォーメーションを組みにくいということもあり、最初のスタートだけバックストレート(E)でグリーンフラッグが振られます。その先のターン4(F)は一番のパッシングポイントで、上りながらターン5(G)、下りながらターン6(H)と高低差が激しいのも特徴です。

ターン1(B)も抜きどころではあるんですけど、その先のストレート(C)に向けてスピードにのせて、ターン2(D)で一気にパスするのが理想的だと思います。しかし、ストレート(C)でスピードを上げるためには、ダウンフォースをできるだけ削らなければなりません。あまり削り過ぎるとコーナーが安定しなくなるので、その辺のバランスがとても大事です。

また、低速コーナーも多いですから、パワーをうまく路面に伝えるためのセッティングも必要です。特にターン12(I)は曲がりながらブレーキとシフトダウンをするので、リアタイヤが滑りやすく、油断するとすぐにスピンしてしまいます。コーナーの出口付近にはバンプもありますし、コーナーを立ち上がる時は姿勢が乱れやすいので、ここも要注意ですね。

このコースはアメリカにしては珍しいほど路面の凹凸が少なく、日本のサーキット並みにフラットでグリップしやすいです。今年のトロント戦の翌日に行ったテストでは好感触を得ることができましたし、チームとしては得意としているロードコースだと思います。近くにはHondaの施設があって、その従業員やご家族がたくさん応援にいらっしゃるので、ぜひ良いレースをお見せしたいです。

2008年成績:予選10位 決勝9位


大観衆が見守る中でレースがスタートし、ターン5へと進入する武藤英紀

大観衆が見守る中でレースがスタートし、ターン5へと進入する武藤英紀

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